2016.09.01

【スタッフコラム】☆☆☆に憧れて byスタンド

私は化粧品を集めるのが大好きで、新作が出るとデパートからドラックストアまで、様々な商品をチェックしては幸せに浸っています。先日も、友人が家に泊まりに来て、化粧品の話で盛り上がりメイクをしてあげることになりました。私が化粧をすると特に意識はしていないのに私の顔に似てくるので面白いな。と思っていました。

9/17(土)から上映の『リリーのすべて』のポスターは、とても唇に目が行くような写真が使われています。主演のエディ・レッドメインは元々大きい口の持ち主ですが、妻役のアリシア・ヴィキャンデルの小さく丸い唇に似せるようにメイクしてあるんです(もっとよく観察するとアイメイクも似せてありました)。それに気づいた時、友人との思い出が頭を過ぎって「奥さんが旦那さんにお化粧をしてあげたのかもしれない」と物語を想像してしまい、役者たちが魅力的過ぎて気にしていなかった映画を引き立てるヘアメイクの存在に改めて気づかされたのです。

『リリーのすべて』でヘアメイクを担当しているのはジャン・スウェルという方です。『レ・ミゼラブル』『博士と彼女のセオリー』でもエディのメイクを担当しています。「芝居の気持ちの流れとメイクを合わせるために役者と話し合ったりする」「背景や家具の色味とメイクが馴染むことが大事。最初に美術監督にセットにはどういう色が多いのかカラー表をもらう」「エディを男性が化粧している姿ではなく、女性として魅力的に見えるように何色もの口紅とウィッグを試して、何度も写真を撮った。シェーディングを淡くしたり、ハイライトを入れなかったりと細かい工夫を凝らしている」など、彼女を調べていると出てくるこだわりの数々に新しい映画の観方が出来そうだなとワクワクしてしまいました。「リリーの化粧を物語が進むにつれてどんどん薄くして、最終的にアイメイクは殆どしていない。リリーが自分らしくあることを受け入れる姿は、メイクにも表れている」とインタビューで語っていたジャン・スウェル。メイクも物語を表現する一部なんだと感じながら、この作品を鑑賞してみるのもいいかもしれませんね。そんなこだわりの詰まった『リリーのすべて』のビジュアルに憧れて、まずは口元から自分らしいメイクをと奮闘するスタンドでした。

(スタンド)

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