1955年、忘れられないあの夏の7日間。

時は1950年代、アメリカ。人々が豊かな日々を謳歌し、アメリカが最も輝いていたと言われる時代だ。宇宙開発への夢も広がり、誰もが不可能なことなどないと信じていた。そんな中、人口わずか87人の砂漠の街アステロイド・シティで開かれたジュニア宇宙科学賞の祭典で、思わぬ訪問者がやってきた！　街は封鎖され、軍が事態を隠蔽しようとする中、子供たちが立ち上がる――！

ウェス・アンダーソン監督最新作！　砂漠の街アステロイド・シティとその舞台裏で繰り広げられる、不可思議でちょっと切ない物語。

アカデミー賞4部門、ゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』などで、世界に一つだけのウェス・ワールドを披露し、映画ファンの心を歓喜で満たしてきたウェス・アンダーソン監督。新作『アステロイド・シティ』は、架空の砂漠の街に宇宙人が到来したことから巻き起こる大騒動と、その「アステロイド・シティ」という新作劇をこれから上演する、劇作家や演出家、出演俳優たちのひと悶着を描いた、唯一無二のコメディ作品だ。これまで以上に1950年代のアメリカ文化の両極、それぞれヒーローやレジェンドが存在する「西部」と「ブロードウェイ」に関する歴史と神話の世界からの引用を垣間みれるだろう。

出演はウェス作品の常連組で、本作で主演を務めるジェイソン・シュワルツマンを筆頭にトム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、ティルダ・スウィントン、エドワード・ノートン、マーゴット・ロビーなどハリウッドスターが集結。スペインのチンチョン郊外に実際に建てられた壮大な光景とポップな装飾が共存する、監督独特の風景が広がる街も見逃せない。

映画史上に残る二大スターの名演が光る、テネシー・ウィリアムズの名戯曲、完全映像化！！

アメリカ南部の農園で暮らしていたブランチは、若くして夫を亡くして以来酒で身を持ち崩し、妹ステラを頼って夜逃げ同然にニューオリンズへとやってきた。彼女は努力して上品に振る舞い、ステラの夫スタンリーの友人と恋仲になる。しかし、ブランチに対する激しい嫌悪感を露わにするスタンリーは、彼女の暗い過去を執拗に暴こうとする。そして三人の間の葛藤は、やがて取り返しのつかない悲劇へと発展する…。

現代アメリカ最高の劇作家テネシー・ウィリアムズが発表しピューリッツァー賞に輝いた戯曲「欲望という名の電車」。彼が自ら脚本担当し、舞台で演出を担当した名匠エリア・カザンが監督し完全映画化した本作は、その年のアカデミー賞を席巻した。

『風と共に去りぬ』(39)のスカーレットとはうって変わった鬼気迫る女ブランチをヴィヴィアン・リーが熱演。本作によって名声を得たマーロン・ブランドの野性的な男の魅力も光る。ほかの出演者もふくめて、米英の舞台でいずれも同役を演じており、見事なアンサンブルを見せている。

マリリン・モンローの遺作となった現代西部劇

離婚の町として有名なネバダ州リノにやってきた美しい女性ロザリン。離婚直後の彼女は、年老いたカウボーイのゲイと自動車修理工のギドと知り合い、意気投合する。さらにゲイの友人パースも加わり、一行は砂漠へ野馬狩りに出発する。馬と人間の壮絶な闘いを見たロザリンはそれを止めようとするが…。

劇作家アーサー・ミラーが、自身の離婚のためにリノの街を訪れた経験から生まれた短編を、当時の妻だったマリリン・モンローの役を追加して長編映画の脚本に書き直した『荒馬と女』。監督は『許されざる者』の名匠ジョン・ヒューストンが務めた。

出演は、マリリン・モンローのほかに、“キング・オブ・ハリウッド”といわれたスター、クラーク・ゲーブルと、『山河遥かなり』『地上より永遠に』のモンゴメリー・クリフト。だがゲーブルは本作の完成後4日後に死去、マリリンも謎の死を遂げたうえ、クリフトも5年後にこの世を去るなど、不思議な因縁に包まれた作品となった。