2019.03.07

【スタッフコラム】日々是好日(ときどき鉱石)by ちゅんこ

子どものころ、住んでいた家のすぐ裏には川があって、よく遊びにいきました。春には菜の花が咲き誇り、水面を明るい黄色に染めます。恐らく子どもが誤って川に落ちないためだと思いますが、土手には「河童注意!」の看板があり、河童が子どもを川に引きずりこむイラストが描かれていました。そのイラストの怖かったこと。実際に私は三歳くらいまで本気で河童の存在を信じ込み、川に入ると河童に引きずり込まれる…と水面には近づきませんでした。

当時、土手に生えていたよもぎを摘んで帰ると、隣の家に住んでいたおばさんがよもぎ餅を作ってくれました。友だちと一緒に河原でよもぎの葉を摘むのも、自分で摘んだよもぎがおいしいお菓子になることも、すべてが遊びのひとつのようで、とても楽しかった記憶があります。作りたての餅はほかほかとあたたかくて、頬張ると口の中いっぱいによもぎ独特の匂いと味が広がります。思い出したら、久しぶりに食べたくなってしまいました。

さて、この季節、毎年楽しみにしているお菓子があります。それはたねやさんの「花見餅」。正方形の箱の中に、赤米餅、よもぎ餅、桜餅がそれぞれ3つずつ並んでいます。それぞれの餅は控えめなサイズなので大丈夫、全種類食べても「お腹いっぱいでもう食べられない~」なんてことにはなりません。春をそのまま詰め込んだような愛らしい花見餅を買って、今年は花見に出かけようかな。

(ちゅんこ)