豪華特選三本立て 男はつらいよ 12月31日【木】は20:00の回休映

男はつらいよ 全48作品

山田洋次原作・監督(一部作品除く)、渥美清主演で1969年から1995年まで、26年間に全48作品が公開された国民的人気シリーズ。1983年、“一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズ”としてギネスブックに認定。日本中から愛される作品として、渥美清さんが亡くなるまで作り続けられた。

男はつらいよ オフィシャルサイト
http://www.tora-san.jp/

・男はつらいよ(1969)
・続・男はつらいよ(1969)
・新・男はつらいよ(1970)
・男はつらいよ 望郷篇(1970)
・男はつらいよ 純情篇(1971)
・男はつらいよ 奮闘篇(1971)
・男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971)
・男はつらいよ 柴又慕情(1972)
・男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972)
男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973)
・男はつらいよ 私の寅さん(1973)
・男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(1974)
・男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974)
男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975)
・男はつらいよ 葛飾立志篇(1975)
・男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976)
・男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976)
・男はつらいよ 寅次郎と殿様(1977)
・男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977)
・男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978)
・男はつらいよ 噂の寅次郎(1978)
・男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979)
・男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979)
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980)
・男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980)
・男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981)
・男はつらいよ 寅次郎紙風船(1981)
・男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982)
・男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982)
・男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983)
・男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983)
・男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984)
・男はつらいよ 寅次郎真実一路(1984)
・男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985)
・男はつらいよ 柴又より愛をこめて(1985)
・男はつらいよ 幸福の青い鳥(1986)
・男はつらいよ 知床慕情(1987)
・男はつらいよ 寅次郎物語(1987)
・男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(1988)
・男はつらいよ 寅次郎心の旅路(1989)
・男はつらいよ ぼくの伯父さん(1989)
・男はつらいよ 寅次郎の休日(1990)
・男はつらいよ 寅次郎の告白(1991)
・男はつらいよ 寅次郎の青春(1992)
・男はつらいよ 寅次郎の縁談(1993)
・男はつらいよ 拝啓 車寅次郎様(1994)
・男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995)
・男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別編(1997)

車寅次郎、通称“寅さん”は、葛飾柴又は帝釈天の門前町にある老舗の団子屋「とらや」(第40作以降は「くるまや」)の5代目主人・車平造と芸者・菊との子として生まれる。寅次郎を産んで間もなく、菊は出奔。寅次郎は父方に引き取られ、平造と、さくらの実母に育てられた。その後寅次郎は16歳頃に家を飛び出し、放浪の果てにテキヤになる。

約20年ぶりに故郷の柴又に帰ってきて以来、寅次郎はトランクひとつで日本中を旅して啖呵売を続けながら、年に数度、ふらりととらやに帰ってくる。性格は明朗で、人情に厚く、惚れっぽいのが玉にキズ。異母妹・さくらには、ことのほか愛情を寄せている。和食党で芋の煮っころがし、がんもどきが好物。旅の空で鼻歌、替え歌を口ずさむことを好む。

いや〜、気付けばもう年末です。時間が流れるのは本当に早いもので、今年もやり残したことや見逃した映画が沢山あり、切ない気持ちに駆られてしまいます。その上、世間様では“不況、不況”と叫ばれ続けて、ただでさえ将来の不安ばかりが募る今日この頃。

一体、皆さんにとって今年はどんな一年だったんでしょうか?耳を塞ぎたくなる返事が多そうですが、まぁ、そんな時こそ、めげずに映画を見ましょうよ!それもトビっきり笑えて、泣ける映画を!

そうとくりゃー、年末年始を跨ぐこの大事な週はこれっきゃないでしょ。
日本人なら誰でもこの時期会いたくなる正月の顔、そう!

“寅さん”です!

キタ!いや、来る!
ついにあの「男はつらいよ」の“フーテンの寅さん”が早稲田松竹にもさすらって来るのです!しかも・・・なんと3本立てです!寅さん3本立て! これは一大事!もう弁当持参で観に来るしかないでしょう!

私、生まれも育ちも葛飾柴又です。 帝釈天で産湯をつかい姓は車、名は寅次郎、 人呼んでフーテンの寅と発します。

48本という世界の映画史にも類を見ない長寿シリーズとして、日本人なら誰でも知っている“寅さん”は、渥美清さんの人柄とも重なるようにマッチし、今尚多くのファンに愛される国民的映画スターなのは皆さんご承知の通り。

そもそも「男はつらいよ」シリーズは全26話からなるテレビドラマが始まりでしたが、最終回で寅さんがハブに噛まれて死んだことから抗議が殺到し、山田洋次監督の提案で映画化という道を踏み出すこととなったのでです。

ある意味、昨今のテレビドラマの映画化ブームの先駆け的なものとも言えるかもしれない「男はつらいよ」第1作は、当初あまり宣伝もされず、ヒットしないだろうと思われていましたが、周囲の予想を覆す大ヒットを記録し、続編の映画化が即決されました。そして、ここからが長い伝説の旅の始まりとなったのです。

なぜここまで寅さんが愛されるのか? その理由は、やはり葛飾柴又の門前町を舞台に繰り広げられる寅さんファミリーの人情劇や寅さんが作品ごとに旅するその地方地方での人の温かさではないでしょうか。

高度経済成長期を迎え、次々と道路やビルなどが建設されてゆき、風情も味もなくなってしまった日本の景色たち。人間関係もどこか冷たくなってきたあの時代、観客は寅さんやさくらなどの登場人物たちにどこか温かい人間味を感じ、葛飾柴又を心の故郷のように思うようになったのかもしれません。

そして、時と共に古き良き日本人の人情味がどんどんと薄れてゆくほどに、人々は更に寅さんを求めてるようになったということが、この「男はつらいよ」シリーズをここまでの長寿にした理由と言えるかもしれません。

そういう意味では、たぶん日本人はこれからも寅さんを求めてゆくことになるでしょう。哀しいかな「男はつらいよ」の世界は今やもう私たちが求める唯一の心の故郷なのです。せめて映画の中だけでも残っていてほしい"あの懐かしい街と温かい人たち”というものが「男はつらいよ」シリーズにはあります。

それは、時代が変わり、人間同士の接し方が変わっても、変わることのない人間本来の心のふれあいの形なのでしょう。だから、私たちはこれからもその心のふれあいを思い出させてもらうために“寅さん”に逢いに行かなくていかないのかもしれません。

そして、最後に寅さんと言えば、忘れてはいけないのがマドンナと呼ばれる寅さんの恋相手です。毎回日本を代表する女優さんたちが出演しては、映画に華をそえてくています。

今回の三本立ては、その名だたるマドンナたちの中でも人気の高いマドンナ、浅丘ルリ子さん演じる“リリー”を特集してみました。 寅さんとの相性も抜群のリリーではありますが、いったい3本の間に二人は結ばれることができるのでしょうか? むむむっ、これは3本観るまで帰れないな…

まぁ、今年も皆さんお疲れ様でした。つらいことも沢山あったかもしれませんが、今年最後の特集を忘年会という意味も兼ね、寅さんの笑いで締めくくってはどうでしょう!

そうすれば、きっと来年は何かいいことあるはずです!

(ローラ)


男はつらいよ 寅次郎忘れな草
(1973年 日本 99分 シネスコ・MONO)

2009年12月26日から2010年1月1日まで上映 ■監督・脚本・原作 山田洋次
■脚本 朝間義隆/宮崎晃

■出演 渥美清/浅丘ルリ子/倍賞千恵子/前田吟/三崎千恵子/太宰久雄/佐藤蛾次郎/吉田義夫/松村達雄/笠智衆

■1973年毎日映画コンクール 監督賞、脚本賞/1973年キネマ旬報ベスト10 第10位

■オフィシャルサイト http://www.tora-san.jp/index.html

◆寅さんとリリー◆出会い

pic寅次郎(渥美清)はあるとき、息子の満男のためにピアノが欲しいという、さくら(倍賞千恵子)の願いを叶えるべく、奔走して手に入れてきたが、それはおもちゃのピアノだった。それが大騒動へと発展し、寅次郎は旅に出る。北海道は網走に向かう夜汽車の中で、寅次郎は旅回りの歌手・リリー(浅丘ルリ子)と出会う。

寅次郎と同じ浮き草稼業のリリーは、寅次郎と意気投合。寅次郎は地道に生きようと、酪農家で働くが三日ともたずに柴又へ帰ってくる。そこへリリーが訪ねて来て、寅次郎との再会を喜び合うが、何やら訳あり風の二人に周囲の目は…。

シリーズ第11作目。寅さんと同じ境遇の旅回りの歌手・リリーこと松岡清子が初登場する。北海道の網走で出会った二人は、その後、何度も旅先でさまざまなドラマを展開していくことになる。当初、浅丘ルリ子には別の配役が用意されていたというが、山田洋次監督が打ち合わせで浅丘ルリ子に会った際のイメージで作り上げられたのがリリーだった。


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男はつらいよ 寅次郎相合い傘
(1975年 日本 91分 シネスコ・MONO)

2009年12月26日から2010年1月1日まで上映 ■監督・脚本・原作 山田洋次
■脚本 朝間義隆

■出演 渥美清/浅丘ルリ子/倍賞千恵子/下絛正巳/前田吟/三崎千恵子/太宰久雄/佐藤蛾次郎/中村はやと/吉田義夫/岩崎加根子/久里千春/早乙女愛/村上記代/谷よしの/後藤泰子/戸川美子/光映子/船越英二/笠智衆

■1975年毎日映画コンクール 主演女優賞(浅丘ルリ子)、美術賞/1975年キネマ旬報ベスト10 第5位、主演女優賞(浅丘ルリ子)/1975年ブルーリボン賞 主演女優賞(浅丘ルリ子)。助演女優優秀賞(倍賞千恵子)、特別賞(山田洋次)

■オフィシャルサイト http://www.tora-san.jp/index.html

◆寅さんとリリー◆ふたりの再会

pic青森で知り合った中年男・兵藤謙次郎(船越英二)と旅を続ける寅次郎は、函館のラーメン屋の屋台で、なんとリリーと再会を果す。初夏の北海道で、気ままな道中を楽しむ三人。兵藤は、小樽で初恋の人に一目だけ逢おうとするが、それを“男の甘え”とリリーは寅次郎に当たって、二人は大げんか。

寅次郎はそのままリリーと別れるが、リリーのことが気がかりな毎日。そんなある日、リリーが柴又へとやってきて……。

シリーズ第15作目では、第11作目で別れた寅次郎とリリーが再会する。結婚に失敗したリリーは、再び歌手となり旅暮らし。寅次郎は、船越英二扮する冴えない中年男・兵藤と旅をしている。三人が揃って旅をする場面は幸福な気分に満ちあふれている。

パパさんこと兵藤が、持って来たメロンをめぐっての一悶着は「メロン騒動」と名高い。リリーと喧嘩した寅次郎が、雨の降る柴又駅へリリーを迎えに行く“相合い傘”シーンは、シリーズ屈指の名場面。


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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
(1980年 日本 104分 シネスコ・MONO)

2009年12月26日から2010年1月1日まで上映 ■監督・脚本・原作 山田洋次
■脚本 朝間義隆

■出演 渥美清/浅丘ルリ子/倍賞千恵子/下絛正巳/前田吟/三崎千恵子/太宰久雄/佐藤蛾次郎/中村はやと/新垣すずこ/金城富美江/間好子/伊舎堂正子/伊舎堂恵子/一氏ゆかり/光石研/江藤潤/笠智衆

■1980年日本アカデミー賞 最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞(倍賞千恵子)、特別賞(渥美清)/1980年報知映画賞 最優秀主演女優賞(倍賞千恵子)

■オフィシャルサイト http://www.tora-san.jp/index.html

◆寅さんとリリー◆ついに沖縄で同棲!

picとらやに一通の手紙が届く。リリーが沖縄で倒れ、入院しているというのだ。“寅さんに一目逢いたい”というリリーの願いを叶えるべく、寅次郎は那覇へ向かう。リリーの待つ病院へ駆けつけた寅次郎は、懸命に看病する。

退院したリリーと寅次郎は、小さな家を間借りして同棲を始める。しかし、寅次郎が他の女性に心を動かしたことから大ゲンカ。果たしてふたりの愛は成就するのか……?

灼熱の沖縄を舞台に大人のロマンスが展開する、シリーズ第26作。下宿先の息子・国頭高志との間に、焼き餅を焼く寅さん。「あんたと私が夫婦だったら」というリリーの女性としての想い。情熱的なリリーと、売り言葉に買い言葉の寅さんの喧嘩は、お互いの愛情の発露のようでもある。そんな二人に気をもむとらやの人々。爽快なラストシーンも含めて、シリーズ屈指の傑作となった。


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