2023.06.08

【スタッフコラム】 日々是好日(ときどき鉱石) byちゅんこ

西早稲田にある「甘露」は、知る人ぞ知る中国のお茶とおやつが楽しめるカフェ。私も以前からその名前は耳にしていましたが、一度も行ったことはありませんでした。職場から歩いて数分の距離にあると知り、足を運んでみました。

入口から階段を下りると、まるで異国を訪れたような錯覚を覚えます。白い壁に落ち着いたトーンの木製の家具が配置され、天井からは中国風の傘がぶら下がっています。客席同士の間隔がゆったりとつくられているため、席に着くとまるでどこか風が通り抜けたような、木陰で休んでいるような居心地のよさに包まれます。私がその日頼んだのは、二種類の天心とお茶などがセットになったおこわランチと、桃膠(タオジャオ)と呼ばれるデザート。これは桃の樹液を使ったおやつで、別名「桃の花の涙」とも呼ばれるそう。口に含むとほのかな甘みが広がり、まさに至福のひとときです。

ところで、当館でも上映した『羅小黒戦記/THE LEGEND OFHEI』という中国の人気アニメに、公開当時私はどっぷりとはまり、毎週のように映画館に通っていました。映画の中で子猫の妖精である小黒(シャオヘイ)がうずまき状のおやつを食べるシーンがあり、何だろうと不思議に思っていたのですが、調べてみたらこれは螺旋酥(ラセンス)と呼ばれる中国の焼き菓子で、うずを巻いたパイ生地で餡を包んだものだそうです。中に入る餡によっていろいろな商品があり、当時「甘露」とのコラボ商品が発売されました。発売日にはすぐに完売する人気ぶりで、かくいう私もオンライン販売での争奪戦に敗れたくちなのですが、今回「甘露」を訪れたときに螺旋酥が販売しており、ようやく食べることができました。初めて食べる螺旋酥は杏仁風味。あまり日本のおやつにはない感じで、物珍しくも楽しい気持ちになりました。映画を観にきた際は、みなさまもぜひ足を運んでみてください。

(ちゅんこ)