来た!ついに来た!寺山修司が高田馬場に帰って来たーーーー!皆さま大変お待たせ致しました。ついにこの日を迎えることができました。天才・寺山修司特集やっちゃいます!

何を隠そう寺山修司は早大生(中退)。
その上、『書を捨てよ町へ出よう』のメインロケ地は
高田馬場にある崩れかけのアパートで撮影されるなど、
寺山修司とは何かと縁の深いこの高田馬場・早稲田地区。

そう、早稲田松竹にとって彼の映画を上映することはまさに本望!てか、うちの映画館がやらなくて何処がやるっていうんですか!?

と、番組編成担当は今回かなり燃えております!いつもとは違います!
どうかこの挑戦ともいえるラインナップに皆様答えて下さい。
騙されたと思って劇場に足を運んでください。

実際、寺山修司の映画を初めて観た方は狐に騙されたかのように唖然とするでしょう。
度肝を抜かれるでしょう。こんな映画が存在したのか!と衝撃を受けることは間違いなしです。
天才・寺山修司の世界に足を踏み入れたら最後、あなたの中の華やかだった映画は180度急転し、
常識の通用しない支離滅裂な映画の裏が姿を現します。そこからは誰も逃れられません。
あとはあなたの感覚が頼りです。

さあ、あなたもついに寺山修司の迷宮に挑戦する時が来たのです。
存分に楽しんで迷い込み、感じ取って、考え込んじゃって下さい。
きっとあなたの世界観が変わるはずです。

「僕の職業は寺山修司です

寺山修司といえば、詩人、歌人、小説家、俳優、劇作家、エッセイスト、そして映画監督と
幅広い芸能活動家として有名ですが、その多くのジャンルの中で
最も才能を発揮することができているのはやっぱり映画ではないでしょうか。
21世紀になった現在でも映画という芸術の表現の可能性は
未だ底をつくことがありませんが、寺山修司はその無限の底を目指して、
可能な限り表現しようと挑戦した映画監督です。

今回は衝撃の長編映画デビュー作となる『書を捨てよ町へ出よう』と、自伝ともいえる話題作『田園に死す』の豪華2本立て!

書を捨てよ町へ出よう
(1971年 日本 138分)
2008年6月7日から6月13日まで上映 ■監督・原作・脚本 寺山修司
■出演 佐々木英明/斎藤正治/小林由起子/平泉征/森めぐみ/丸山明宏/新高恵子

『書を捨てよ町へ出よう』は演劇実験室「天井桟敷」が全国各地で百十数回以上も上演した同名ドキュメンタリー・ミュージカルを人力飛行機プロ(主宰・寺山修司)とATGが初めて提携し、映画化したものでございます。

主要登場人物を一般から募集し、多数の応募者の中から、主人公「私」には青森県出身の佐々木英明、父親には映画評論家の斉藤正治、妹・セツには東京キッド・ブラザースの小林由紀子が起用され、その他特別出演として丸山明宏(美輪明宏)などバラエティー富んだ顔ぶれが出演、そして怪演。

いつも家出を考えている主人公「私」。万引き癖のあるおばあちゃん。もと陸軍上等兵、もと屋台ラーメン屋、いま無職、48才にもなってもまだオナニーを止められない親父。ほとんど口をきかず、ウサギを偏愛している妹、セツ。この典型的なダメ家族の「私」を中心に幻想や過去の回想などを自由奔放に織り込みながら、家族制度を否定し、書物的理性を軽蔑し、走りながらものを考える若者の姿を浮き彫りにした全編オール衝撃の問題作。

必見!というか映画好き人生において必ず通らないといけない裏の道。
是非、ご覧下さい!

そして、もう一つは長編映画2作目となる『田園に死す』でございます。
本作は内容の紹介が困難かつ無用な、まさに怪作。



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田園に死す
(1974年 日本 102分)
pic 2008年6月7日から6月13日まで上映 ■監督・原作・脚本 寺山修司
■出演 菅貫太郎/高野浩幸/八千草薫/斎藤正治/春川ますみ/三上寛/原田芳雄

恐山の麓に母と2人で暮らしいる「私」の唯一の楽しみはイタコに父親の霊を呼び出させて会話をすること。そんなある日、村に来たサーカス団から外の世界を聞かされた「私」は家出することを決意し、意中の人妻と共に村から逃げる事を約束した。しがし決行の夜、人妻は一向に現れず、「私」は不気味な野原にとりあえず寝転がってみるのだった…。

その後の流れは実際にご覧になってご確認ください。 私の口からではご説明できまへん!

また、ロケ地が恐山ということもあって、撮影時にはさまざまな心霊現象が続出。カメラが異常故障したり、仏壇売りのシーンだけ雨にたたられ、晴間をみて撮影にかかると急に雨雲が広がり、雨が降り出すなど、悪霊としか思えない異常体験の繰り返し。そう、実はイワクツキの作品なんです。

しかし、だからといって本作はオカルトではございません。ただ何か霊的なもしくは神がかり的な要素を持ち合わせていることは確実です。見てしまった日には、寺山ワールドフル回転の映像が頭から離れず、世界の色が逆転してしまうかもしれません。それほどの力を秘めた本作『田園に死す』を見逃す手は無い!

必見!
いや高田馬場・早稲田を愛する皆様には義務づけたい寺山修司特集。
ご来館お待ちしておりま〜す。

〈ローラ〉


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