輝ける青春
LA MEGLIO GIOVENTU
(2003年 イタリア 366分)
2007年12月29日から2008年1月4日まで上映 ■監督 マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ(『ペッピーノの百歩』
■脚本 サンドロ・ペトラリア/ステファノ・ルッリ(『家の鍵』『13歳の夏に僕は生まれた』)
■出演 ルイジ・ロ・カーショ/アレッシオ・ボーニ/アドリアーナ・アスティ/ソニア・ベルガマスコ

★一本のみの上映です。

ルキノ・ヴィスコンティ
フェデリコ・フェリーニ
ミケランジェロ・アントニオーニ
ロベルト・ロッセリーニ
ヴィットリオ・デ・シーカ…

イタリアが生んだ名匠たち。そんな偉大なる監督たちの名作と肩を並べる作品が21世紀に誕生した。 『輝ける青春』。

1966年、ローマ。ありふれた中流の家庭であるカラーティ家には、ニコラとマッテオという仲の良い兄弟がいた。ある日2人は、精神病院で不当な扱いを受ける少女ジョルジアと出会い、彼女病院から救い出し親元に帰そうと決意する。

しかしこの計画は失敗に終わってしまい、その後の2人の人生を大きく変えることとなってしまう。医学部の学生であったニコラは医師となり医療の改革を目指し、彼の妻は学生運動からテロ組織のメンバーとなり、マッテオは軍隊、そしてテロを取り締まる警察へ。

pic次第に仲の良かった兄弟の気持は離れていってしまう。すべての根底には、社会の歪みがあった…。

世界中で変革が叫ばれ、激動の時代であった1960年代から21世紀初頭までの37年間に起こった、イタリアの近代史を語る上で決して避けることの出来ない出来事を、登場人物たちの体験を通して展開していく一大叙事詩。

フィレンツェの大洪水、政治、学生運動、テロ。様々な出来事が人々の心を一つにし、また切り離していった。その様を丁寧に描いていく。

長い映画だ。上映時間、実に6時間6分(途中休憩有り)。この長さが大きな話題になりがちだが、それは監督の自信の現れとも取れる。これほどの長尺作品はよほどの手腕がなければ手におえない。

監督は、『ペッピーノの百歩』のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。主人公達と同世代である彼のイタリアへの思いが6時間に凝縮されている。

6時間6分を長いと感じるか?適切と感じるか?はたまた短いと感じるか?是非、体感してからその答えを見つけていただきたい。時は確実に進むということを痛感させられる6時間6分。
腰を据えてじっくりと味わっていただきたい、大きな河の流れ。イタリア発、映画の新たな地平に最敬礼。

(オサム)



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