音楽が人生を変える // 特別レイトショー『CLIMAX クライマックス』

まつげ

みなさま~! 音楽に飢えていませんか?
“Help!”
相次ぐ音楽イベントの中止や延期で、この夏が乗り切れるのかフェス野郎の私の心が叫んでいます! 

おや、今週の早稲田松竹はなんていいタイミングでしょう! 音楽を題材にした『イエスタデイ』『ガリーボーイ』の二本立てと、『CLIMAX クライマックス』を特別レイトショーにて上映です。普段なら夏を前にフェスのタイムテーブルと睨めっこですが、早稲田松竹のタイムテーブルも熱気を帯びています!

まずは、昼間のヘッドライナー『イエスタデイ』。売れないシンガーソングライター・ジャックが交通事故から目が覚めると、まさかの世界でビートルズを知っているのは一人だけに!? そんな主人公が退院祝いで、友達の前でビートルズの名曲“YESTERDAY”を歌うと周りはびっくり! 「どうしてそんないい曲、世に出さないんだ!」と言われてしまいます。ビートルズの存在が消え去った摩訶不思議な状況の中、ジャックは記憶を頼りに楽曲を披露するようになり、あっという間に時の人となるが―。

続いて午後の注目ニューウェーブは『ガリーボーイ』。インド最大のスラムであるタラヴィ地区。そこで生きる大学生のムラドは、裏路地(ガリー)の閉塞感から生み出されたラップを武器に這い上がる。その名もMC・ガリーボーイ。実在するインドの若きラッパーNeazyとDivineの半生を基にした本作は、日本ではあまり知られていないインドのヒップホップカルチャーシーンを、魂に響くラップと共にあぶりだす。

そして、夜の裏ヘッドライナーは『CLIMAX クライマックス』。ある夜、選ばれし22人のダンサーたちが人里離れた廃墟に集まり、始まった打ち上げの宴。皆爆音に身体を揺らしながら、サングリアを浴びるように飲んでいた。その大きなボールになみなみ入ったサングリアにはLSDが混ぜてあることもを誰も知らない。そして、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていき、ダンスフロアは地獄と化す。ようこそ、狂乱とカオスの世界へ…

このような濃いラインアップでお送りします。昼間はハッピーに楽しく『イエスタデイ』、午後はインドヒップホップで熱く『ガリーボーイ』、夜は視覚・聴覚開放で地獄のパーティタイム『CLIMAX クライマックス』。

ほら、ワクワクしてきたでしょう? 今週は早稲田松竹映画フェスに参戦しませんか!

ガリーボーイ
Gully Boy

ゾーヤー・アクタル監督作品/2018年/インド/154分/DCP/シネスコ

■監督 ゾーヤー・アクタル
■製作 ゾーヤー・アクタル /リテーシュ・シドワーニー/ファルハーン・アクタル
■脚本 ゾーヤー・アクタル /リーマー・カーグティー
■撮影 ジャイ・オーザー
■編集  ニティン・バィド

■出演 ランヴィール・シン/アーリアー・バット/シッダーント・チャトゥルヴェーディー/ カルキ・ケクラン/ヴィジャイ・ラーズ/ ヴィジャイ・ヴァルマー

【2020年7月4日から7月10日まで上映】

言葉で気持ちに火を付けろ

ムラドは、雇われ運転手の父を持ち、スラムに暮らす青年。両親はムラドが今の生活から抜け出し成功できるよう、彼を大学に通わるために一生懸命働いていた。しかしムラドは、生まれで人を判断するインド社会に憤りを感じ、地元の悪友とつるみ、内緒で身分の違う裕福な家庭の恋人と交際していた。

ある日、大学構内でラップをする学生MCシェールと出会い、言葉とリズムで気持ちを自由に表現するラップの世界にのめりこんでいく。そして”ガリーボーイ”(路地裏の少年)と名乗り、現実を変えるためラップバトルで優勝を目指すことを決意する。

魂の叫びをラップにのせて、スラムから抜けだしたガリーボーイの心震わす実話!

今でも厳しい格差社会が存在するインド。大都市ムンバイにあるスラム中で最も規模の大きいダラヴィ地区から、心震えるサクセスストーリーが誕生した。本作『ガリーボーイ』は、実在するインドの若きラッパーNaezy(ネイズィー)とDivine(ディヴァイン)の半生を描き、世界中で喝采を浴びた。

メガホンを取るのは、北インド映画界の実力派女性監督ゾーヤ・アクタル。また、USヒップホップ界のレジェンドNAS(ナズ)がプロデューサーとして参加している。主人公ムラドを演じるのは“新世代キング・オブ・ボリウッド"ことランヴィール・シン。初挑戦ながら劇中のラップ曲は全て彼が歌っているのも注目だ。

ムラドはなぜラップにのめり込むのか? 背景には、インド社会が抱える格差、宗教的差別から解放されたいと願う若者の現実が潜んでいる――。

イエスタデイ
Yesterday

ダニー・ボイル監督作品/2019年/イギリス/117分/DCP/シネスコ

■監督 ダニー・ボイル
■脚本 リチャード・カーティス
■原案 ジャック・バース/リチャード・カーティス
■製作 ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー/マシュー・ジェームズ・ウィルキンソン/バーナード・ベリュー/リチャード・カーティス/ダニー・ボイル
■撮影 クリストファー・ロス
■編集 ジョン・ハリス
■音楽 ダニエル・ペンバートン/アデム・イルハン

■出演  ヒメーシュ・パテル/リリー・ジェームズ/ジョエル・フライ/エド・シーラン/ケイト・マッキノン/ジェームズ・コーデン

© Universal Pictures

【2020年7月4日から7月10日まで上映】

昨日まで、世界中の誰もが知っていたビートルズ。今日、僕以外の誰も知らない――。

シンガーソングライターのジャックは、幼なじみで親友のエリーの献身的なサポートも虚しくまったく売れず、音楽で有名になりたいという夢は萎んでいた。そんな時、世界規模で原因不明の大停電が起こり、彼は交通事故に遭う。昏睡状態から目を覚ますと、史上最も有名なバンド、ビートルズが存在していないことに気づく。

ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況、SNSで大反響、マスコミも大注目! すると、その曲に魅了された超人気ミュージシャン、エド・シーランが
突然やって来て、彼のツアーのオープニングアクトを任されることに。エドも嫉妬するほどのパフォーマンスを披露すると、ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくるのだが─。

監督ダニー・ボイル×脚本リチャード・カーティス、初タッグによる斬新な音楽ラブ・ストーリー!

『トレインスポッティング』『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督と、『ラブ・アクチュアリー』、『ノッティングヒルの恋人』の脚本家リチャード・カーティスが初めて手を組んだ。ふたりの深いビートルズ愛に溢れた本作は、何よりもビートルズがこの世に存在している幸せ、そして彼らの楽曲を聴く幸せを噛み締めることができる。

キャスト陣は、ジャック役の新星ヒメーシュ・パテル、エリー役のリリー・ジェームズらフレッシュで個性的なキャストに加え、本人役で登場する世界的人気アーティスト、エド・シーランの出演が大きな話題を呼んでいる。

夢、信念、友情、愛情…ビートルズの楽曲が人生のすべてのシーンを豊かに彩り、誰もが笑顔で映画館を後にできる珠玉の音楽映画が誕生した。

【特別レイトショー】CLIMAX クライマックス
【Late Show】Climax

ギャスパー・ノエ 監督作品/2018年/フランス・ベルギー/97分/DCP/シネスコ/R18+

■監督・脚本 ギャスパー・ノエ
■撮影 ブノワ・デビエ
■編集 ドゥニ・ベドロウ/ギャスパー・ノエ
■音響 ケン・ヤスモト
■振付 ニーナ・マクニーリー

■出演 ソフィア・ブテラ/キディ・スマイル/ ロマン・ギレルミク/スエリア・ヤクーブ/ クロード・ガジャ・モール/ジゼル・パーマー/テイラー・カスル/テア・カーラ・ショット

■第71回カンヌ国際映画祭監督週間芸術映画賞受賞

★レイトショー上映はどなた様も一律1000円でご鑑賞いただけます。
★チケットは、連日朝の開場時間より受付にて販売いたします(当日券のみ)。

©2018 RECTANGLE PRODUCTIONS-WILD BUNCH-LES CINEMAS DE LA ZONE-
ESKWAD-KNM-ARTE FRANCE CINEMA-ARTEMIS PRODUCTIONS

【2020年7月4日から7月10日まで上映】

鮮烈に、堕ちる

1996年のある夜、有名な振付家の呼びかけで選ばれた22人のダンサーたちが人里離れた廃墟に集まり、アメリカ公演のための最後のリハーサルを終え、打ち上げパーティを始めた。ダンサーたちは、爆音ミュージックに体を揺らしながら、サングリアを浴びるように飲んでいたが、そこにはLSD(ドラッグ)が混入しており、ダンサーたちは、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていく。一部の者にとっては楽園だがほとんどの者にとっては地獄の世界と化していくダンスフロア。理性をなくした人間たちの狂った饗宴はどんな結末を迎えるのか…?

鬼才ギャスパー・ノエ最新作。すべての感覚を支配する狂乱とカオスの97分間!

2018年カンヌ国際映画祭監督週間で初上映され、大賛否を巻き起こした本作。その衝撃的な内容に動揺する観客たちを尻目に、本作は同映画祭にて芸術映画賞を受賞。アメリカでは5館限定公開にも関わらず、館アベレージが2.4万ドルと大ヒットを記録した。これまで、愛、暴力、性をテーマに世界中の映画ファンを挑発し、魅了してきたギャスパー・ノエが放つ97分間の疑似トランス。彼自身のこれまでの集大成ともいえる本作こそ、今までにない全く新しい映画体験と言えるだろう。さあ、パーティの始まりだ。

“『カノン』を蔑み
『アレックス』を嫌悪し
『エンター・ザ・ボイド』を忌み嫌い
『LOVE3D』を罵った君たち
今度は『CLIMAX』を試しに観てほしい
僕の新作だ”
――監督・脚本:ギャスパー・ノエ