2016.11.03

【スタッフコラム】☆☆☆に憧れて byスタンド

11月に入り空気も大分冷え込んできましたね。昨年、断捨離をしすぎてコートが一着しかないスタンドです。安いものを買っても大事にしないで捨ててしまうので、生地と形にこだわった6年以上使えそうな素敵なものが欲しい。そう考えていくと結局ハイブランドの商品にたどり着いていました。最新のコレクションなんて買えないけれど、憧れるだけならいいじゃない! 

『ハイブランドにあこがれて ウェス・アンダーソン編』

ヒッチコックの『舞台恐怖症』や『裏窓』などでマレーネ・ディートリッヒやグレース・ケリーの魅力を最大限に引き出しているディオール、『昼顔』でカトリーヌ・ドヌーヴの愛らしさに拍車をかけているサンローラン、オードリー・ヘップバーンの映画に欠かせないジバンシー…名作にはいつも素敵な女優達がハイブランドの服を身にまとっています。調べてみると現在でも、映画の中にはハイブランドがこっそり、しかし、しっかりと作品を彩っているのです。

独特の世界観とヴィジュアルで観客を魅了するウェス・アンダーソン監督の作品では様々なブランドが衣装提供をしています。私はウェス監督作品にでてくる鞄が大好きなのですが、一番有名なのは『ダージリン急行』で三人兄弟が亡き父の形見として持っていた(動物柄でとても可愛い)ヴィトンの旅行鞄じゃないでしょうか。当時の服飾デザイナーを担当していたマーク・ジェイコブスがデザインし、この映画の為だけに製作されたものです。そして『グランド・ブダペスト・ホテル』ではティルダ・スウィントンの役の為にプラダが劇中の時代と同じ(1920~30年)頃に発表したモデルから着想を得たクラシックなトランクが使用されています。金具の細工が豪華なのと、ピンクで書かれたイニシャルがポイント。人が入りそうな大きさから手持ち用のものまでそのボリュームに目を奪われずにはいられません。

いや、探しているのはコートです。ウェス監督作品のキャラクターの中でも群を抜いてオシャレな存在『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のマーゴ(グウィネス・パルトロー)。幼少期からラコステを愛用し、34歳になった彼女はそれの上からフェンディのファーコートをはおり、エルメスのバーキンを持つという物凄くパンチ力のあるガーリーファッションを披露しています。それはキャラクターの内面にピッタリな衣装で、ファッションで表すことが出来るものがあると気づかされました。絶対着こなせなくて、猟師の様になってしまうのにフェンディのファーコートが今一番欲しいです(笑)。さて、定価では届かない値段でも、ヴィンテージ価格なら届くかもしれない。そんな淡い期待を胸に私は古着屋さん巡りを始めました。寒さが厳しくなる前に、冬が終わってしまう前に、お気に入りの一着を見つけたいと思っています。

(スタンド)