2024.10.17

【スタッフコラム】この推しスター! byパズー

今月の推し「ジョシュ・オコナー」

9月に当館で上映したルカ・グァダニーノ監督作『チャレンジャーズ』。3人のテニスプレーヤーたちの10年にもわたる三角関係を、テニスのゲームになぞらえたように描いたユニークな作品でした。セレブスターのゼンデイヤや、ブロードウェイから映画界でブレイクしたマイク・ファイストと共に主役のひとりを演じたのが、今回の推しジョシュ・オコナー。イギリス出身の34歳です。

2017年に出演した『ゴッズ・オウン・カントリー』はジョシュの出世作で、日本でも密かに熱い人気を呼んだ作品です。孤独な青年2人の不器用で切ないラブストーリーですが、牧場が舞台というのが一風変わっていて、俳優たちが実際に羊の出産や皮剥ぎをしているリアル牧場映画でもあります。ジョシュはこの撮影のために150頭以上もの羊の赤ちゃんをこの世に送り出したとのこと。そんな努力の甲斐もあり(?)注目を浴びた彼は、2021年、イギリス王室を描いた人気ドラマシリーズ「ザ・クラウン」でチャールズ3世を演じ、一躍時の人になりました。

「ザ・クラウン」や『チャンレジャーズ』といった大ヒット作に出演しながら、彫刻家の祖父と陶芸家の祖母という芸術一家で育ったジョシュは根っからのアーティスト。現在日本でも公開中のイタリア映画『墓泥棒と失われた女神』は、『幸福なラザロ』のアリーチェ・ロルヴァケル監督作で、監督の大ファンだったジョシュは直々に手紙を送り出演を逆オファーしたそう。ロルヴァケル作品独特の不思議な世界に迷い込んだようなどこか浮世離れした青年を演じていて素晴らしかったです。

素顔の彼は陶芸やガーデニングを愛する素朴な人柄。最近のインタビューではこれから4週間の休暇があるけれど、刺しゅうだけして過ごすつもりと話していました(ほんとかよ)。数年前にはパートナーと生まれ故郷のグロスターシャー州に家を買い、普段は田舎暮らしをしているようです。34歳にしてこの落ち着きかた、逆にスター…!

しかし映画界ではいま最も売れっ子であるジョシュ。今後の出演作も、『ナイブズ・アウト』シリーズ最新作から、『aftersun/アフターサン』のポール・メスカルと恋人同士を演じる『The History of Sound』、グァダニーノ新作ではレア・セドゥと共演、スピルバーグの新作UFO映画やケリー・ライカートの新作まで、楽しみ過ぎて大興奮な作品ばかりが待機中。なかなか田舎でゆっくりできる時間は無さそうですが、たくさんの傑作に出演していくことでしょう。映画ファンのみなさま、要チェックです★

(パズー)

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