2026.04.23
スタッフコラム「しかまる。の暮らしメモ」byしかまる。
第41回「自分の好きを見つめなおす」
今年に入ってから、なんだかSNSに疲れてしまい、ついにアカウントごと消すという暴挙にでました。カバンにしまっても数分後には吸い付くように手のひらに握られていたスマホを、ここ数か月なんとか本に持ち替えることに成功しています。
読書はもともと好きなほうだったのですが、社会人になってからというもの、学生時代に比べて圧倒的に読書の時間が減ってしまいました。リハビリのために、まずは読みやすいエッセイから。そう思って私が手に取ったのは、写真家・幡野広志さんの著書『ポケットにカメラをいれて』です。幡野さんが書く言葉は、どこか肩の力が抜けていて、上手な写真を撮ろうと意気込むよりも、自分が見返したときにいい写真だと思える世界の切り取り方を教えてくれます。
いくつかの章で構成されている本書のなかで、私が特に印象に残ったのは「好きなものしか撮らない」という章です。誰かに見せるためでも、評価されるためでもなく、生活の中で自分の心が動いた瞬間に気づいて、それをすくい上げること。その積み重ねが、その人だけの視点になるのだと書かれていて、当たり前だけど忘れがちなことだよなあと、しみじみ感じました。本を読み終えるころには、写真にハマって純粋に楽しんでいた高校時代の気持ちが蘇っていました。
その数日後、コンパクトデジカメを携えて、高校時代の友人といざ動物園へ。柵やガラス越しの撮影で、最初はなかなか撮りたいものにピントが合わず苦戦しましたが、慣れるころには、すっかりあの頃の感覚を取り戻していました。そして、お目当てのシロクマさんもバッチリ撮影。動物園からの帰り際、私が「改めて、なんでシロクマが好きなんだろう…?」とつぶやくと、友人は「可愛いも、カッコいいも、綺麗も全部あるからじゃない?」と返してくれました。陸で上手に餌をキャッチする姿、のしのしと歩く勇ましい姿、水の中で煌めきながら揺れる毛並み。決して上手な写真ではないけれど、フォルダを見返すと、確かにそこに私の好きが全部詰まっていました。
いまを生きる上で欠かせなくなったSNSでは、常に誰かにとっての正解が流れてきて、ものすごい速さで過ぎていきます。どうしても「うまく撮れた写真」や「正解っぽい感性」に引っ張られてしまうけれど、これまで私を形作ってきた自分だけの「好き」をもっと大切にしたいなと思う、しかまる。なのでした。
(しかまる。)











