【2024/8/3(土)~8/9(金)】『ゴールド・ボーイ』『貴公子』『1999年の夏休み』

もし、理想の人生が手に入るなら。
もし、暗い過去を消し去ることができるなら。
あなたはどんなことでもやり遂げられる覚悟はありますか?
たとえそれが“人の命を奪うこと”であったとしても…。

今週の早稲田松竹は「アジアン・ノワール傑作選 キラースマイルに気をつけろ!」と題して、『ゴールド・ボーイ』と『貴公子』の二本立てを上映いたします! 平成『ガメラ』3部作の金子修介監督に『THE WITCH/魔女』のパク・フンジョン監督の最新作にして日本(+中国)×韓国が生んだ奇跡のサスペンス・ノワール。これを観ずしてこの暑い夏は乗り切れません!!

どちらの作品も、主人公となるのは家庭や生い立ちに事情のある少年(青年)少女たち。ひょんなことから、貧しい生活がひっくり返るようなとある“出来事”が起こります。人生がひっくり返ること…それは莫大な遺産! そんなチャンスを手にした彼らのまわりには悪い大人が付きまとうものです。彼らに近づくのは不敵な笑みを浮かべた甘いマスク。天使のような容姿からはまるで想像もつかない悪魔のような男たち…。今回の「キラースマイル」というテーマにふさわしい岡田将生とキム・ソンホの底知れぬ微笑みは、恐ろしくもいつの間にか虜になってしまいます。

一方、そんな最強の男たちと戦う彼らもまた一筋縄ではいきません。天才的な頭脳を持った中学生に地下格闘で稼ぐボクサー。互いに追って追われての駆け引きのスリル、それに加えて想像もできない複雑な人間関係が絡みあい、まったく予想もできない結末に物語は展開していきます。

「この人は本当にいい人なのか、もしかして悪い人なのか?」
二本を観終わるころ、きっとあなたは疑ってしまうかもしれません。隣の席に座っていた人も、帰りに寄ったコンビニの店員さんも、はたまた家で出迎えてくれる家族も…!? 「見た目に騙されるな!」この言葉がぴったりな二本立て。エンドロールのあとまで翻弄され続ける両作品に全力で振り回されてください!!

貴公子
The Childe

パク・フンジョン監督作品/2023年/韓国/118分/DCP/PG12/シネスコ

■監督・脚本・製作 パク・フンジョン
■撮影 シン・テホ
■音楽 モグ

■出演 キム・ソンホ/カン・テジュ/キム・ガンウ/コ・アラ

© 2023 GOLDMOON PICTURES & STUDIO&NEW. All Rights Reserved.

【2024/8/3(土)~8/9(金)】上映

この男、天使か、悪魔か――。

フィリピンで病気の母のために地下格闘で日銭を稼ぐ青年マルコは、韓国人の父の行方を知らない。そんなある日、彼の前に“父の使い”を名乗る男が現れ、マルコは韓国に向かうことに。飛行機の中でマルコが出会ったのは自らを“友達(チング)”と呼ぶ謎の男“貴公子”。不気味に笑う貴公子に恐怖を感じ逃げるマルコだったが、彼の執拗な追跡と狂暴ぶりに徐々に追い詰められていく…。

なぜ、マルコの前に突然、父親は現れたのか…? 謎の貴公子の目的とは…? すべてが明らかとなった時、マルコはさらなる危機に見舞われる。

『THE WITCH/魔女』パク・フンジョン監督が手がける韓国ノワールの傑作

予想もしなかった運命に翻弄され、巨額の遺産相続争いに巻き込まれた貧しい青年。彼の前に現れた美しい顔立ちの男“貴公子”は味方か? それとも悪魔か? 次々と傑作を放つ韓国映画界から新たなアクションノワールが登場。一瞬も見逃せないアクションで観客を釘付けにするのは『新しき世界』『THE WITCH/魔女』で絶賛を集めたパク・フンジョン監督。本作でも銃撃戦、接近格闘、カーチェイスだけでなく、登場人物たちの息詰まる攻防を熾烈なタッチでスクリーンに刻みつける。

さらに『海街チャチャチャ』で大ブレイクを果たしたキム・ソンホが映画初主演を務め、周囲を華麗に翻弄する魅惑的かつユーモラスな“貴公子”を熱演する。莫大な遺産をめぐって繰り広げられるバトルと駆け引きは観客の予想を裏切る展開の連続。絶体絶命の瞬間だけで綴られる“衝撃超え”のドラマが幕を開ける!

ゴールド・ボーイ
Gold Boy

金子修介監督作品/2024年/日本/129分/DCP/PG12/シネスコ

■監督 金子修介
■原作 紫金陳 小説:「坏小孩」 (悪童たち)/ ドラマ:「隠秘的角落」 (バッド・キッズ)
■脚本 港岳彦
■撮影 柳島克己
■編集 洲崎千恵子
■音楽 谷口尚久
■主題歌 倖田來未「Silence」

■出演 岡田将生/黒木華/羽村仁成/星乃あんな/前出燿志/松井玲奈/北村一輝/江口洋介

©2024 GOLD BOY

【2024/8/3(土)~8/9(金)】上映

きっと、あなたにも殺したい人がいる。

それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。義父母を崖から突き落とす男の姿を偶然にもカメラでとらえた少年たち。事業家の婿養子である男は、ある目的のために犯行に及んだのだ。一方、少年たちも複雑な家庭環境による貧困や、家族関係の問題を抱えていた。

「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」朝陽は男を脅迫して大金を得ようと画策する。「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まってるから」殺人犯と少年たちの二転三転する駆け引きの末に待ち受ける結末とは…。

アジア最高峰のドラマ原作を日本映画化! 殺人犯と少年たちの心理戦が幕を開ける。

原作は、中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)の 「坏小孩」 (悪童たち)。殺人犯と少年たちの頭脳戦を描いた本作は、動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」でドラマ化され、総再生回数20億回(※iQIYI JAPAN調べ)を突破する大ヒットを記録。このアジア最高峰ドラマの原作小説の舞台を沖縄に移し日本映画化に挑んだ。監督は、平成『ガメラ』3 部作、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』、『デスノート』など国内外でのヒット作を生み出す金子修介。

狂気的な殺人犯役に岡田将生、その殺人犯に頭脳戦を挑む少年たちに羽村仁成、星乃あんな、前出燿志。そして、彼らを取り巻く大人たちに黒木華、松井玲奈、北村一輝、江口洋介という豪華キャストが集結。最高のクライム・エンターテインメントがここに誕生した。

【特別レイトショー】1999年の夏休み
【Late Show】Summer Vacation 1999

金子修介監督作品/1988年/日本/90分/DCP/ビスタ

■監督 金子修介
■脚本 岸田理生
■撮影 高間賢治
■編集 冨田功
■音楽 中村由利子

■出演 宮島依里/大寶智子/中野みゆき/水原里絵(深津絵里)
■声の出演 高山みなみ/佐々木望/村田博美/前田昌明

©1988 日活/アニプレックス

【2024/8/3(土)~8/9(金)】上映

僕を殺したのは、君だ!!

山と湖に囲まれ、世間から隔絶された全寮制の学院で共同生活をしている少年たち。初夏のある夜、その中の一人、悠が崖から身投げする…。夏休みになって寮に残ったのは三人。自分を愛していた悠の自殺に自責の念にかられている和彦。和彦に対して深い思いやりで接しているリーダー格の直人。そして和彦の悠に対する想いに強い嫉妬を抱いている下級生の則夫。ある日、悠と瓜二つの転入生・薫が現れ、三人は混乱し動揺する。そして彼らの関係性は奇妙な方向にねじ曲がっていく…。

邦画ニューウェーブの新たな地平を切り開いた記念碑的傑作が鮮やかにスクリーンによみがえる

本作は、萩尾望都の傑作漫画「トーマの心臓」をモチーフにした、少年同士の愛を幻想的に描いた異色の青春ファンタジー作品である。四人の少年役を当時十代の少女たちが演じ、摩訶不思議な舞台装置や美術、透明感漂う音楽も相まって、独特の世界を紡ぎだしている。監督は、後に平成ガメラシリーズや『デスノート』シリーズを手掛ける金子修介。主演は現在声優としても活躍中の宮島依里、また深津絵里(当時は“水原里絵”名義)が本作でスクリーンデビューを飾っている。

※公開三十周年を記念して製作されたデジタルリマスター版での上映です