2018.11.29
【スタッフコラム】このイケメン! byパズー
vol28. 今月のイケメン「ルーカス・ヘッジズ」
今年劇的に飛躍した若手といえば、前回取りあげたティモシー・シャラメ君がまず筆頭になるのですが、華があるティモシーの影に隠れて、もう1人忘れてはならない実力派イケメンがいるのです。それが今回のイケメン、ルーカス・ヘッジズ君21歳。ケン・ローチの映画に出てきそうな、田舎の不良役とかが似合う不器用な感じのイケメンです。なぜ彼らを比べるかというと、実は2人とも、当館で上映中の『レディ・バード』で主人公が付き合うボーイフレンドを演じているから。対照的な魅力のイケメンを掴まえるなんて羨ましい…と思って観ておりました。
さて、これまたティモシーと同じ、NY生まれのルーカス君。父は『ギルバート・グレイプ』の原作者で、脚本家・監督のピーター・ヘッジズ、母も女優という映画一家で育ちました。ウェス・アンダーソン監督『ムーンライズ・キングダム』(12)や、テリー・ギリアム監督『ゼロの未来』(13)など子役で着々と経験を積み、2016年『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で一躍脚光を浴びることに。主人公の甥役で、主役のケイシー・アフレックに引けを取らない繊細な演技を披露、20歳にしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。これはリバー・フェニックス、レオナルド・ディカプリオに次ぐ快挙だったそうです。
これを機にメディアから一斉に「ニュースターの誕生!」と騒がされたルーカス君、しかし彼はそんなことで舞い上がるような男じゃありません。当時のインタビューでは「僕の仕事は人間であること。自分自身を大切にして、しっかり地に足をつけて、舞台や映画も挑戦し続けたい。」と答えています(cinemacafe.netより)。SNSもやらず、スターとして注目を浴びることには興味が無い様子。ということで当然ゴシップも今のところ無し…なんてしっかり者。でもねルーカス君、俳優ならひとつやふたつ、どうしようもない失敗とか恥ずかしい経験とかしておいた方が、味のある役者になれると思うんだけどねぇ…(だれ)
とはいえ今後の出演作も、同性愛矯正施設に入れられた少年を演じたニコール・キッドマン、ラッセル・クロウ共演作『Boy Erased』や、父ピーターの新作でジュリア・ロバーツと親子役『Ben Is Back』、俳優ジョナ・ヒルが監督したスケボー青春映画『Mid90s』などなど、どれも本当に楽しみなものばかり。ゴシップ好きアラサーの余計な心配はいらなそうです。
(パズー)