2023.02.09
【スタッフコラム】へんてこコレクション byすみちゃん
お引越しをしてからもうだいぶ経ってしまったのですが、わたしはなかなかお気に入りのカーテンが見つけられず、ずっと窓にはレースのカーテンがついたままでした。さすがにカーテンが必要だと感じ始めて布をオンラインで探していると、見つけました、へんてこ柄の布を!
どんな柄かといいますと、左右に分かれているカーテンの右側には、シマウマが真ん中にドーンとありまして、シマウマの縞々がレインボーになっています。そのシマウマの後ろには大きな虹がかかっていて、蝶々が2頭飛んでいます。カーテンの左側は、赤い布地にシマウマと虹が一緒に戯れているようなイラストの総柄で、こちら側の方がよりカーテンらしさを感じます。文字で説明しているだけでもとても混沌としていることが伝わるのではないでしょうか? 私はこのカーテンをつけてから、毎日ハッピーなのではないかと錯覚するようになりました。頭を打った時に見てしまいそうな柄だからかもしれません。
カーテンが印象的な映画について記憶を巡らせていたら、ジャン・コクトーの『美女と野獣』に出てくるカーテンを思い出しました。ろうそくのランプを持ったマッチョな腕が壁からにょきっと生えているコミカルさとは対照的に、主人公のベルがお屋敷の廊下を歩いた時の白く発光しているようなカーテンは、とても幻想的です。やはりカーテンの醍醐味は風に吹かれた時で、見ていて心地が良いですし、『美女と野獣』に出てくるカーテンが風になびくことで、野獣の心情が伝わります。
思い返すと、わたしは今まで住んでいたお家にはほぼカーテンをつけてきませんでした。どうやら窓そのものが個人的に好きみたいです。窓にカーテンをつけることを渋った理由に、大きな窓から入る日の光の動きに面白さが感じられるところにあります。窓といえば、ジョルジュ・シュヴィッツゲーベルの『技(JEU)』というアニメーションを思い出します。平面の四角形が突然壁になり、窓になり、窓からの光による影が動き、そして風景全体が絵画になり…と、まるで異次元の世界に迷い込むようです。この一連の動きが見ていて心地よく、別次元をなめらかに瞬間移動しているようで感動してしまいます! 言葉ではなかなか説明しづらい複雑な作品ではありますが、1コマ1コマ手描きで描かれており、温かみや可愛らしさもあります。(Georges Schwizgebelと検索すると公式のVimeoで動画を観ることができますので是非観てみてください!)実際のおうちではそんなスピーディーに影が動くことはありませんが、部屋にある植物が日の光によって表情を変える姿を見るととても幸せな気持ちになりますし、同じ場所にいても視点を変えるだけで気づけることがあることに喜びを感じられます。
カーテンを楽しみつつ、天気の良い日はカーテンを開けて、部屋に目いっぱい日の光を入れる時間も作りたいなと思うのでした。
(すみちゃん)