あなたにも書ける恋愛小説
ALEX AND EMMA
(2003年 アメリカ 95分)
2004年10月2日から10月8日まで上映
■監督 ロブ・ライナー
■脚本 ジェレミー・レヴァン
■出演 ケイト・ハドソン/ルーク・ウィルソン/ソフィー・マルソー/デヴィッド・ペイマー
★本編はカラーです
(C)GAGA communications inc.新進作家のアレックスは、人生最大のトラブルに見舞われていた。スランプに陥り筆が全く進まない。おまけに借金を抱え、一ヶ月以内に返済しないと命はないと脅されている。
何が何でも一ヶ月で新作を書き上げ、原稿料を手にしなければならない。が、借金取りに商売道具のパソコンを壊されてしまった…。期限内に小説を完成させるため、アレックスは口述筆記を使おうと考え、堅物速記者エマを雇う。
最初エマは、軽薄なアレックスに対し、あからさまな拒絶反応を見せるが、彼が書こうとしている小説の内容が、「恋に魂を抜き取られて苦しむ男の話」と知り、仕事に興味を持ち始める。かくして二人の共同作業が始まる。
ロブ・ライナー監督といえば、『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』あたりを思い浮かべてしまいがちだが、彼の真骨頂はなんと言っても『恋人たちの予感』に代表されるラブ・ストーリー。そんな恋愛映画の巨匠が新ラブ・ストーリーの女王として抜擢したのがケイト・ハドソン。母親(ゴールディ・ホーン)譲りのキュートな笑顔と演技力、そして都会的なセンスを持ち合わせた個性派だ。
そんな二人のコラボレーションから誕生した本作は、旬のヒロインのキラキラした魅力に満ち溢れている。
現実の世界と小説の世界がシンクロし、アレックスが原稿を書き換えるたびに、劇中劇として繰り広げられる小説の映像が変化してしまうのが面白い。そこでケイト・ハドソンが四人の女性を変幻自在に演じ分けて見せるのだが、さすが蛙の子は蛙、コメディエンヌぶりを遺憾なく発揮している。
(マコト)
ル・ディヴォース/パリに恋して
LE DIVORCE
(2003年 アメリカ/フランス 118分)
2004年10月2日から10月8日まで上映
■監督・脚本 ジェームズ・アイヴォリー
■原作 ダイアン・ジョンソン
■脚本 ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
■出演 ケイト・ハドソン/ナオミ・ワッツ/ジャン=マルク・バール/レスリー・キャロン/ストッカード・チャニー/グレン・クローズ/ロマン・デュリス
パリに住む姉ロクサーヌに会うためにシャルル・ド・ゴール空港に降り立ったイザベル。ロクサーヌにはフランス人の夫アンリがいて、只今第二子を妊娠中。しかしイザベルがロクサーヌの部屋を訪ねると、夫は愛人をつくって出て行ってしまったという。
一方イザベルは、そんな姉を心配しつつも、「恋の街パリなら何でもあり」と外交官エドガルの愛人になるが、彼はなんとアンリの叔父にあたる人物!これに加えて、ロクサーヌが持参した絵画の所有権をめぐり、アメリカン・ファミリーVSフレンチ・ファミリーのバトルに発展していく。
『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』の名匠ジェームズ・アイヴォリーによる、ベスト・セラー小説の映画化。エレガントなコスチューム・プレイを得意とする監督が、今回は珍しく現代劇、しかもコメディで、人間関係や恋愛におけるカルチャー・ギャップを、上品に軽やかに描いている。
キャストには、イザベル役に、監督が最初から思い描いていたというケイト・ハドソン。ロクサーヌ役にはナオミ・キャンベル。そして、グレン・クローズ、サム・ウォーターストン、ストッカード・チャニングら、アカデミー賞候補経験のある演技派が、しっかりと脇を固めている。
また、監督自身「重要なメインキャスト」と言い切るパリの街も見逃せない。特にスクリーンに登場するのは30年ぶりというエッフェル塔内部は、後半の見所のひとつとなっている。
(マコト)