2024.10.24
【スタッフコラム】しかまる。の暮らしメモ byしかまる。
第34回「建物を味わう」
今年の夏は暑すぎて外に出るのも億劫だったのですが、やっと涼しくなってきてお出かけ欲が高まっている、しかまる。です。早速ですが、先日ちょっと珍しい展示へ行ってきました。お目当ての展示が開催されているのは、東京都庭園美術館。何が珍しいかというと、年に一度だけ建物そのものを展示企画にしているのです!
私が庭園美術館を知るきっかけとなったのは甲斐みのりさんの著書「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」です。都内の様々な美しい建築とそこで食べられるランチやスイーツが紹介されているのですが、庭園美術館のページを開いた時にこんな優雅な空間が美術館?! と衝撃を受けたのを覚えています。
東京都庭園美術館は旧朝香宮邸としても知られており、1920年代にフランス・パリで全盛期だったアール・デコの様式美に触れた朝香宮夫妻が建てた自邸です。当時の最先端の技術と最高級の素材を使って、アール・デコの精華が積極的に取り入れられた建物はそれ自体が美術品のよう…。この建物公開の期間中は、普段は作品保護のために閉められているカーテンが開け放たれ、自然光あふれる邸宅内を散策する気持ちよさを味わえます。そして、なんと嬉しいことに写真撮影し放題! 以前訪れた時はフォルダが建物の画像でいっぱいになるほどたくさん撮影してしまいました。
展示は毎年テーマを変えながら開催されていて、今年は「建物公開2024 あかり、ともるとき」(2024年9月14日(土) ~11月10日(日)まで開催)。旧朝香宮邸のためだけに作られた美しい照明器具に焦点を当てた内容となっています。1階にある豪華で気品あふれるシャンデリアから廊下に取り付けられた小さな照明まで、当時の資料を参考に、照明の設計図や材質、どのような意図でデザインされたのかが解説されていました。部屋ごとに異なるデザインの照明が取り付けられていて、あまりの贅沢な空間にクラクラ。今回はできるだけじっくり建物の空気を味わおうと決めて周っていたのですが、やはり欲望には抗えずスマホでパシャリ。照明器具そのものを撮るだけでは面白みに欠けると思い、窓に反射した照明を撮ろうと試みたのですが、なかなか上手に撮影することが出来ませんでした…。
こうして建物の味わい方を毎年さまざまな角度から教えてくれる庭園美術館は、私にとって何度訪れても心がときめき、最高な気分を味わえる唯一無二な場所。この絶好の機会に皆様もぜひ一度訪れてみてはいかがでしょう。
(しかまる。)