2017.02.16

【スタッフコラム】 ドラマばかり見ている。 byかわうそ

映画好きの方にぜひオススメしたいドラマがあります。現在放送中の『山田孝之のカンヌ映画祭』(テレビ東京/毎週金曜0時52分~)です。

「カンヌでパルム・ドールを獲りたい」と突然言い出した山田孝之。山田に巻き込まれ、メガホンを取ることになったのは山下敦弘監督。しかし山田は出演せず、プロデュースに専念すると言います。連続殺人鬼エド・ケンパーの映画『穢れの森』を製作することになった二人は、主演女優に芦田愛菜を迎え、映画づくりをスタートさせます。

あらすじだけで、すでにツッコミどころ満載です。「なぜカンヌ?」「山田孝之はどうして映画に出ないの?」「芦田愛菜ちゃんが連続殺人鬼って!(しかも男?)」「『穢れの森』って『殯の森』(河瀬直美監督、カンヌでグランプリを受賞)のパクリ?」

最初から衝撃と謎の連続です。ドラマの監督を務めるのは山下敦弘&松江哲明監督。『山田孝之の東京都北区赤羽』でもタッグを組んだ二人は、前作で実践したフィクションとドキュメントを混在させたスタイルをさらに洗練させ、どこまでが本当でどこからが嘘なのかわからないようなつくりにしています。

劇中は登場するのは全員実在の人物。映画業界の著名人もわんさか出演するので、日ごろから映画や映画業界に関心を持っている人は「こんな人まで出るの!」という驚きで楽しめるでしょう。これまで出演した人たちをざっと挙げると、佐藤忠男(映画評論家)、天願大介(映画監督、脚本家)、矢田部吉彦(東京国際映画祭・作品選定ディレクター)、山内章弘(東宝映画プロデューサー)、ギヨーム・ブラック(フランスの映画監督)などなど。

そして最新話では日本でカンヌといえばこの人、河瀬直美監督が登場しました。「カンヌを獲りたい」という山田に対して「俳優なのになんで映画のプロデュースをしようと思ってんの?」「“森”とかつけたら賞獲れると思ってるんちゃうの?」「(映画をつくりたいだけなら)カンヌなんて目指さなくていいんじゃない。カンヌとかどうでもいいんじゃない?」と問い詰めます。負けじと懸命に答える山田ですが、顔にはぐっしょりと汗が…。

ドラマは現在ちょうど真ん中あたり。どんな結末に向かうのかまったく予想がつきません。ひょっとしたら、ドラマの中でつくられている映画が実際に公開されるなんてことも(ぜひ観たい!)。今からでも充分ついていけると思いますので、ぜひご覧になってみてください。2/25(土)には山下監督がトークショーで当館にお越しなるので、このドラマのお話も聞けないかなあと密かに思っています。最後に芦田愛菜ちゃん、中学合格おめでとうございます!

(かわうそ)