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今週はアメリカン・エンタメ・コメディ特集!

アメリカのコメディといえば、1975年から続く長寿バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」が代表的ですよね。今やハリウッドの登竜門的役割もあり、「サタデー・ナイト・ライブ」出身のコメディアンはあげればキリがありません。そして、歌ありダンスあり、パロディネタ、時事ネタ、大物スターがゲスト出演など、そのスタイルは現在のコメディ作品にも大きく影響しています。

今週お届けするのは『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜出し方』『ナイスガイズ!』。まさに「サタデー・ナイト・ライブ」の要素をしっかり踏襲したアメリカンエンターテインメントど真ん中な二本立てです。

腹を抱えて笑えるけれど、きゅんとしたりハラハラしたり物語もしっかり楽しめて、でもやっぱり爆笑。
「どうせB級映画でしょ〜」と思って観逃すのはもったいない! 映画館でみんなで声出して笑える映画って最高じゃないですか!
それでは、それぞれの作品の魅力をウザいほどたっぷりお伝えします!!

エイミー、エイミー、エイミー!
こじらせシングルライフの抜け出し方

Trainwreck
(2015年 アメリカ 125分 DCP R15+ ビスタ) pic 2017年5月27日から6月2日まで上映 ■監督・製作 ジャド・アパトー
■製作 バリー・メンデル
■脚本 エイミー・シューマー
■撮影 ジョディ・リー・リップス
■音楽 ジョン・ブライオン

■出演 エイミー・シューマー/ビル・ヘイダー/ブリー・ラーソン/ティルダ・スウィントン/エズラ・ミラー/コリン・クイン/ジョン・シナ/レブロン・ジェームズ

■第73回ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)作品賞・主演女優賞ノミネート

©UNIVERSAL STUDIOS.ALL RIGHTS RESERVED

<STORY>
幼い頃に離婚した父親から、「一夫一婦なんて悪だ!」と教えられたエイミー。その影響で恋愛はせず男性とは一夜限りの関係と割り切り自由奔放に生きていた。そんな生活にマンネリ感を持った頃に、仕事でスポーツ外科医のアーロンの記事を執筆することになり、彼を取材する。アーロンとの出会いをきっかけに、エイミーは自身の恋愛や人生を見つめ直して生きていこうと決心するが…。

全米No.1コメディエンヌ、エイミー・シューマーが
『40歳の童貞男』の鬼才ジャド・アパトー監督とのタッグで贈る
オンナの本音をリアルに描く爆笑コメディ!

picエイミー・シューマーとジャド・アパトー。このふたりがタッグを組むと聞いただけで、アメリカンコメディ好きの方ならもう「100%おもしろいに決まってる!」となるのではないでしょうか。日本での知名度はまだまだ低いかもしれませんが、二人とも、いまアメリカで知らない人はいないほどのヒットメイカーなのです。

まず、本作で主演はもちろん脚本も務めるエイミー・シューマー。自らホストを務めるコメディ番組「インサイド・エイミー・シューマー」('13〜)で一躍人気になり、TIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出されたり、フォーブス誌で「最も稼いだコメディアンランキング」にもランクインするなど、コメディエンヌとしての記録を塗り替えています。

picいっぽう監督を務めたのはジャド・アパトー。90年代はじめからジム・キャリーやアダム・サンドラーといった友人たちと仕事をしてきましたが、製作を務めた『俺たちニュースキャスター』(04)、スティーヴ・カレル主演の『40歳の童貞男』(05)が大ヒットし有名に。それ以降は、『スモーキング・ハイ』(08)、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(11)、ちょっと意外ですが『はじまりのうた』(13)など、数々のヒット作品をプロデュースしています。

エイミー・シューマーの作るコメディは、女性の恋愛や容姿についてのあるあるネタ。いっぽうジャドの作品といえば、大抵サエない中年男が主人公です。どちらも自身の体験をネタにしたものが多いので、ちょっとお下品なテーマではあってもとにかくリアルなんです。そんなふたりがタッグを組んで作り上げた本作は、キャリアもあって男にも困らないいわゆる“リア充”ニューヨーカーのエイミーが、でも本当の恋愛には臆病で…というお話。もちろん基本はキワどいジョーク満載で笑いっぱなし! ですが、同時に不器用なエイミーの成長物語でもあるのです。こじらせながらも頑張るキュートなエイミーの姿に、きっと最後は観た人みんながハッピーになれるはず。

picさらに、本作の大きな見どころは、なんてったって異常なほどの豪華キャスト! 『ルーム』でオスカーに輝いたブリー・ラーソンや、『ドクター・ストレンジ』『グランド・ブタペスト・ホテル』のティルダ・スウィントン(いつもと180度違いすぎて最初は気付けません)、NBAの現役スーパースター、レブロン・ジェームズも本人役で登場。その他にも書ききれないほどのゲストが、カメオや本人役で登場しまくります。皆さま何人見つけられるでしょうか。やはり全米イチのコメディエンヌの満を持しての主演作だけあって、みんな出演を快諾したのでしょう、イメージなど気にせず楽しんでバカをできるところが、アメリカ映画界の面白いところですよね。ちなみにエイミーの相手役を演じる眉毛が素敵なビル・ヘイダーもエミー賞を受賞している超人気俳優。いろいろなコメディ作品に出演しているので要チェックです!

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ナイスガイズ!
The Nice Guys
(2016年 アメリカ 116分 DCP PG12 シネスコ)
pic 2017年5月27日から6月2日まで上映 ■監督・脚本 シェーン・ブラック
■脚本 アンソニー・バガロッツィ
■撮影 フィリップ・ルースロ
■音楽 ジョン・オットマン/デヴィッド・バックリー

■出演 ラッセル・クロウ/ライアン・ゴズリング/アンガーリー・ライス/マット・ボマー/マーガレット・クアリー/キース・デヴィッド/ヤヤ・ダコスタ/ボー・ナップ/ジャック・キルマー/キム・ベイシンガー

©2016 NICE GUYS, LLC

<STORY>
シングルファーザーで酒浸りの私立探偵マーチは、腕力で揉め事を解決する示談屋ヒーリーに強引に相棒にされ、失踪した少女の捜索を開始する。凸凹コンビに、13歳で車の運転までこなすキュートなマーチの娘・ホリーが加わり捜索を進めていくと、簡単なはずだった仕事は、1本の映画にまつわる連続不審死事件へと繋がり、やがて3人はアメリカ国家を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく――。

ラッセル・クロウ×ライアン・ゴズリング W主演!
凸凹コンビとキュートなヒロインが巨悪を暴く?!
痛快ポップ・アクション・エンターテインメント!!

pic 『エイミー、エイミー、エイミー!〜』が王道アメリカンコメディだとしたら、『ナイスガイズ!』は王道の事件解決系バディムービー(そんなのあるのかわかりませんが…)と言えるでしょう! 監督は『リーサル・ウェポン』(脚本を担当)や『キスキス・バンバン』のシェーン・ブラック。すでにお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、この監督は「バディもの」が大の得意なのです。

pic本作でバディを組むのはラッセル・クロウとライアン・ゴズリングという豪華な二人組。でも映画が始まってみると、あれ、ふたりとも全然カッコよくない…。ラッセル・クロウ演じる示談屋は、腕っぷしが強い荒くれ者というプライベートそのままのような役柄。しかも役作りか否か、3サイズくらいビッグになっております。『ラ・ラ・ランド』で人気を不動のものにしたザ・イケメンのライアン・ゴズリングも、本作ではいつもより高い声で酒浸りの子持ち探偵というトホホなキャラクターに扮しています。ライアンのコメディアンぶりは素晴らしく、アホだけどニクめないくたびれた感じがほんとにハマり役。とにかく、ラッセル&ライアンのダメダメ中年コンビに終始笑わせられっぱなしなのです!

picところで、「超笑える」ともっぱら評判の本作ですが、実は見所はそれだけじゃありません。まずは本格的なアクションシーン。カーチェイスや銃撃戦が意外と(失礼)かっこ良い! バイオレンスやエロ要素もしっかり入っているし、腐敗した政治や社会問題、ヒッピー文化など70年代アメリカの空気がありありと再現されています。さらにストーリーの伏線も盛りだくさんで、謎解き映画としてもじゅうぶんに面白いんです。

個人的にはライアンの娘役、アンガーリー・ライスちゃんのキュートさや、『パロアルト・ストーリー』のジャック・キルマー(『キスキス、バンバン』のヴァル・キルマーの息子です!)、マーガレット・クアリーなど魅力的な若手キャストにも注目です。

とはいえ、こういったたくさんの要素が詰め込まれながらも、全体は「コメディ」でまとめているところがなによりGOOD! 手に汗握りワクワクしつつ、次の瞬間吹き出して笑える、コレ最高。老若男女誰もが楽しめる良質エンタメムービーです! (パズー)

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