2026.06.25

スタッフコラム「この推しスター!」 byパズー

今月の推し「レナーテ・レインスヴェ」

『わたしは最悪。』(2021/ヨアキム・トリアー監督)を観たとき、それまで全く知らなかった主演俳優の輝きにすっかり魅了されてしまいました。その人こそ今回の推し、レナーテ・レインスヴェです。

ノルウェー出身で現在38歳のレナーテさん。オスロの芸術アカデミーで演技を学んだあと、劇場に所属し舞台を中心に活躍していました。実は2011年にヨアキム・トリアー監督の初期作『オスロ、8月31日』に端役で出演しているのですが、その後映像作品では目立った活躍が無く、大工への転職を考えていたそう。まさに役者を辞めようと決心したその翌日に、ヨアキム監督から『わたしは最悪。』の主人公・ユリヤ役のオファーを受けたと語っています。

レナーテにあて書きされたユリヤというキャラクターは、幼稚なようで成熟していて、ずるくて賢いなんとも複雑な人物でした。そんな“クセ者”主人公をとてつもなく魅力的に見せたのは、間違いなくレナーテの演技ゆえだったと思います。監督曰く「レナーテは大胆で勇敢、平気で不完全な部分を見せることが出来て、虚栄心が無い。明るさと深みのバランスが独特で、コメディもシリアスなドラマも演じられる素晴らしい才能を持っている」とのこと。そして今年日本でも公開した、監督と再びタッグを組んだ新作『センチメンタル・バリュー』も、これまた素晴らしい作品&演技でした。このふたりが創り上げたキャラクターが私は本当に好きで、ヨアキム監督にはレナーテに役者を辞めさせないでくれてありがとうと言いたいです…!

ちなみに、2025年のインタビューで元恋人との間に生まれた5歳になる息子がいることを明かしています。子供が生まれた後でキャリアがまた始まるって、もちろん大変なことも多いと思うけれどなんだか素敵ですね。現在のパートナーは出演作『Armand』の監督、ハーフダン・ウルマン・トンデルさんだそう。実はこの方、あのイングマール・ベルイマンとリヴ・ウルマンの孫というから映画ファンはプチ驚きです。

さて、『センチメンタル・バリュー』以降彼女はさらに飛躍し、まさに「時の人」となっています。最近は、今年のカンヌ映画祭でパルムドールに輝いたクリスティアン・ムンジウ監督『フィヨルド』と、いま全米で若者を中心に大旋風を巻き起こしているホラー『Backrooms』というバラエティに富んだ話題作に出演。どちらも日本公開が決まっているようなので楽しみですね♪

(パズー)