2021.02.03

【スタッフコラム】この推しスター! byパズー

今月の推し「ティルダ・スウィントン」

前回まで「このイケメン!」というタイトルで40回ほど書かせていただいたコラムですが、2021年より気持ちを新たに老若男女問わず「この推しスター!」としてお送りしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

記念すべきリニューアル初回でご紹介するのはこのお方、ティルダ・スウィントン(以下ティルダ様)です。

2020年7月、世界中のロックダウンによりほとんどの映画の公開や製作が延期になり、厳しい映画業界の現実に打ちひしがれていた頃、1枚の写真が私の気持ちをぐぅーん! と持ち上げてくれました。それはスペインのペドロ・アルモドバル監督とティルダ様がマスクとフェイスシールド姿でカチンコを持ってポーズしている写真でした。(ペドロの実弟アウグスティンのTwitterで写真が見られます。→https://twitter.com/AgustinAlmo/status/1283747400826462209?s=20)

ロックダウン解除後にすぐさま巨匠との作品作りに動き出し、しかもその2か月後に開催したヴェネツィア国際映画祭に出品というスピード感、そして上映のためにヴェネツィア入りした際の神々しいほど美しいマスク&ドレス姿…。こんなにもアフターコロナを颯爽と駆け抜けていくティルダ様は本当にカッコよく思えました。きっと私だけではなく世界の映画人の背中を押してくれたはずです。

もちろん、元来いつだって最高にカッコ良いのがティルダ様。スコットランドの名家に生まれ、ケンブリッジ大卒、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで演劇を学んだ超エリート。80年代から鬼才デレク・ジャーマンのミューズとなり、90年代後半からはハリウッドにも進出、今では個性的な作家たちの作品に出る一方で、マーベル作品にもレギュラー出演というまさに世界の映画界を網羅している俳優なのであります。浮世離れしたジェンダーレスな雰囲気で、年齢や性別を超えるどころか人間じゃない役も多く演じているティルダ様。昨年なんと60歳を迎えたというから驚愕です! 時空まで止めちゃっているのでしょうか(『ドクター・ストレンジ』のスキンヘッドの魔術師はまさにそんな役でお似合いすぎて笑いました)。

お気に入り作品は2009年の『ミラノ、愛に生きる』。イタリアの監督ルカ・グァダニーノとは何度もタッグを組み、『サスペリア』では老人男性(!)含めた3役を怪演しているのですが、本作では保守的に生きてきた富豪の主婦に扮しています。コンサバを超猫背で表現するなどやっぱり一癖あるのですが、フォーマルなお嬢さまスタイルは新鮮で美しかったです。

プライベートでは双子の母であり、娘のオナーも俳優として注目されています。2004年から恋人の画家と共にスコットランド北部の小さな港町に住んでいるそう。地元の町で映画祭を企画するなど、映画愛と垣根のない人柄がますます魅力的です。今後の公開待機作の監督たちもウェス・アンダーソン、ギレルモ・デルトロ、アピチャッポン・ウィーラセタクンなどなど…楽しみで溜息がでますね。ティルダ様、一生ついていきます!!

(パズー)

※画像は当館で2014年に上映した『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』より