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横浜聡子

1978年生まれ。青森県出身。横浜の大学を卒業後、東京で1年程OLをするも、映画を撮りたいと一念発起、2002年に第6期映画美学校フィクションコース初等科に入学。2004年、同高等科卒業。

卒業制作の短編『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』が2006年第2回CO2オープンコンペ部門最優秀賞受賞。CO2からの助成金を元に長編1作目となる『ジャーマン+雨』を自主制作。

翌2007年、同作で第3回CO2シネアスト大阪市長賞を受賞。自主制作映画としては異例の全国劇場公開される。同作にて2007年度日本映画監督協会新人賞を受賞。『ウルトラミラクルラブストーリー』は待望の商業映画デビュー作となる。

<略歴>
1978 青森県青森市に生まれる
1997 横浜市立大学入学を機に上京。横浜にて生活を始める

2001 同大学卒業後、東京にて就職
2002 退職。 貯金をしながらアルバイトを続ける。
映画美学校第6期フィクションコース初等科入学

2004 映画美学校高等科卒業。居を東京に移す

2005 卒業制作で短編『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』を制作。同作、あおもり映画祭、みちのく国際ミステリー映画祭にて上映

2006 『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』、第2回CO2オープンコンペ部門最優秀賞受賞。 フランクフルト・ニッポン・コネクションにて上映。

長編『ジャーマン+雨』を自主制作

2007 『ジャーマン+雨』、第3回CO2シネアスト大阪市長賞受賞、フランクフルト・ニッポン・コネクション、バルセロナ・アジアン映画祭、 あおもり映画祭にて上映。 ユーロスペース、梅田ガーデンシネマ他にて全国公開
(★早稲田松竹でアルバイト!)

2008 『ジャーマン+雨』にて2007年度日本映画監督協会新人賞を受賞。 同作、バンクーバー国際映画祭、ロンドン映画祭にて正式招待上映 。

長編『ウルトラミラクルラブストーリー』を監督

2009 『ジャーマン+雨』がロッテルダム国際映画祭にて正式招待上映
『ウルトラミラクルラブストーリー』のDVDが11月27日にリリースされることを記念し、10月31日(土)11:50の回上映終了後、横浜監督のトークショーが決定いたしました!当日はトークショーに加え、『ジャーマン+雨』と『ウルトラミラクルラブストーリー』のメイキング映像の一部を特別上映いたします!『ウルトラミラクルラブストーリー』に関してはDVD発売前ということで、なんと早稲田松竹が初出し!誰よりも、どこよりも早く見れるチャンスです!乞うご期待! 天才候補!?鉄壁の独創性!?新しい日本映画の創造者!?

最近、映画雑誌やメディアでこんな文字をよく目にする。
その話題の中心になっている人物こそ、新人監督・横浜聡子だ。

OLから一転、映画監督としてカメラを向けた自主制作映画『ジャーマン+雨』では、
枠にとらわれない むきだしの面白さと新鮮さで、各方面から高い評価をうける。
そして、初のメジャーデビュー作品となる『ウルトラミラクルラブストーリー』では、
さらにパワーアップした横浜ワールドを炸裂させている。

不器用な人間の圧倒的な生命力は、ぶっちぎりに面白い。
爽やかでもなく、暑苦しくもなく、常温のおかしさがそこには存在する。

眠っている間にみる夢に近いかもしれない。
部屋をでると見知らぬ場所にいたり、空をとんだり、好きな芸能人が出てきたり、
ありえない状況なのに夢の中の自分はすべて受け入れて話がすすんでいく。
常識にとらわれず、リアルとファンタジーの世界を行き来する。
そんな感覚がとても似ているのだ。

この二つの作品を観ていると、日々の生活で臆病になったり、
駆け引きしている自分がバカらしく思えてくる。
入れ替わりたいなんて これっぽっちも思わないけれど、
人間本来の「わがままさ」や「単純さ」など、自己中心的すぎるほどの行動には
ちょっと憧れたりもしてしまう。

さらに、誰にも媚びることのない横浜聡子の潔さが映画の随所に表れている。
その驚きの演出と予測不可能な展開が、油断した心の中にぶすぶすと突き刺さり、
映画を観終わったあと、言葉にならない感情が心をかき乱すことになるだろう。

ジャーマン+雨
(2006年 日本 71分/DV)

■監督・脚本 横浜聡子
■出演 野嵜好美/藤岡涼音/ペーター・ハイマン/ひさうちみちお/本多龍徳/徳永優樹/田尻大典/飯島秀司

■オフィシャルサイト http://www.littlemore.co.jp/movies/german-ame/

picぶさいく、わがまま、天涯孤独。ぼろい平屋にひとりで住み、学校にも行かない、林よし子16さい。他人からみれば不幸そのものだが、よし子は毎日ずんずん生きる。世の中の秩序やモラルなんておかまいなし。世間の目なんか気にしない。むきだしの本能で生きるその姿は珍獣そのもの。植木職人の見習いとして働くが、先輩からは“ゴリラーマン”とののしられ、棟梁からは殴られる。それを見ているドイツ人。

「林さん、のどの奥に小さな黒人がいるね」

夢は歌手になること。近所の子どもを集めて始めた笛教室では、たて笛を使って作曲をしている。生み出される曲のネタ元は、まわりの人間たち一人一人のトラウマだ。歌のオーディションを何度も受けるが、いつも書類審査で落される。そこで借り出されたのが、美人でやり手の友達まき。見事一次審査は通過したが・・・。

pic田舎町、ぼっとん便所、ドッヂボール、四葉のクローバー、女になりたい小学生、病院で眠るだんごむし、汲み取り屋の変態おやじ、ドイツ人・・・。よし子のまわりを取り巻く現実はいつだってやさしくない。だけど、よし子はずんずん生きる。

悩んでるフリなんかしない最高の主人公を大型新人・野嵜好美が爆発的なパワーで演じる!また、横浜監督直々のラブコールで出演が決まった漫画家・ひさうちみちおの怪演ぶりにも注目してほしい。生きることを諦めないよし子は、その手で世界に触れられるのか。 

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ウルトラミラクルラブストーリー
(2009年 日本 120分 ビスタ・SR)

■監督・脚本 横浜聡子
■音楽 大友良英

■出演 松山ケンイチ/麻生久美子/ノゾエ征爾/ARATA/渡辺美佐子/荒田芳雄/藤田弓子/齋藤咲良/竹谷円花/米田佑太/キタキマユ/野嵜好美

■オフィシャルサイト http://www.umls.jp/


「町子先生と両思いになりたい!だからぼくは死なない!」

pic青森で農業をしながら一人で暮らす子どもみたいな青年・水木陽人。畑のキャベツは青虫のせいで今日も穴だらけ。ある日、東京からやってきた保育士の町子と出会い、一瞬で恋に落ちる。生まれてはじめての恋。町子と両思いになりたい一心から、迷惑をかえりみずに猛アタックを続ける日々。

けれど町子が青森に来た本当の理由、それはカミサマと呼ばれる占い師に会うため。なぜなら事故で死んだ元カレの首がまだ見つかってないから・・・。陽人に慕われながらも、町子は元カレのトラウマからなかなか抜けだせないでいた。一方、町子で頭がいっぱいになってしまった陽人の突飛な行動は日に日にエスカレートしていき、ついに祖母から外出禁止令が出てしまう。

picそんなある日、畑で遊んでいた陽人の身体に“ある異変”が起こる。しつこいアタックに迷惑していた町子だが、どことなく雰囲気の変わった陽人のことが気になりはじめる。純粋すぎるほどの感情を からだ全体で表現する陽人は、次から次へとありえない事態を巻き起こしていく。はたして、陽人と町子にはどんなウルトラでミラクルなことが待ちうけているのか。

(ぐり)


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