2016.07.14
【スタッフコラム】わが職場の日常 by KANI-ZO
今回は、当館に送られてきたポール・トーマス・アンダーソン監督作品、レディオヘッドのミュージックビデオ「Daydreaming」のお話をしたいと思います。アンダーソン監督は、世界三大映画祭で監督賞を受賞しているアメリカの映画監督。レディオヘッドはイギリスの世界的に有名なバンド。両者が組んで制作した最新曲のミュージックビデオです。
五月のとある日、早稲田松竹の電話が鳴りました。「税関ですが、35mmフィルムが貴館宛にアメリカから送られてきておりますがお心当たりはありますか?」「いいえ。特にありませんが…」「それでは品物の資料をお送りしますので内容の確認をお願いします。おそらくレディオヘッドの~」「!!」といった連絡があったのが事の始まりでした。調べてみるとこの作品は製作者の意向によって、全米のフィルム映写が行える映画館に送られていたそうです。「これはとんでもない贈り物だ!」と事務所内はザワつきました。その後、税関用の手続資料の返信を行い、数日後、当館に金色の1000フィートフィルム缶が送られてきました。中には「よかったら上映してね」とお手紙も入っていました。そして、すぐさま上映の準備を整えました。今回は通常当館では映写しないフィルムの先頭についている“リーダー”と呼ばれるカウント表示部分のフィルムもそのまま使用して、よりフィルム感を出して上映しています。音声はフィルム上のサウンドトラックで上映しています。センタースピーカー、フロントLRスピーカー、サイドLRスピーカーから音が出ますので、家庭用スピーカーやイヤホンで聞くのとまた違った味わいを感じられると思います。
私は、レディオヘッドが好きです。いつも映写しているスクリーンにRadioheadのクレジットが浮かび上がった時には鳥肌が立ちました。アンダーソン監督からの素敵な贈り物「Daydreaming」はその名の通り日常とはちょっと違う白昼夢のようにやってきたのでした。尚、現在は一時上映をお休みしていましたが、今週7月16日からのタランティーノ監督特集の最終回上映終了後に上映を予定していますので、是非観に来てください。
(KANI-ZO)