愛してる、愛してない…
A LA FOLIE...PAS DU TOUT
(2002年 フランス 96分)
2003年11月15日から11月21日まで上映 ■監督・脚本 レティシア・コロンバニ
■出演 オドレイ・トトゥ/サミュエル・ル・ビアン/イザベル・カレ/クレマン・シボニー

(C)コムストック

心臓外科医の彼、ロイック(サミュエル・ル・ビアン)にアンジェリク(オドレイ・トトウ)は、一輪のバラを贈る。初めての出会いに、ロイックが一輪のバラをくれたから。配達されたバラを、うれしそうに受け取るロイック。ありふれた恋愛風景から物語は始まる…。

ポップで色彩豊かに輝くアンジェリクの恋。しかしロイックの妊娠中の妻、しきりに心臓の不調を訴える患者たち、役立たずの看護婦が次々と登場しながら、物語は徐々に加速していく…。

物語が進むにつれ、私たちはこの映画が単なるラヴストーリーではなく、サスペンスに富んだひねりのあるスリラーであることを知る。

アンジェリクは言う。「誰もが恋の夢を抱くわ。私はその夢が強かっただけ」と。決してアンジェリクのケースが特殊なのではない(どう特殊かはご覧になってからのお楽しみですが)。

人は恋をし続ける。そして、誰しもアンジェリクのようになり得るのかもしれない。

主人公アンジェリクを演じるのは『アメリ』でその愛らしさから大ブレイクを果たしたオドレイ・トトウ。本作では『アメリ』での空想癖がさらにパワーアップし、それに行動力もプラスされたのだから凄まじい。

監督は26歳の美貌の新進女性監督レティシア・コロンバニ。『シックス・センス』をも思わせる、ひねりを効かせた構成、そして意表を突く心憎いエンディング。物語の結末はくれぐれも内密に。

(カツオ)


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ベッカムに恋して
BEND IT LIKE BECKHAM
(2002年 イギリス 112分)
pic 2003年11月15日から11月21日まで上映 ■監督・脚本・製作 グリンダ・チャーダ
■脚本 グルジット・ビンドラ/ポール・マエダ・バージェス
■出演 パーミンダ・ナーグラ/キーラ・ナイトレイ/ジョナサン・リース=マイヤーズ/アヌパム・カー/アーチー・パンジャビ

(C)アルバトロス・フィルム

ジェスはサッカーとベッカムを愛するインド系イギリス人の18歳の少女。天性の素質を持ったストライカーである。ベッカムに憧れ、自らもサッカーに夢中。

ある日、地元の女子サッカーチームの選手、ジュールズに誘われ、ジェスはチームのメンバーとなる。2人はプロを目指して友情を深めるが、ジェスの両親は猛反対。コーチのジョーに勇気づけられ、家族には秘密でサッカーを続ける。

ジェスはジョーと語り合ううちにいつしか恋心を抱いていく。彼にはすでにジュールズが思いを寄せていると知りながら。そこへ彼女たちのプレーをアメリカのプロチームのスカウトマンが視察にくるというニュースがまいこむ。果たして2人の夢は叶えられるのか…。そして恋と友情のゆくえは?

本作品はベッカム人気に便乗した作品では決してない。監督らが初めて脚本の下地を書いた時、ベッカムはイギリスで最も不人気なサッカー選手であったという。98年のワールドカップ対アルゼンチン戦で彼が退場になった時、人々はイギリスが敗れたのは、ベッカムのせいだと非難したのだ。

そんな当時の風潮にも関わらず監督がベッカムを取り上げたのはなぜか。それは、彼の人気ゆえ女性のサッカー人気に大幅に貢献したこと、昔からあるマッチョタイプのサッカー選手のイメージを変えたということが作品テーマと重なっていたためである。

チームメイトと共に試写会で映画をみたベッカムは「ものすごく気に入った」と大絶賛した。

カーティス・メイフィールドの「ムーヴ・オン・アップ」の流れる予告編の軽快なイメージそのままの、ガールズパワー炸裂の新世代エンタテイメント・ムーヴィーである。

(カツオ)



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