今年は、卯年。十二支では四番目にあたるうさぎは跳ねる姿から飛躍を、また長い耳は福を集めるとされ、昔から縁起のよいものと言われてきました。動物のイメージが強い十二支ですが、古くは植物の成長過程を意味するものだったそうです。今年の「卯」は「茂」という意味で、草木が地面をおおうようになった状態。植物が成長するように、飛躍の年にしたいですね。

そんな卯年にちなんで、地元のお客さんに愛されるだけでなく、わざわざ遠方から足を運んで買いに行きたいと思わせる、ある一軒のお店を紹介したいと思います。

おいしいどら焼きで有名な「うさぎや」さん。上野、日本橋、阿佐ヶ谷と店舗があります。大正２年、創業者である谷口喜作さんが上野に店を構えました。かわいらしい店名のうさぎやとは谷口さんが卯年生まれだったことからつけられたそうです。三軒の経営者は親戚同士ですが、暖簾分けではなくそれぞれが独立した店舗になります。そのため製造方法も異なり、あんこや生地に微妙な違いがあるのだそう。

私が実際にいただいたのは阿佐ヶ谷のうさぎやさん。もっちりとした生地はほかではあまり見ないもので、初めて食べたとき、どら焼きとはこんなにおいしかったのかと感動したのを覚えています。ちなみに名物であるどや焼きのほかに、うさぎ饅頭も有名です。真っ白でまん丸のお饅頭に、透き通ったピンクでうさぎの目と耳が表現されています。その愛らしさは思わず食べるのがもったいなくなってしまうほど…。いつかそれぞれの店舗の食べ比べをしてみたいなあと思います。

(ちゅんこ)