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営業再開についてのお知らせ

当館は新型コロナウィルス感染拡大防止のため休館しておりましたが、この度、6月1日(月)より営業を再開させていただきます。
当プログラムは近日中での振替上映を検討しております。上映期間・タイムスケジュール等は決まり次第、改めてお知らせいたします。いましばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

なお、座席数の制限や指定席など、ご入場のシステムに関して大きな変更点がございます。システムの変更に関する詳細は、「新型コロナウイルス感染拡大防止の対応について」をお読みください。お客さまには大変ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

早稲田松竹

アンジェリカの微笑み
The Strange Case of Angelica

マノエル・ド・オリヴェイラ監督作品/2010年/ポルトガル・スペイン・フランス・ブラジル/97分/DCP

■監督・脚本 マノエル・ド・オリヴェイラ
■撮影 サビーヌ・ランスラン
■美術 クリスティアン・マルティ/ジョゼ・ペドロ・ペーニャ
■編集 ヴァレリー・ロワズルー

■出演 リカルド・トレパ/ピラール・ロペス・デ・アジャラ/レオノール・シルヴェイラ/ルイス・ミゲル・シントラ/イザベル・ルート

■第63回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門オープニング作品/2015年キネマ旬報ベスト・テン外国映画第3位

■オフィシャルサイト http://www.crest-inter.co.jp/angelica/

■パンフレット販売なし

©Filmes Do Tejo II, Eddie Saeta S.A., Les Films De l’Après-
Midi,Mostra Internacional de Cinema 2010

世にも美しい愛の幻想譚。

ポルトガルはドウロ河流域の小さな町。カメラが趣味の青年イザクは、ある夜、若くして亡くなった娘アンジェリカの写真撮影を依頼され、町でも有数の富豪の邸宅を訪れる。白い死に装束に身を包み、花束を手に抱えて横たわる、かの娘にカメラを向けると、その美しい娘は、突然瞼を開きイザクに微笑みかける。その瞬間、イザクは雷に打たれたように恋に落ち、すっかりアンジェリカの虜になってしまうのだった…。

現役最高齢監督として国際的に知られ、2015年4月2日に、惜しまれつつも106歳で永眠した世界の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。そのオリヴェイラ監督が101歳の時に撮り上げたのが『アンジェリカの微笑み』だ。魔術的な語り口に長けた映画作家オリヴェイラ監督だからこそ創り得た、ミステリアスで驚くほど瑞々しい、時空を超えた愛の幻想譚である。

青年イザクを演じるのはオリヴェイラ映画の常連俳優であり、監督の実の孫でもあるリカルド・トレパ。人気女優ピラール・ロペス・デ・アジャラがアンジェリカに扮し、うっとりするほど艶美な微笑みで観る者すべてを魅了する。さらに、監督のお気に入りのピアニストマリア・ジョアン・ピリスが奏でる、ショパンのピアノソナタ3番などが深々と胸に染み入る情感を喚起する。一方、農夫たちが歌う朴訥とした労働歌はどこかユーモラスであり、そのコントラストも絶妙だ。

インディア・ソング
India Song

マルグリット・デュラス監督作品/1974年/フランス/120分/35mm

■監督・原作・脚本 マルグリット・デュラス
■撮影 ブリュノ・ニュイッテン
■音楽 カルロス・ダレッシオ

■出演 デルフィーヌ・セイリグ/マイケル・ロンズデール/マチュー・カリエール/クロード・マン

■パンフレット販売なし

愛、倦怠、追憶、そして大いなる忘却――1930年代のインドを舞台に官能の映像美で綴った衝撃作

1937年、インドのカルカッタ。フランス大使夫人アンヌ・マリー・ストレッテルは30代の優雅な女性で、彼女は植民地の白人社会の中で娼婦のように男たちに体を許しながら女神のように神秘的な存在であった。彼女の周辺には、恋人たちの姿が絶えず見られた。大使館でのパーティーの夜、ラホールの元副領事が招かれる。彼はアンヌに激しい恋心を抱くが…。

小説「ラホールの副領事」を主な源泉として、大使夫人アンヌへの不可能な愛で狂気に陥る副領事の物語を描く。前作『ガンジスの女』で発見したオフの声を全面的に活用。物語の外の語りや、発声源が見えない声が出来事(と、その記憶)を喚起、推測を巡らせる。癒しがたい倦怠感と愛の渇望、死の誘惑といったテーマを描き、かつてない独創的な映画の領域に踏み込んだ代表作。

ラ・ジュテ
La jetée

クリス・マルケル監督作品/1962年/フランス/29分/35mm

■監督・脚本 クリス・マルケル
■撮影  ジャン・チアボー
■音楽 トレヴァー・ダンカン

■出演 エレーヌ・シャトラン/ジャック・ルドー/ ダフォ・アニシ

■パンフレット販売なし

© 1962 ARGOS FILMS

男は子どもの頃に戻りたいと願った。それは女が待っているかもしれない世界——

第三次世界大戦後、放射能に汚染されたパリの地下で戦争を生きのびた勝者側の科学者たちは、“過去”と“未来”に人類の救済を求めるために、捕虜を使って時間旅行を試みる。彼らはそこで、ある記憶に取りつかれた男を選び出す。

彼は少年時代、オルリー空港の送迎台で見た断片的なイメージ――凍った太陽と叫ぶ女――が心に焼き付いている。実験台での注射により過去に送り込まれた男は、送迎台で見た女と再会し夢見心地の時間を過ごす。続いて、未来へと送り込まれた男は、世界を救うためのエネルギーを持ち帰る。そして、彼は自分の記憶の驚くべき真実を知ることになる…。

写真、映画、ビデオ、コンピューター……あらゆるメディアを駆使して20世紀後半~21世紀初頭を「記憶」しようとした作家クリス・マルケルが珍しく創作したサイエンス・フィクションは、全編を静止した白黒写真とナレーションで構成した前衛的な短編映画。直接的な翻案であるテリー・ギリアム監督の『12モンキーズ』をはじめ、その後の数多くの<タイム・トラベル>ものに影響を与えた、映画史の中でも特異な地位に屹立する傑作。

去年マリエンバートで 4Kデジタル・リマスター版
Last Year at Marienbad

アラン・レネ監督作品/1961→2018年/イタリア=フランス/94分/DCP

■監督 アラン・レネ
■脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 サッシャ・ヴィエルニー
■音楽 フランシス・セイリグ

■出演  デルフィーヌ・セイリグ/ジョルジョ・アルベルタッツィ/サッシャ・ピトエフ

■1961年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞/1962年アカデミー賞脚本賞ノミネート/英国アカデミー賞作品賞ノミネート

■オフィシャルサイト http://www.cetera.co.jp/marienbad4K/

■物販情報
・パンフレット(1000円)

©1960 STUDIOCANAL – Argos Films – Cineriz

まどろむ記憶、混じり合う時間、交錯する夢と現。時を彷徨う、果てしない愛の物語。

バロック風の豪奢で陰鬱な、迷路のようなホテル。夜会服をまとった紳士淑女たちが、演劇やコンサートに無表情に身を沈め、いかさまゲームに興じ、人形のようにワルツを踊り、ナンセンスな会話を繰り返している。そこに、ひとりの男がやってくる。去年出会い、恋に落ち、そして1年後に駆け落ちする約束をした女をここから連れ出すために。

しかし再会した女は、そのようなことは全く覚えていないと拒絶する。あなたの夢物語でしょうと。まるで、このホテルには過去など、はたまた恋や愛などという概念は存在しないかのように。彼女は去年の出来事を忘れてしまったのか?忘れたふりをしているのか?それとも、男が嘘をついているのかー?

【ヌーヴェル・ヴァーグ】と【ヌーヴォー・ロマン】の奇跡の結晶。【文学】と【映画】の最前線が交わった真の革命。映画史に屹立する、永遠の神秘。

初の長編映画『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』が一大センセーションを巻き起こし、一躍【ヌーヴェル・ヴァーグ】の先駆者として、世界にその名を知らしめたアラン・レネ。 一方、戦後世界文学に革命的な地殻変動をもたらした【ヌーヴォー・ロマン】の旗手として、文学界に名を轟かせていた作家アラン・ロブ=グリエ。ともに当時38歳。運命的なタイミングで出会ったふたりのアランは即座に意気投合。映画のエクリチュールだけを使ってリアルな感情を呼び起こす、といった空前絶後の作品づくりに挑み、本作で見事ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞した。

ヒロイン、デルフィーヌ・セイリグが身にまとう衣装は本作のためにココ・シャネルがデザインし、映画が公開されるや、「ドレス・ア・ラ・マリエンバート」と呼称され、世界的なブームを巻き起こした。本作を鑑賞し、セイリグに強烈に憧れたブリジッド・バルドーが、シャネルの邸宅を訪問し、劇中と全く同じブラックリトルドレスをオーダメイドで作ってもらったという逸話もあるほど。

2018年にはシャネルの主導により、半世紀の時を経て、最高精細・最高解像度での4Kデジタル完全修復が実現。シャネルの華麗な衣装の数々が永遠の美しさをまとい、鮮烈によみがえる。