2019.08.14

【スタッフコラム】早稲田松竹・トロピカル・ダンディー byジャック

「Gary Wilsonが好き」

私が音楽を買うときの癖? の一つに、お店に行く前に目当ての物を決めておくのと、全く予備知識のないものの、二つを買ってしまうというものがあります。お店ごとに区切られているジャンルの棚から選ぶこともあれば、ジャケットで選ぶパターンもあるのですが、自分の好みであるものを手に取る確率はそこまで高くありません。その分、「これは当たりだ!」というものを選べた時には喜びもひとしおです。Gary Wilsonというミュージシャンに思い入れがあるのは、「自分で見つけた」という感覚が強いからです。

70年代からニューヨークのアンダーグラウンドで活動している彼の音楽、そしてボーカルスタイルは唯一無二なもので、どこか不気味でありながらもポップであり妙に明るい気分になります。誰にも媚びを売らず、好きなことを好きなようにやっているようにみえる姿勢がまた、微笑ましく感じます。1977年に発表した『You Think You Really Know Me』というアルバム以降、長い間沈黙していたのですが、Beckが『Odelay』というアルバムでGary Wilsonに触れたことから知名度があがり、2003年に発表したアルバムを皮切りに、気づいたらどんどん作品を発表しています。

ちなみに私が初めて手に取ったのは2011年に発表した『Electric Endicott』というアルバムで、ジャケットに魅了され購入しました。宅録でパッケージングされない彼の音楽は、何となく気づいたら、自分の近くに誰が作ったかわからないお手製のクッキーが置いてあるような嬉しさと訝しさが混ざっている感覚に近いと思います。とりあえず食べてみるかと手を伸ばして正解でした。まさか後にこんなに次々と作られるとは…。

さて、なんと実は『You Think You Really Know Me: The Gary Wilson Story』(2005)という彼についてのドキュメンタリー映画があります! 残念ながら日本では未公開のようです。しかし『You Think You Really Know Me』 のCDと、彼のドキュメンタリー映画の2枚組で販売されています(今でも気軽に手にはいるのかは不明です)。どうしても観たい場合はこちらを購入するしかないようです。おそらく輸入盤でなので、日本語字幕は付いていません。いつの日か、劇場で日本公開してもらえたら、いいなあ。こちらの映画も、彼のアルバムと同じように、気づいたら公開してた、なんてことがあるかもしれません。

『You Think You Really Know Me』(1977)
『Electric Endicott』(2011)
『You Think You Really Know Me: The Gary Wilson Story』(2005)CD+DVD

(ジャック)