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かつて誰も味わったことのない獰猛な映画体験。1930年、日本統治下の台湾で起きた壮絶な事件を渾身の映画化!

霧社事件とは

1930年10月27日に台中州能高郡霧社(現在の南投県仁愛郷)で起こった台湾原住民による日本統治時代後期における最大規模の抗日暴動事件。霧社セデック族マヘボ社の頭目モーナ・ルダオを中心とした6つの社(集落)の男たち300人ほどが、まず霧社各地の駐在所を襲った後に霧社公学校で行われていた小学校・公学校・蕃童教育所の連合運動会を襲撃。日本人のみが狙われ、約140人が殺害された。現地の警察には霧社セデック族の警察官が2名おり、彼らは事件発生後にそれぞれ自殺。その後の日本軍の反攻により、蜂起した6社の約1000人が死亡し、生存者約550人は投降した。

台湾原住民について

「台湾原住民」とは、17世紀頃の福建人移住前から居住していた、台湾の先住民族の正式な呼称。中国語で「先住民」と表記すると、「すでに滅んでしまった民族」という意味が生じるため、この表記は台湾では用いられていない。現在では憲法で「原住民族」と規定されている。

イントロダクション―――

2011年、第48回台湾金馬奨にて最多11部門にノミネートされ見事グランプリを受賞、大ヒットを記録して台湾中を沸かせた1本の映画があった。ヴェネチア国際映画祭のワールド・プレミア上映では世界中の映画人たちを驚かせ、ここ日本でも、第7回大阪アジアン映画祭にて超満席の熱狂のなか圧倒的な支持を得て観客賞に輝いた映画。それが『セデック・バレ』だ。

1895年から50年間続いた台湾の日本統治時代。そのなかで起きた原住民族による武装蜂起「霧社事件」を描く本作は、二部構成の4時間36分におよぶ台湾映画史上最大の歴史大作である。第一部『太陽旗』では苦しい生活を強いられてきたセデック族の人々が部族の誇りをかけて武装蜂起するまでが描かれ、第二部『虹の橋』では、日本の警察と日本軍による報復、憎しみや家族愛といった感情が交錯する中でセデック族の人々を襲う悲劇が描かれる。

監督は長編デビュー作『海角7号/君想う、国境の南』で台湾映画史上歴代1位のヒットを記録したウェイ・ダーション。彼は、霧社事件を扱った漫画を読み、血がたぎるような想いにかられ映画化を決意したと言う。国際的映画監督ジョン・ウーがプロデューサーに加わり、日本映画美術界を代表する種田陽平がプロダクションデザインを担当。徹底した歴史検証に基づき、壮大なスケールで霧社の村を見事に再現した。

セデック族のキャストには台湾原住民が起用され、安藤政信、木村祐一、原住民族の血を引く台湾人女優のビビアン・スーらが脇を固める。構想から10年以上、アジアの映画人が集結し、エンタテインメントを凌駕する一大巨編が誕生した。

本作のタイトル『セデック・バレ』とは“真の人”を意味するセデック語。これは、死を覚悟しながら、それぞれが信じるもののため戦った者たちの魂の尊厳を問う物語である。そのすさまじい生き様は現代に生きる我々に何を問いかけるのか。


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セデック・バレ
WARRIORS OF THE RAINBOW
(2011年 台湾 第一部144分/第二部132分 dcp R15+ シネスコ)

2013年11月16日から11月22日まで上映
■監督・脚本 ウェイ・ダーション
■製作 ジョン・ウー/テレンス・チャン/ホァン・ジーミン
■美術プロデューサー 赤塚佳仁
■撮影 チン・ディンチャン
■プロダクション・デザイン 種田陽平
■音楽 リッキー・ホー

■出演 リン・チンタイ/ダーチン/安藤政信/マー・ジーシアン/ビビアン・スー/木村祐一/ルオ・メイリン/ランディ・ウェン/河原さぶ/春田純一/スー・ダー/シュー・イーファン/ティエン・ジュン/リン・ユアンジエ/田中千絵(特別出演)

■第48回台湾金馬賞グランプリ・観客賞受賞他3部門受賞/第68回ヴェネチア国際映画祭正式出品/第7回大阪アジアン映画祭観客賞/アカデミー外国語映画賞2011年台湾代表作品

■オフィシャルサイト http://www.u-picc.com/seediqbale/

セデック・バレ 第一部 太陽旗

pic台湾中部の山岳地帯に住む誇り高き狩猟民族・セデック族。その一集落を統べる頭目の子モーナ・ルダオは村の内外に勇名をとどろかせていた。1895年、日清戦争で清が敗れると、彼らの暮らす山奥にも日本の統治が広がり、平穏な生活は奪われていく。それから35年、頭目となったモーナは依然として日々を耐え抜いていた。そんな中、日本人警察官とセデック族の一人が衝突したことをきっかけに、長らく押さえ込まれてきた住民たちが立ち上がり…。

セデック・バレ 第二部 虹の橋

pic連合運動会が開催されていた霧社公学校を襲撃したセデックの決起部隊の手によって、戦う術を持たない多くの日本人は女子供の区別なく命を奪われた。日本軍は直ちに鎮圧を開始。山岳地帯の地の利を活かして戦うセデックの前に苦戦を強いられるが、圧倒的な武力を誇る日本軍と警察を前に、セデックの戦士たちは一人また一人と命を落としていく。男たちが絶望的な戦いに挑むなか、セデックの女たちもまた選択を迫られ、それぞれが信じる道を選ぶことに。決着のときは近づいていた…。




★週の途中で上映時間が変わります。
★ラスト一本対象作品は<11/16(土)〜11/18(月)>『セデック・バレ 第一部 太陽旗』、<11/19(火)〜11/22(金)>『セデック・バレ 第二部 虹の橋』です。
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