春です。なにかと新しい出来事に直面することが多いこの季節。 忙しさに振り回され、ちょっとしたことでナーバスになったり、気力を失ったり、 余裕のない毎日を送っていませんか?
立ち止まってゆっくり考えることも必要だけど、せめて映画を観る時ぐらい、気楽に楽しく笑っていたい! そんなあなたにぴったりの映画『マイ・インターン』と『マイ・ファニー・レディ』の二本立てをご用意いたしました。
『マイ・インターン』は、ファッション業界で成功した女社長・ジュールズが主人公。 冴えない新人がファッション業界で磨かれる! というのは、今ではありきたりなお話ですが、 本作が一味違うのは、もう一人の主人公ベンの物語でもあるということ。
仕事も引退し、妻には先立たれ、これと言った生きがいもなく平凡な毎日を過ごすベンは御年70歳。 シニア・インターンの求人募集を見かけて、人生の再スタートを決心します。 今どきの職場に不慣れな彼ですが、それでも、40年も働いてきた社会人の大ベテラン。 それまでの経験を存分に発揮する姿には、「若者に理解がない」とか「頑固で気難しい」とか、 シニア世代のマイナスな印象を取っ払ってくれます。 初めはベンに対して何かとイラつくジュールズでしたが、彼のちょっとした気遣い、的確なアドバイスに頼る様になり、 次第に良きパートナーとなってゆくのです。
『マイ・ファニー・レディ』は、今やハリウッドの大スターとなった主人公イジーが、人生が一変した日を振り返ります。 ブロードウェイを夢見るコールガールだった彼女は、その日を境にあれよあれよという間に夢の舞台に上るのです。 なんと、きっかけは、「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」と、 売れっ子演出家のアーノルドから大金をプレゼントされるというもの。
そんな突拍子もない出来事から、テンポよく進んでいく物語には、様々な登場人物が絡み合います。 誰もが自己中心的で変わった人ばかりなのに、何故か憎めない、愛すべきキャラクターたち。 奇想天外なその一人一人のエピソードが本作の大きな魅力です。 彼らの言動が可笑しくて、まるで海外ドラマの観客になった気分で、素直に笑ってしまうでしょう。
2つの映画の中の出来事は、普通じゃありえない! というくらい、出来すぎです。 でも…いや、だからいいのです。 ちょっとくらい現実離れしているほうが、映画の世界に浸れます。 もしかしたら、日頃の悩みを解決するヒントもあるかもしれません。 きっと、夢見る主人公たちを観たら、あなたも夢見たあの頃を思い出して 「さ、また頑張るか」と、自然に元気が出てくるはず。 さぁ、映画を観てちょっと一息、リフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
マイ・インターン
THE INTERN
(2015年 アメリカ 121分 ビスタ)
2016年4月23日から4月29日まで上映
■監督・製作・脚本 ナンシー・マイヤーズ
■製作 スザンヌ・ファーウェル
■撮影 スティーヴン・ゴールドブラット
■衣装 ジャクリーン・デメテリオ
■編集 ロバート・レイトン
■音楽 セオドア・シャピロ
■出演 ロバート・デ・ニーロ/アン・ハサウェイ/レネ・ルッソ/ナット・ウルフ/アダム・ディヴァイン/アンドリュー・ラネルズ
華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていく。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!
監督は『恋愛適齢期』『ホリデイ』のナンシー・マイヤーズ。これまでも、恋愛、友情、家族、仕事など誰もが共感できる題材を、コミカルに、痛烈に、そしてつねに誠実に描いてきた。マイヤーズはこう語る。「私の映画はいつも人間関係が軸になるけれど、ロマンチックな関係以外にもいろいろな関係がある。だから、年配の男性が創業間もない会社でインターン(見習い社員)になるというアイデアを思いついたとき、それは伝統的な意味でのラブ・ストーリーにはならな いと気づいたの。そうでなければ決して出会わなかったであろうふたりの間の絆と友情を描いたストーリーになると」
シニア・インターンとして働きだすベンには、アカデミー賞に2度輝く名優ロバート・デ・ニーロ。『レ・ミゼラブル』で同賞を受賞したアン・ハサウェイとの贅沢な共演が実現した。アンが着こなす今すぐマネしたい最先端ファッションも見逃せない。 ベンという会社の新人で人生の先輩が、迷えるあなたの悩みを解決、幸せへと案内してくれる──ユーモアと優しさに満ちた感動作が誕生した。
マイ・ファニー・レディ
SHE'S FUNNY THAT WAY
(2014年 アメリカ 93分 ビスタ)
2016年4月23日から4月29日まで上映
■監督・脚本 ピーター・ボグダノヴィッチ
■製作 ウェス・アンダーソン/ノア・バームバック
■脚本 ルイーズ・ストラットン
■撮影 ヤーロン・オーバック
■編集 ニック・ムーア
■音楽 エドワード・シェアマー
■出演 オーウェン・ウィルソン/イモージェン・プーツ/キャスリン・ハーン/ウィル・フォーテ/リス・エヴァンス/ジェニファー・アニストン
かつてコールガールをしていたハリウッドスターのイジーは、偶然に出会った売れっ子の演出家アーノルドから「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ、人生が一変した日を振り返る…。
アーノルドからの突然のプレゼントをきっかけにコールガールを辞め、夢だったブロードウェイのオーディションにチャレンジすることを決意したイジー。張り切って会場へと向かったが、そこは偶然にもアーノルドが演出し、彼の妻で女優のデルタが主演する舞台だった――。
『ペーパー・ムーン』などの傑作を生み出してきたピーター・ボグダノヴィッチ監督の13年ぶりの最新作は、ルビッチ監督、オードリー・ヘップバーン、フレッド・アステアなどハリウッド黄金期へのオマージュが散りばめられ上質のコメディ。映画評論家としても活躍する監督の「映画と人生」への愛にあふれた作品に仕上がった。プロデューサーを務めるのは『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンと『フランシス・ハ』のノア・バームバック。監督が「息子たち」と呼ぶほど、交流のあるふたりが全面協力している。
浮気性だが憎めないアーノルドを演じるのは『ミッドナイト・イン・パリ』のオーウェン・ウィルソン。ミュウミュウのモデルに抜擢されたイモージェン・プーツがヒロインのイジーをチャーミングに好演している。ドラマ「フレンズ」のジェニファー・アニストンもコメディエンヌとしての才能を爆発。ほかキャスリン・ハーン、リス・エヴァンスなど豪華な俳優たちが脇を固める。