2021.03.04
【スタッフコラム】日々是好日(ときどき鉱石) byちゅんこ
いつかもう一度食べたい。そんな記憶の中に残るお菓子がありませんか?
私の場合は小学生低学年のとき。友人の家で作ったクッキーがそうです。家にオーブンがなかったので、友人宅にお邪魔させてもらい、わいわいお喋りをしながらクッキーを焼いたのを覚えています。クッキーが焼ける直前、部屋中に甘い匂いが広がり、テンションはマックスに。冷めてからのクッキーももちろんおいしいですが、ほかほかの出来立てクッキーを食べられるのは手作りならではの楽しみです。小学生が作れるくらいなのでレシピもそんなに難しいものではなかったはずだし、おそらく楽しかった記憶によって実際の味よりもおいしさが増している可能性が大きいですが、大人になってふと昔食べたような素朴でおいしいクッキーが食べたくなりました。
神戸にある「ケーキハウス フォンテーヌブロー」さんが手がける“リンツァーアウゲン”というクッキーがあります。花のかたちをしたクッキーに、片方はアプリコットのジャムが、もう片方にはチョコレートがのったなんとも愛らしいクッキーです。実はこのクッキー、兵庫の名店「ミッシェルバッハ」さんのクッキーと瓜二つ。それもそのはず「フォンテーヌブロー」さんのオーナーは「ミッシェルバッハ」さんの先代と同じお店で修行されていて、独立するときにそれぞれレシピを師匠から受け継いだそうです。
ちなみにどちらも大層人気で、幻のクッキーと言われています。「ミッシェルバッハ」さんは店頭でしか買えませんが、「フォンテーヌブロー」さんは通販も受け付けています。約2ヶ月待ちのそのクッキーを実際に頼んでみました。少し固めのクッキー生地に、甘酸っぱいアプリコットのジャムとチョコレート味の両方が楽しめます。プロがじっくりと丁寧に時間をかけたクッキーは、当然ながら子どもの手作りクッキーとは異なりますが、素朴で一度食べ出したら手が止まらず、気がつけばあっという間に食べ切ってしまいました。
(ちゅんこ)