2017.01.26
【スタッフコラム】 日々是好日(ときどき鉱石) byちゅんこ
「ぐりとぐら」「三びきのやぎのがらがらどん」「ちびくろサンボ」「手ぶくろを買いに」、そして「おしいれのぼうけん」など、子どものときに大好きだった、絵本や童話の数々…。「ぐりとぐら」は、あの大きなカステラを夢に見るほど憧れたし、「おしいれのぼうけん」はねずみのおばあさんが恐ろしくて、押し入れが苦手になってしまいました(我が家では悪いことをすると、押し入れに一時間入るか、尻叩きかを選ばせてもらえたのですが、私は絵本の影響で迷わず尻叩きを選んでいました)。
もちろん物語なのですべて作り物ですが、幼い私にとっては、物語に出てくるキツネの子供やお姫様は、大切な友達でした。いまでもはっきりと結末まで覚えているお話もあれば、あれ、結末はどうなったっけ? と首をひねるものもあります。先日ふと、そういえばあのお話は何だったかな? と思い出した場面がありました。記憶にあるのは、棘のようなもので何かを編んでいるお姫さまと、何人かの王子さま、そしてなぜか白鳥です。考えても肝心のタイトルが思い出せません。
調べてみたら出てきました。アンデルセン童話の一つ、「野の白鳥」または「白鳥の王子」。「白鳥の王子」というタイトルに記憶がありました。彼らは兄妹で(王子さまが一人じゃなかった記憶があったのですが、確かにいました、しかも11人も!)、お姫さまは白鳥に変えられてしまった王子たちの魔法を解くために、イラクサから糸を取って長い袖のついた上着を11枚編まなくてはいけないというお話でした。ちなみに子供向けの童話には残酷なものもたくさんありますが、このお話はちゃんとハッピーエンドで終わります。
今回紹介します石は、そんな白鳥の羽を集めたような鉱物、クリソタイルこと蛇紋石(じゃもんせき)です。原料の白石綿は、アスベストと聞けばわかりやすいでしょうか。一見ふわふわした綿のような見た目をしていますが、毒性があるため、いまは透明なプラスチックケースに入れて観賞するのが一般的です。
(ちゅんこ)