【2023/5/20(土)~5/26(金)】『コンパートメントNo.6』『オリ・マキの人生で最も幸せな日』// 特別レイトショー『動くな、死ね、甦れ!』

コンパートメントNo.6
Compartment No. 6

ユホ・クオスマネン監督作品/2021年/フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ/107分/DCP/シネスコ

■監督 ユホ・クオスマネン
■脚本 ユホ・クオスマネン/リヴィア・ウルマン/アンドリス・フェルドマニス
■原作 ロサ・リクソム
■撮影 J=P・パッシ
■編集 ユッシ・ラウタニエミ

■出演 セイディ・ハーラ/ユーリー・ボリソフ/ディナーラ・ドルカーロワ/ユリア・アウグ/リディア・コスティナ/トミ・アラタロ

■2021年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞/2022年フィンランド・アカデミー賞作品賞・監督賞・主演女優賞ほか受賞/アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表/ゴールデングローブ賞非英語映画賞ノミネート ほか多数受賞・ノミネート

© 2021 – AAMU FILM COMPANY, ACHTUNG PANDA!, AMRION PRODUCTION, CTB FILM PRODUCTION

【2023/5/20(土)~5/26(金)上映】

空回りをするわたしを捨てて、列車に乗った――

モスクワから世界最北端駅ムルマンスクにあるペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く予定だったラウラは、大学教授の恋人イリーナにドタキャンされ、ひとりで旅立つことに。恋人がもう自分に興味がないことを薄々感じる失意の中、出発した寝台列車の同じ6号室に乗り合わせたのは炭鉱労働者の男リョーハ。リョーハは出発早々に酒に酔いタバコをふかす粗野な振る舞いで、傷心のラウラにとって最悪な旅の始まりとなる。しかし、旅を共にするうちに、お互いの不器用な優しさや魅力に気付いていく…

カンヌ映画祭グランプリはじめ世界中で17冠の快挙! 最悪の出会いではじまる最愛の旅に世界が絶賛!

カンヌ映画祭ある視点部門で長編第1作『オリ・マキの人生で最も幸せな日』がグランプリを受賞し、輝かしい監督デビューを飾ったユホ・クオスマネン。ロサ・リクソムの同名小説を原案にした本作『コンパートメントNo.6』で、監督第2作にして同映画祭コンペ部門に選出され、堂々グランプリを獲得。フィンランド・アカデミー賞と言われるユッシ賞では作品賞・監督賞・主演女優賞など7冠を制し、アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表選出、ゴールデングローブ賞非英語映画賞ノミネートと世界中の映画祭で17冠の快挙を遂げた。

映画祭で絶賛されたセイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフの演技と、『動くな、死ね、甦れ!』のディナーラ・ドルカーロワの出演にも注目。携帯もSNSもない1990年代を舞台に、アキ・カウリスマキを思い起こさせるメランコリーとオフビートなユーモア、そして雪をも溶かす純な心が、不器用で孤独な魂を結びつける愛の物語。あなたはきっと、雪深い北の街を舞台に描かれる、その結末に心をくすぐられ、微笑まずにはいられないだろう。

オリ・マキの人生で最も幸せな日
The Happiest Day in the Life of Olli Mäki

開映時間 
ユホ・クオスマネン監督作品/2016年/フィンランド・ドイツ・スウェーデン/92分/DCP/PG12/ビスタ

■監督・脚本 ユホ・クオスマネン
■撮影 J=P・パッシ
■編集 ユッシ・ラウタニエミ
■音楽 ミーカ・スノーレ/ラウラ・アイロラ

■出演 ヤルコ・ラハティ/オーナ・アイロラ/エーロ・ミロノフ/アンナ・ハールッティ/エスコ・バルクゥエロ

■2016年カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞/2017年アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表/フィンランド・アカデミー賞作品賞・監督賞・主演男優賞など最多8部門受賞 ほか多数受賞・ノミネート

©2016 Aamu Film Company Ltd.

【2023/5/20(土)~5/26(金)上映】

世界戦を目の前に控えたボクサーが、恋に落ちた!?

1962年、夏。世界タイトル戦でアメリカ人チャンピオンとの対戦のチャンスが舞い込んだフィンランド期待のボクサー=オリ・マキ。ヘルシンキの明るい陽射しのなか、お膳立てはすべて整い、後は減量して試合に向けて集中するだけ。しかしそんなある日、友人の結婚式に出席したオリは、女友達のライヤと一日を一緒に過ごし、彼女に恋をしてしまったことに気づく…。国中の注目が集まるなか、自分なりの幸せをつかむために彼が取った行動とは!?

実在のボクサーの人間味溢れるエピソードに基づく、世界が愛したハートウォーミング・ラブストーリー!

往年のヌーヴェル・ヴァーグを思わせる60年代の空気を再現するべく、モノクロの16mmフィルムで瑞々しく描き出したのは、本作で長編デビューを飾った監督ユホ・クオスマネン。オリ・マキ本人から聞いたあらゆるエピソードをもとに、ボクシングの試合そのものより、その陰に隠れたあまりにも人間らしい人生のひとコマを描くことに注力し、60年代の恋人たちを写した写真集のような映像美も相まって全世界の映画祭で絶賛され、第69回カンヌ映画祭ある視点部門では見事グランプリを受賞した。

無心に拳を振るう姿、二人乗り自転車、石投げ、凧揚げ、そしてサウナの後一人泳ぐ湖。ストイックさがつきもののボクシング映画とはひと味違う、二人の恋模様を甘酸っぱく描く。主人公のオリ・マキに、『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のヤルコ・ラハティ。ライヤには、歌手としても人気のオーナ・アイロラ。マネージャー役には、『ボーダー 二つの世界』のエーロ・ミロノフ。幸せの価値観なんて人それぞれ。人を想うことの美しさを描き、世界中の観客を魅了した。笑って泣いて、心にゆっくり染み入る忘れがたいハートウォーミングストーリー!

【特別レイトショー】動くな、死ね、甦れ!
【Late Show】Freeze Die Come to Life

開映時間 20:30(~終映22:15)
ヴィターリー・カネフスキー監督作品/1989年/ソビエト/105分/DCP/スタンダード

■監督・脚本 ヴィターリー・カネフスキー
■撮影 ウラジミール・ブリャリャコフ
■編集 ガリーナ・コルニローワ
■音楽 セルゲイ・パネヴィッチ

■出演 ディナーラ・ドルカーロワ/パーヴェル・ナザーロフ/エレーナ・ポポワ

■1990年カンヌ国際映画祭カメラ・ドール

【2023/5/20(土)~5/26(金)上映】

ヴィターリー・カネフスキー監督が自身の少年時代の記憶を映画化した衝撃作!

第二次大戦直後、雪に覆われたソビエトの極東にある炭鉱町スーチャン。収容所地帯と化したこの町では、窃盗や暴力が横行していた。そんな殺伐とした空気に満ちた町に生きる12歳の少年ワレルカ。純粋無垢だが不良ぶっている彼は、たびたび騒動を引き起こし、唯一の家族である母親への反発と相まって、悪戯をエスカレートさせていく。

そんなワレルカの前に、守護天使のように現れては、危機を救ってくれる幼なじみの少女ガリーヤ。 二人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、学校を退学になったワレルカが町から逃亡することで、彼らの運命はとんでもない方向へ転じていく…。

1990年、カンヌ国際映画祭はひとつの作品によって驚きに包まれた。その作品は、54歳の新人監督ヴィターリー・カネフスキーが発表した『動くな、死ね、甦れ!』。ストリートチルドレン出身で、8年間無実の罪で投獄されていた経歴を持つ彼は、それまで全くの無名であったが、この一本で世界中から賞賛される存在となる。

物語の舞台となる旧ソ連の炭鉱町・スーチャンは、カネフスキーが少年時代を過ごした町。彼は、ストリートチルドレンのパーヴェル・ナザーロフを主演に抜擢し、どこまでも純粋で鋭敏な自身の少年時代の記憶を、鮮烈にスクリーンに甦らせた。また主人公を見守り危機から救う少女役に、現在も女優として活躍しているディナーラ・ドルカーロワを起用。純粋無垢な悪童と守護天使のような少女が織りなす“映画の奇跡”は、多くの人々の心を揺さぶり、伝説的傑作として語り継がれている。