2019.10.17

【スタッフコラム】このイケメン! byパズー

vol.34 今月のイケメン「ルイ・ガレル」

久々に来ました、二世イケメン! かつフランス産イケメン! 現代フランス映画のアイコンといえばこの方、ルイ・ガレルが満を持しての登場です。

ルイ氏のお父上はフランスを代表する映画監督のひとり、フィリップ・ガレル。私小説ならぬ“私映画”の巨匠であるガレル監督は、自身の家族を作品に出演させていて、特にルイ氏は近年のガレル作品になくてはならない存在です。どの作品も素敵ですが1本あげるなら『恋人たちの失われた革命』(05)でしょうか。当時20歳そこそこで、お父さんの青春期を投影した役を演じるなんて普通の若者ならヤダなーとかなりそうですが、さらっとこなしてしまうのがルイ氏のすごいところ。情熱的な瞳と無造作くるくるヘアがモノクロフィルムにこの上なく映えていました。

もっとも、ブレイクしたのはその少し前のベルナルド・ベルトルッチ監督作『ドリーマーズ』(03)。イノセントな魅力とほとばしる色気がすごかったです。まぁこの作品では共演のマイケル・ピットのぽってり唇と劇中ほとんど全裸のエヴァ・グリーンも同じくらい衝撃だったのですが…。ちなみに『恋人たちの失われた革命』と『ドリーマーズ』はどちらも1968年のパリ五月革命の頃を舞台にしていて、ルイ氏の持つ危うさと五月革命の親和性はすごいのかもしれません。

2000年代のフランス映画界に彗星のごとく現れたルイ氏も今は36歳。昨年は『グッバイ・ゴダール!』でゴダール御大の若かりし頃を演じ、ふっさふさの髪の毛をゴダール風に剃り上げるというファンにはショッキングなルックを披露していました。役の幅が広がったんだと肯定的に受け止めます…。そういえばこの映画でも舞台は五月革命の頃ですね。

私的な恋愛を描き続ける父ガレルに負けじとルイ氏もなかなか愛の狩人です。20歳以上年上の女優兼監督のヴァレリア・ブルーニ・テデスキとの5年に渡る交際は有名(ヴァレリアはサルコジ元仏大統領の妻カーラ・ブルーニの姉でもある超セレブ)。養子まで迎えたものの2012年に破局してしまいました。その後、自身の監督作に出演したイラン出身の超美人女優ゴルシフテ・ファラハニとのロマンスを通過して、2017年に元スーパーモデルのレティシア・カスタとついに結婚! は、華やか過ぎるぜ…。ルイ氏の最新監督作『パリの恋人たち』(12月に日本でも公開します!)にはレティシアも出演しており、着々と父ガレルと同じ道を進んでいるのです。

ちなみに、当館では11/2(土)から父ガレルの作品を上映するのですが、そのうちの1本『救いの接吻』ではなんと6歳のルイ氏が拝めます! 今のセクシーさはまだ感じられませんが(当たり前)、くるくるヘアなのはこの頃からで天使のような可愛さです。ぜひご覧ください♪

(パズー)