2016.06.02
【スタッフコラム】鉱石と切手 byちゅんこ
みなさま、蛍石(ほたるいし)と聞いて、その響きからどんな石を想像しますか? 鉱石好きの中で蛍石といったら、おそらく鉱石コレクションの中に、皆ひとつは持っているんじゃないかというぐらいメジャーな石なのですが、蛍石の英名フローライトは、ラテン語のfluere(流れるの意)からきています。加熱すると光る性質を持ち、和名の蛍石は、石の欠片を暗闇で火にくべると、蛍のように発光するところからきているそう(ただし、弾けるので大変危険です。どうしても見たいという方は、動画検索で簡単に探すことができますよ)。中には紫外線を浴びると光るものもあり、イギリスのある産地で採れる蛍石は、太陽光で蛍光するものもあります。
光る石、と聞いて、ひょっとしたら「あれ?もしかして…」と、ピンときた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。そうです、実はこの蛍石、スタジオジブリ制作のアニメ『天空の城ラピュタ』に出てくる飛行石のモデルとも言われているんです(モデルになった石は諸説あって、蛍石のほかに、ラピスラズリや、ラブラドライトではないかとも言われています)。
色は無色から内部に含まれる不純物によって、黄色、緑、青、紫、灰色、褐色などさまざまですが、中でも一番人気があるのが青やミントグリーンの蛍石じゃないでしょうか。現在ではメキシコ産や中国産のものが多く流通していますが、かつてアメリカの蛍石といえばイリノイ州が思い浮かぶと言ってもいいほど、メジャーな産地でした(閉山したいまでも、コレクターの中で“イリノイの蛍石”は憧れと言ってもいいほど、透明度の高い美しい蛍石が数多く見られます)。
ラテン語のfluereも素敵ですが、蛍石なんて名前をつけた人はなんてロマンチックなんだろうと、ついつい想像をめぐらせてしまいます。じめじめ湿気が鬱陶しくなるこの季節、蛍石にも似たお菓子「琥珀糖」を食べながら、蛍狩り…はちょっと難易度が高くても、蛍に似た石で、蛍観賞なんていかがですか?
★ちゅんこオススメ今月の切手★
今回ご紹介しますのは切手ではなく、お隣、目白駅にあります切手の博物館で29日まで開催される「ふたたびのネコ展」です。世界中の猫の切手が盛りだくさん! 展示を見た後は、お気に入りの記念切手などを探してみるのはいかがでしょうか。
(ちゅんこ)