2017.06.08
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その14 炎加世子と『太陽の墓場』『悪人志願』 「ヌーヴェルバーグ女優」といえばジーン・セバーグやアンナ・カリーナだが、「和製ヌーヴェルバーグ女優」として売り出された女優をご存知だろうか。彼女の名は炎加世子。60年に松竹…
2017.05.11
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その13 島崎雪子と『夜の緋牡丹』 軍隊生活から復員後、文学で身を立てようとしているインテリ青年・小熊隆介は、たまたま入ったお座敷でフラダンスを踊るアッパーな芸者・たい子にすっかり惚れられてしまう。まったく不釣り合いなカ…
2017.03.30
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その12 ソンドラ・ロックと『愛すれど心さびしく』 聾唖者の青年と彼を愛する周囲の人々との(ディス)コミュニケーションを繊細に、そして徹底的に救いなく描いた『愛すれど心さびしく』(68、監督ロバート・エリス・ミラー)は、…
2017.03.02
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その11 名取裕子と『夜のストレンジャー 恐怖』 2014年、ラピュタ阿佐ヶ谷にて東映Vシネマ生誕25周年記念特集上映が開かれた。そこで出会って感銘を受けた作品がある。『闇打つ心臓』(82)などで知られる長崎俊一監督の『…
2017.01.09
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その10 シルビア・クリステルと『アリス または最後の家出』 シルビア・クリステル、と言えば当然代表作は『エマニエル夫人』(74)であり、フィルモグラフィにはそれに類するソフトコア・ポルノや艶笑コメディが並ぶのだが、その…
2016.12.22
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その9 オルガ・ジョルジュ=ピコと『ジュテーム、ジュテーム』 アラン・レネ監督唯一のSF映画『ジュテーム、ジュテーム』(68)は、彼が初期から探求してきた記憶のテーマをある意味究極まで推し進めた作品である。日本未公開・未…
2016.11.17
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その8 デルフィーヌ・セイリグと『インディア・ソング』『ブリュッセル1080 コメルス河畔通り23番地 ジャンヌ・ディエルマン』 1970年代半ば、フランスの女優デルフィーヌ・セイリグはマルグリット・デュラス監督『インデ…
2016.10.13
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その7 国木田アコと『午前中の時間割り』 羽仁進監督『午前中の時間割り』(72)は類例がないほど変わった作品である。ストーリー自体は単純だ。草子と玲子、ふたりの女子高生が夏休みの海岸に気ままな旅行に出た。その過程で8mm…
2016.09.15
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その6 ジーン・セバーグと『リリス』 朝鮮戦争帰還兵の若者ヴィンセント(ウォーレン・ベイティ)は、地元の統合失調症の患者たちの施設で働くうちに、謎めいて妖艶なリリス(ジーン・セバーグ)という女性患者に強く惹かれていく。時…
2016.08.18
【スタッフコラム】ごくごく私的偏愛女優たち by甘利類
その5 水久保澄子と『君と別れて』 『君と別れて』(33)は成瀬巳喜男監督のサイレント期の名作である。芸者稼業の母を持つ青年・義雄と、芸者をする娘・照菊との淡い恋愛と別れが端正な演出で語られる珠玉の作品だ。本作をより特別…