2020.01.02

【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック

『まだまだ紹介したい!私の好きな「映画音楽」2019』

2019年も終わり新年を迎えました。そこで2019年に早稲田松竹で上映した映画の中で、印象的だった音楽を簡単ではありますがここでざっくりと紹介したいと思います。

これぞサイケ! と思ったのが、2月にレイトショーで上映したケネス・アンガー監督作『プース・モーメント』で使われていた、Jonathan Halperという人の「Leaving My Old Life Behind」という曲です。こもったような音、アコギ、歪んだエレキギター、気だるいムードとまさにサイケ。あまりにも良かったので彼が何者なのか調べてみたのですが、結局わかりませんでした。余談ですが、この曲はイギリスのロックバンド、Franz Ferdinandがカバーしているようです。彼らも『プース・モーメント』観たのかな?

去年最もすばらしいと思ったのは、クレール・ドゥニ監督作『ハイ・ライフ』(9月上映)のエンドロールで使われていた「Willow」という曲です。囁くように淡々と歌うボーカルと、リズムに沿うのではなくボーカルの呼吸に呼応するようなベース音、そして浮遊感はありながらも暗く冷たい感触はまさに宇宙空間を想像しました。調べてみるとなんとこの曲は、主演を務めたロバート・パティンソンが歌っています! 音楽自体はTindersticksというイギリスのグループが作曲していて、クレール・ドゥニ監督作では『ネネットとボニ』、『ガーゴイル』、『35杯のラムショット』と多く音楽を担当しています。恥ずかしながら私は初めて知ったグループでした。

年末に上映したので記憶に新しい『永遠に僕のもの』のエンドロール曲「Verdes Prados」も素晴らしいと思いました。歪んだエレキギターの音でロックでありながらも、ソウルやラテンのもつ熱量とグルーヴ感が満載です。イタリア系アルゼンチン人であるBilly Bondが率いるロック・グループ、Billy Bond y La Pesadaの曲で、映画の中で主人公が盗み、バイクに括り付けたレコードがまさにBilly Bondのアルバムです。またこの映画はその他の音楽も素晴らしく、以前このコラムで取り上げた盲目のストリートミュージシャンMoondogも使われていて、思わずにやりとしました。

さて、今回ご紹介したのは自分が知らなかった曲やミュージシャンだけなのですが、知っている曲でも、やっぱり良いと感じたものも多くありました。映画に使われる音楽は、映像も相まって記憶に残りやすいように思います。今年もそんな音楽を多く見つけられたら良いなあ。

「Leaving My Old Life Behind」Jonathan Halper(年代不明)
「Willow」Tindersticks (featuring Robert Pattinson)(2019)
『Billy Bond y La Pesada del Rock and Roll』
Billy Bond y La Pesad(1971)

© Kenneth Anger

(ジャック)