おいしいもののためなら、わざわざ電車を乗り継いで出かけることもへっちゃら。おいしいものが大好きといえば聞こえがいいけれど、どちらかといえば食い意地がはっている…。自分でももう少し食に対する欲求が少なければいいのにと思いながらも、ここ数年間通い続けているケーキ屋さんがあります。

高田馬場から電車で一駅。目白駅から徒歩8分ほどの場所にある「エーグルドゥース」は、知る人ぞ知る人気のケーキ屋さん。落ち着いた紫色が印象的な建物はパリの街角へワープしたようで、ここが日本であることを忘れそうになります。店内に一歩足を踏み入れると、そこには様々な種類の美しいケーキや焼き菓子が並び、わくわくした気持ちになります。これまでさまざまなケーキ屋さんを訪れましたが、「エーグルドゥース」のケーキは本当にひとつひとつが職人さんの手によって丁寧に作られていることがわかって、はじめて食べたときのおいしさは忘れられません。ひっきりなしに訪れるお客さんたちに交じりながら、きょうはどれにしようか悩むのも楽しいです。オーナーシェフの寺井則彦さんは、パティシエ・コンクールの最高峰「クープ・ド・モンド」で準優勝に輝いた経歴を持つほどの実力派。世界のトップパティシエだけが名を連ねる「ルレ・デセール」の数少ない日本人会員でもあります。一番人気はみんな大好きいちごのショートケーキ「シャンティフレーズ」と、しばしばメディアにも取り上げられている「トルシュ・オ・マロン」でしょうか。冬季のみ取り扱われる「トルシュ・オ・マロン」は賞味期限一時間のモンブラン！　注文を受けてから絞られるマロンクリームとメレンゲの台座が口の中に広がり、まさに夢の味わいです。数あるケーキの中でも、私がいつも必ず買ってしまうのは「シャンティキャラメル」です。キャラメルとカスタードの二層のクリームがパリパリのシュー皮に挟まれていて、ほろ苦さと甘さが絶妙の塩梅なんです。ちなみに店名の「エーグルドゥース」とは、フランス語で“甘酸っぱい”を意味するそうです。

「近所の人が散歩の途中に寄ってくれるような店が理想。おじいちゃんおばあちゃんから小さな子どもまで、みんなに愛されるケーキ屋を目指しています」という寺井さんの言葉通り、多くの人に愛される「エーグルドゥース」のケーキ。当館からもそれほど遠くない場所なので、よかったら一度ぜひ足を運んでみてください。

（ちゅんこ）