2023.04.20

【スタッフコラム】うどん粉デザインばなし byうどん粉くん

今月のラインアップチラシはもう手に取っていただけたでしょうか。今週土曜日から上映する『グリーン・ナイト』をモチーフにしました。『グリーン・ナイト』はデザイナーの石井勇一さんによるポスタービジュアルがバッチバチにキマっていて、一度見たら忘れられないくらいカッコいい。それほど強烈なビジュアルイメージが出来上がっている作品をモチーフにするのは恐れ多かったのですが、あることでちょっと変なスイッチが入って楽しくデザインできました。

中世を舞台に青年が奇妙な冒険をする『グリーン・ナイト』の世界観ってすごくゲームっぽくないですか? 樹木人間みたいな見た目の緑の騎士や、不気味な巨人、言葉を話すキツネなど、ファンタジー要素強めなキャラクターたちはゲームに出てきたらすごく映えそうです。そう思ったらだんだんゲームソフトのパッケージデザインをしているような気分になってきて、ゲームでよく遊んでいた90年代の頃を思い出しながらノリノリでチラシをつくれました。

あの頃のゲームといえば、懐かしのスーパーファミコンです。今や実写と変わらないレベルのグラフィックを堪能できるゲームもどんどん出てきていますが、当時ならではの低ビット感のあるゲームもなかなか味わい深いもので、今見るとなんだか安心感すら覚えます。そして何よりスーパーファミコンって、ソフトのパッケージがおしゃれだったな~と思うんです。まずパッケージがプラスチックとかじゃなく紙箱ってのがアツい。長方形でVHSくらいのサイズでした。この例えも若い方には古くて伝わらないかもですね(笑)。紙だから乱暴に扱うとへこんだり、破れたりして、ショックだったのも振り返ればステキな思い出です。ゲームソフトを買った帰りの車の中で、我慢できずソッコー開封してワクワクしながら説明書を読んじゃったりもしました。

スーパーファミコンのソフトは本当に名作ぞろいでしたが、パッケージデザインにおいてもカッコいいソフトばかりでした。僕が印象的だったのは「星のカービィ スーパーデラックス」。木板の柄がプリントされたパッケージに、焼き印が押されたようにタイトルとカービィが配置されたシンプルなデザイン。スーパーデラックスというタイトルから、色々詰め込んで盛り盛りにしたくなりそうなところを敢えて削ぎ落として、カービィのチャームポイントであるピンクカラーにも頼らないその潔さに子供ながらシビれたのを覚えています。

ノスタルジーに浸っていたら無性にスーパーファミコンで遊びたくなってきました。そういえば視力が落ちてメガネをかけるきっかけになったのもその頃にゲームに熱中したせいだったな。今度帰省したときには、押し入れを捜索してみようかなと企むうどん粉なのでした。

(うどん粉くん)