【2024/8/24(土)~8/30(金)】『DUNE/デューン 砂の惑星』+『デューン 砂の惑星PART2』

ジャック

早稲田松竹ではドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作を数々上映してきました。実際に起こった銃乱射事件を全編モノクロで描いた『静かなる叫び』、双子の姉弟が母親の壮絶の人生を紐解いていく『灼熱の魂』、砂埃舞うとある街で麻薬カルテルの捜査を行う『ボーダーライン』、地球外生物との交信を試みる『メッセージ』、そして名作SF映画『ブレードランナー』のまさかの続編、『ブレードランナー2049』。並べてみると様々なジャンルの映画が出そろっていますが、それでも私にはこれらの作品に一貫したテーマがあるように思えます。

物語が進むにつれて紐解かれていく過去や、予言のように挟まれる未来の映像によって、現在の状況の裏に隠された本当の真実が浮かび上がり、「自分が何かを選択し決断しなければならない」という岐路に立つ人物の葛藤。仕組まれていたように、自分が今ここでこの状況に直面していること。まるで「運命」としか言いようのない事実を、どの作品でも壮大かつ丁寧に描いているのではないでしょうか。

今回上映する、はるか彼方の砂の惑星での壮絶な戦いを描いたSF映画『DUNE/デューン 砂の惑星』『デューン 砂の惑星PART2』でもこのテーマは共通しています。そして何よりこの二つの作品には、映画のシーンの節々にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の過去作が頭をよぎる瞬間があります。全編を覆う砂埃、キャラクターが話す特殊な言語、血縁や一族の問題、超大作のリメイク…。まるでこの映画を作り上げるために、彼の過去作が存在しているのかもしれないとさえ思えるほどです。私にはこの『デューン』シリーズが監督の集大成のように感じています。彼の作品の登場人物たちがあらかじめ決められた「運命」によって現在にたどり着いているように、監督自身がまさに『デューン』までたどり着くことを運命づけられていたのかもしれない、と勝手な妄想ながら胸が熱くなっています。

現在ではどうやら第3作も製作が進んでいるとのこと。超大作SFエンターテインメントのスケールに魅了されながら、監督自身が歩んできた道のりも知ることができるこの『デューン』シリーズ、是非この機会にご覧いただければと思います。

DUNE/デューン 砂の惑星
Dune

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品/2021年/アメリカ/155分/DCP/シネスコ

■監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
■原作 フランク・ハーバート「デューン 砂の惑星」(ハヤカワ文庫SF刊)
■製作総指揮 ジョン・スペイツ
■脚本 ジョン・スペイツ/ドゥニ・ヴィルヌーヴ/エリック・ロス
■撮影 グレイグ・フレイザー
■編集 ジョー・ウォーカー
■音楽 ハンス・ジマー

■出演 ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/オスカー・アイザック/ジョシュ・ブローリン/ゼンデイヤ/ジェイソン・モモア/ハビエル・バルデム/ステラン・スカルスガルド/デイブ・バウティスタ/スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン/チャン・チェン/シャロン・ダンカン=ブルースター/シャーロット・ランプリング

■第94回アカデミー賞撮影賞・作曲賞・編集賞ほか3部門受賞、作品賞ほか3部門ノミネート/第79回ゴールデン・グローブ賞作曲賞受賞、作品賞・監督賞ノミネート/英国アカデミー賞撮影賞・作曲賞ほか3部門受賞、作品賞ほか4部門ノミネート ほか多数受賞・ノミネート

©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

全宇宙から命を狙われるひとりの青年に、未来は託された――

アトレイデス家の後継者、ポール。彼には”未来が視える”能力があった。宇宙帝国の皇帝からの命令で、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる、過酷な≪砂の惑星デューン≫へと移住するが、それは罠だった…。そこで宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家との壮絶な戦いが勃発! 父を殺され、巨大なサンドワームが襲い来るその惑星で、ポールは全宇宙のために立ち上がる――

これが、未来型シネマ・エクスペリエンス! 壮大なる宇宙戦争の幕が上がる――

『ブレードランナー2049』『メッセージ』の天才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、かつてデヴィッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートのSF小説の古典を新たに映画化。「キャリア史上最も重要な作品」と監督も断言する、誰も観たことのないスペクタクル・アドベンチャーを作り上げた。

主人公となるポール役を『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメが務めるほか、『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤ、『アクアマン』のジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソンらこれ以上ない豪華俳優陣が出演している。

デューン 砂の惑星PART2
Dune: Part Two

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品/2024年/アメリカ/166分/DCP/シネスコ

■監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
■原作 フランク・ハーバート「デューン 砂の惑星」(ハヤカワ文庫SF刊)
■製作総指揮 ジョン・スペイツ
■脚本 ジョン・スペイツ/ドゥニ・ヴィルヌーヴ
■撮影 グレイグ・フレイザー
■編集 ジョー・ウォーカー
■音楽 ハンス・ジマー

■出演 ティモシー・シャラメ/ゼンデイヤ/レベッカ・ファーガソン/ジョシュ・ブローリン/オースティン・バトラー/フローレンス・ピュー/デイブ・バウティスタ/クリストファー・ウォーケン/レア・セドゥ/スエイラ・ヤクーブ/ステラン・スカルスガルド/シャーロット・ランプリング/ハビエル・バルデム

© 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary. All rights reserved.

宇宙の運命を賭けた、最終決戦。ついに、復讐のとき――

砂の惑星(デューン)をめぐる、全宇宙を巻き込んだアトレイデス家とハルコンネン家の壮絶な戦い。ハルコンネン家の策略により、一族全員を殺され、唯一生き残ったアトレイデス家の後継者・ポールは砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせ、やがてその絆が彼を救世主としての運命に導いていく。

来るべき戦いに備える日々のなかで、何か大きな力に目覚めようとしているポール。そんな彼の前に、遂に姿を現したパーディシャー皇帝シャッダム四世と、砂の惑星(デューン)の新たな支配者として送り込まれた、ハルコンネン男爵の残忍な甥フェイド=ラウサがポールの前に立ちはだかる。戦いの先に新たな希望は訪れるのか――。それぞれの運命と思惑が交差するなか、全宇宙を巻き込んだ最終決戦が遂に幕を開ける!

前人未踏の惑星体験にダイブせよ!

フランク・ハーバートのSF小説を映画化し、2021年に公開された『DUNE/デューン 砂の惑星』。世界34の国と地域で初登場No.1、全世界で4億ドルを超す大ヒットを記録し、第94回アカデミー賞では最多6部門を受賞した。その続編である本作は、全てがスケールアップし、壮大な物語はクライマックスへと突入する。前作と同じく、監督は『メッセージ』『ブレードランナー2049』の不可能を映像化する男ドゥニ・ヴィルヌーヴ。音楽には映画音楽の巨匠ハンス・ジマーが顔を揃える。

前作から引き続き、主人公ポールには『ウォンカとチョコレート工場』で世界中を虜にしたティモシー・シャラメ。共演にはゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、デイブ・バウティスタ、ハビエル・バルデムらが出演。『PART2』から新たに登場するのは、『エルヴィス』のオースティン・バトラー、『ミッドサマー』のフローレンス・ピュー、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ。ハリウッドを代表する新旧オールスターキャストが集結した。