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今週の上映作品は「異色の伝記映画」特集。画家、詩人、探検家といった実在した偉人たちの愛と謎に満ちた物語をお届けします。

『ゴッホ 〜最期の手紙〜』は誰もが知る名画家フィンセント・ファン・ゴッホの死の真相に迫る作品です。生前は全くの無名で、不遇な生涯の果て銃自殺をしたといわれるゴッホ。しかし彼の人となりやその死には謎も残されており、弟テオや知人に宛てた膨大な手紙から、今日に至るまで研究がなされてきました。

本作は通常の伝記映画・アニメ映画ではありません。なんと、俳優によって撮影された実写映画を元に、125名の画家たちが全シーンを「ゴッホ・タッチ」の油絵で再現しているのです。その数62450枚! 世界初の試みで作り上げられた“動く油絵”。その斬新なスタイルで世界中の映画賞にノミネートされています。

『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』の主人公はチリの国民的詩人パブロ・ネルーダ。「20世紀最高の詩人」といわれノーベル文学賞も受賞しているネルーダは、詩人であると同時に革命家でもありました。当時の軍事政権から睨まれ、その生涯を国外逃亡に費やしましたが、その道中で多くの名作を生み出したのです。

同郷チリの出身でネルーダを敬愛するパブロ・ラライン監督(『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』)がメガホンを取り、その逃亡生活の中でネルーダがいかに魅力的な人間だったかを彼の詩と共に描き出した本作。また「追う側」の警官を語り部にすることで、これまでにない独特なサスペンスになっています。

『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』はインディ・ジョーンズのモデルといわれる、20世紀初頭に実在したイギリスの探検家パーシー・フォーセットが主人公。フォーセットは幻の黄金郷エル・ドラドを目指し、家族の反対もよそに危険なジャングルに何度も足を踏み入れ、遂にはアマゾン奥地で消息を絶ってしまいます。彼をそこまで駆り立てたものとは何だったのか。“アマゾンに憑りつかれた男”の半生を描くアドベンチャー大作です。

監督は現代のアメリカで最も才能ある作家の一人、ジェームズ・グレイ(『エヴァの告白』『リトル・オデッサ』)。『ムーンライト』などヒット作を連発するブラッド・ピットの制作会社「プランB」による企画・プロデュースで、冒険物語ながら、フォーセットの心の機微や家族の絆にも焦点をあてた丁寧な人間ドラマの面も持ち合わせています。さらに名カメラマン、ダリウス・コンジのフィルム撮影によるアマゾンの壮大な映像美や、チャーリー・ハナム、ロバート・パティンソン、トム・ホランドら豪華俳優の共演と、見所に溢れています。

『ゴッホ〜最期の手紙〜』は、ゴッホの手紙を手にした郵便配達人の息子がゴッホの死の原因を探っていく形でストーリーが進んでいきます。『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』もまた、ネルーダを追い続ける警官が影の主役となっています。そして『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』は、フォーセットの半生を追っていたジャーナリストが、自らアマゾンへ向かうという2010年に発売されたルポルタージュが原作です。謎が多く、遠い存在である天才や偉人の足跡を、別の(あるいは私たち観客側の)人物が辿ることで、これまで知らなかった面や新たな真実が見つかることがあるのかもしれません。

(パズー)

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者
Neruda
(2016年 チリ/アルゼンチン/フランス/スペイン 108分 DCP PG12 シネスコ) pic 2018年5月12日から5月18日まで上映
■監督 パブロ・ラライン
■脚本 ギレルモ・カルデロン
■撮影 セルヒオ・アームストロング
■編集 エルヴェ・シュネイ
■音楽 フェデリコ・フシド

■出演 ルイス・ニェッコ/ガエル・ガルシア・ベルナル/メルセデス・モラーン/ハイメ・バデル/アルフレド・カストロ/ディエゴ・ムニョス

■第69回カンヌ国際映画祭監督週間出品作品/第74回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネート

by Diego Araya © Fabula, FunnyBalloons, AZ Films, Setembro Cine, WilliesMovies, A.I.E. Santiago de Chile, 2016

追跡者は、悲劇的で貪欲な警官。
ノーベル賞詩人は、享楽的な革命政治家。

pic 第2次世界大戦の終結から3年、ビデラ大統領は共産党員のネルーダを弾劾した。逮捕されるか逃亡するか? 大統領は直接警官ペルショノーに、ネルーダの逮捕を命じる。ネルーダは追われる身としての新たな生活にインスピレーションを受けながら、代表作となる詩集「大いなる歌」を書く。ペルショノーが追いつくと姿をくらます、追いかけっこの連続だ。ネルーダはわざと手がかりを残すことでペルショノーと戯れ、追跡ゲームはより危険なものに、2人の関係はより密接なものになっていくのだった…。

チリの国民的詩人パブロ・ネルーダの逃亡生活を描く
パブロ・ラライン監督が仕掛けた独創的文学サスペンス

pic詩人として1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの国民的ヒーロー、パブロ・ネルーダは、共産主義の政治家であった。芸術を愛し、女性を愛し、酒場を愛する享楽主義者であり、何よりも貧しい人々に寄り添う博愛主義者だった。しかし、その思想ゆえネルーダは生涯の大半をチリ政府から追われる逃亡生活に費やした。ただ、その逃亡生活こそノーベル文学賞を受賞した糧となったのである。その逃亡生活とは何だったのか。本作は、弾圧のなかで、人々がネルーダを愛し、そして代表作「大いなる歌」を愛した背景に迫った意欲作である。

pic ネルーダの信奉者であり、同じくチリ人の監督であるパブロ・ラライン(『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』)が祖国の美しい自然や第2次世界大戦直後の混乱期の生活を織り交ぜ、斬新で叙情的なサスペンス映画に仕立て上げた。ネルーダ役にはチリで人気のコメディアン俳優ルイス・ニェッコを起用、映画の語り部でもあるネルーダを追跡する警官ペルショノーを、メキシコを代表する俳優のガエル・ガルシア・ベルナルが演じる。

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ゴッホ〜最期の手紙〜
Loving Vincent
(2017年 イギリス/ポーランド 96分 DCP スタンダード)
pic 2018年5月12日から5月18日まで上映
■監督・脚本 ドロタ・コビエラ/ヒュー・ウェルチマン
■製作 ヒュー・ウェルチマン/ショーン・ボビット/イヴァン・マクタガート
■撮影 トリスタン・オリヴァー/ウカシュ・ジャル
■編集 ユスチナ・ヴィアージンスカ/ドロタ・コビエラ
■音楽 クリント・マンセル

■出演 ダグラス・ブース/ジェローム・フリン/ロベルト・グラチーク/ヘレン・マックロリー/クリス・オダウド/シアーシャ・ローナン/ジョン・セッションズ/エレノア・トムリンソン/エイダン・ターナー
■吹替え版キャスト 山田孝之/イッセー尾形/伊藤かな恵/三宅健太/落合福嗣

■2018年アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネート/2017年アヌシー国際アニメーション映画祭観客賞受賞 ほか多数受賞・ノミネート

© Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

愛か、狂気か。
愛されつづけた名画の数々が
100年の時を経て動き出す

pic郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、パリへ届ける一通の手紙を託された。それは父の友人で自殺した画家ゴッホが、彼の弟テオに宛てたものだった。テオの消息を追ううちにその死を知るが、それと同時に募る疑問がひとつ…。ゴッホの死の真の原因はなんだったのか? そしてこの手紙を本当に受け取るべき人間はどこに?

世界初、全編が動く油絵のテイストで構成される
体感型アートサスペンス映画。

pic 巨匠ファン・ゴッホの人生は、遺された手紙の数々によって明らかにされている。が、最愛の弟テオに宛てた最期の手紙で「われわれは自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」と書き記している。…果たして、私たちはゴッホを本当に知っているのだろうか?

『ゴッホ〜最期の手紙〜』は、氏の名画をモチーフにその最期の日々を実写映像で撮影。撮影された1コマ1コマが、世界中から集められた125名の絵描きの手によってゴッホタッチの油彩画として生まれ変わった。総枚数62450枚。1秒12枚の油絵を映した高精細写真による、動く油絵で構成された本作は、正にゴッホの言葉通り“絵画によって彼自身を語らせる”圧巻の体感型アートサスペンス映画となった。

line ロストシティZ
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