ムーラン・ルージュ
MOULIN ROUGE!
(2001年 アメリカ 128分)
2006年11月18日から11月24日まで上映
■監督・脚本 バズ・ラーマン
■脚本 クレイグ・ピアース
■音楽 クレイグ・アームストロング/マリウス・デ・ヴリーズ/スティーヴ・ヒッチコック
■歌 デヴィッド・ボウイ
■出演 ニコール・キッドマン/ユアン・マクレガー/ジョン・レグイザモ/ジム・ブロードベント
■オフィシャル・サイト http://www.foxjapan.com/movies/moulinrouge/
パリ、1889年。作家になることを夢見る青年クリスチャンは放浪の旅の末に、真実・自由・美・愛を理想とするボヘミアン革命中のモンマルトルに辿り着く。そこで知り合ったロートレック達から才能を見込まれ、ナイトクラブ”ムーラン・ルージュ”の高級娼婦サティーンのショーの台本を書くよう頼まれる。
女優になるためにパトロンを探していたサティーンは、初めはクリスチャンを公爵だと勘違いして近づくが、詩を口ずさむ彼に本気で恋してしまう。ショーはクリスチャンの書いた芝居をサティーンが演じることになり、上映費用は公爵が払ってくれることに。しかし、サティーンを独占しようとする公爵の行為に耐えられなくなったクリスチャンは駆け落ちしようと決意する…。
『ムーラン・ルージュ』は時代設定は19世紀末という一応の設定がある。しかし、夜の街にはネオンが灯り、歌われる曲はニルヴァーナ、ファットボーイ・スリム、T-レックス、エルトン・ジョン等の豪華アーティスト達の20世紀を代表するポップ・ミュージックばかり。真面目に間違ってると突っ込まずに、このデタラメで混沌とした100%の人工美を楽しむのが本作の醍醐味だろう。
また本作の主演二人が吹替えなしで歌っていることに驚かされた。まず『ムーラン・ルージュ』以前までのユアンのイメージといったら、『トレインスポッティング』等での脱ぎっぷりのいい兄ちゃん的イメージだったのだが、その他にもこんなに素晴らしい歌唱力があったなんて。ヒロインのニコール・キッドマンは相変わらずの美貌で、まるで青い瞳の人形みたいだ。そしてユアンに負けず劣らずの素晴らしい歌唱力を披露してくれている。
赤と青の鮮烈なコントラスト。喜劇と悲劇の絶妙なミックス。王道だが心に響くストーリー。扇情的で現代風にアレンジされた衣装。光り輝くネオンのサイン。豪華絢爛なサウンドとダンス。こんなに派手な「夜も○ッパレ」は見たことがない、いや、もとい、こんなにすごいミュージカルみたことない。
(パンプキン)
RENT/レント
RENT
(2005年 アメリカ 135分)
2006年11月18日から11月24日まで上映
■監督 クリス・コロンバス
■脚本 スティーブン・チョボスキー
■原作・作詞作曲 ジョナサン・ラーソン(ミュージカル版)
■出演 ロザリオ・ドーソン/テイ・ディグス/ジェシー・L・マーティン/イディナ・メンゼル
「リアルなミュージカル」
ちょっと違和感のあるフレーズだが、本作にはピッタリ!勿論賛辞として。
ここに登場する人物たちは、みんな"今”を生きている。我々と同じ時間を、そして同じ悩みを共有している。HIV、ドラッグ、ゲイ、貧困・・・。彼らは、それでも夢を諦めずに生きる。友情、そして愛に支えられて。
これまでのミュージカル映画ではあまり馴染みの無い題材ながら、決して無視することの出来ない世界をを描いている本作。
そう、テーマは「生きる」ということ。
一日一日を一生懸命生きるということの難しさ、やり切れなさ、そしてなにより素晴らしさ。その思いが、ロック・R&B・ゴスペル等、バラエティ豊かな楽曲にのせて語られる。普遍的な事柄を、まるで呼吸をするように歌う彼ら。また、その一曲一曲が素晴らしい。
音楽だけを聞いていても感動できる、コレ名作ミュージカルの大前提。名曲は、時代を超えて愛され続ける。それなら本作も、いきなり殿堂入り間違いなし。
「なにもそこまで」?観ればわかるさ。
今までミュージカル映画に興味が無かった方々には、入門編としてもうってつけ!今を生きるリアルなミュージカル、『レント』。
あぁ、この地球(ほし)の「レント(家賃)」は安くない。
(オサム)