2026.05.21

スタッフコラム「うどん粉デザインばなし」byうどん粉くん

デザインをする上で重要な要素のひとつであるフォント。新しい書体が次々と誕生しているフォント界で、圧倒的二大巨頭として君臨しているのが「明朝体」と「ゴシック体」です。もはや日常生活の中に溢れすぎて当たり前の存在となっているこの二つのフォントについて、ちょっと考えてみませんか。

そもそもどういう成り立ちで生まれたのか。明朝体の始まりは、中国の宋の時代(10世紀頃)に盛んになった木版印刷で使われていた書体。毛筆の楷書体を模していて、明朝体の文字の端にある「うろこ」と呼ばれる三角形の山のアクセントや、一画の中での微妙な太さの動きなどからその名残を見ることができます。「とめ」「はね」「はらい」の筆使いの表現も相まって、すごく躍動感がありながら、上品な書体ですよね。真面目さや高級感のあるイメージから、勝手にあだ名を付けるとするのなら「ミン様」といったところでしょうか。隣にいたら少し緊張しちゃいそう。

一方、ゴシック体は15世紀中期にドイツの印刷技術から生まれた「ドイツ・ゴシック」という書体が始まりで、20世紀にそれを応用して作られた「サンセリフ体」(文字の太さが一定の文字)が登場。なかでもアメリカのデザイナーが監修したサンセリフ体「オルタネート・ゴシック」が日本で定着して今のゴシック体になっていったそうです。縦線も横線も太さが均一で、派手さがない朴とつとした印象。それでいて太ゴシックになると頼もしい力強さも発揮する。ミン様に比べると、どこか親しみやすさや安心感があります。ずばり、あだ名は「ゴッさん」ですかね。

デザインをしていると、つい奇をてらおうと個性的なフォントを使いたくなってしまいます。でも街の中でハッと目を奪われる広告や看板って、実はミン様とゴッさんの良さが活かされているデザインだったりするんですよね。そんなデザインに出会うと、これを作った人はミン様とゴッさんのことをよく知っていてナイスな関係なんだなと羨ましくなります。嗚呼、わたしも是非おふたりと仲良くなりたい…いや、仲良くなってみせる! と、変な感情が湧きあがってくるうどん粉なのでした。

(うどん粉くん)