雪の女王 作品誕生50周年記念≪新訳版≫
СНЕЖНАЯ КОРОЛЕВА
SNOW QUEEN
1957年/ソ連(ロシア)/65分
★『鉛の兵隊』(20分)の同時上映あり
2008年12月20日から12月26日まで上映
■監督 レフ・アタマーノフ
■原作 H.C.アンデルセン「雪の女王」
■声の出演 ヤニーナ・ジェイモー/アンナ・コモローワ/マリヤ・ババノーワ
■オフィシャルサイト http://www.ghibli-museum.jp/snowqueen/
今年は『崖の上のポニョ』が大ヒットしました。子供たちがポニョの歌を元気に唄っている、そんな微笑ましい光景もよく目にします。ポニョみたいに無邪気で元気よくて「好き!」って気持ちを貫く女の子。そんな女の子がこの映画にも登場するのです。
宮崎駿監督にとって大切な映画。『雪の女王』はアンデルセン原作で、50年も前にロシアで生まれました。
バラの花を贈りあう仲の少女ゲルダと少年カイ。カイのちょっとした冗談を聞いて雪の女王は怒り、氷のかけらでカイの目と心に呪いをかけてしまいます。それは愚かなものだけを目にし、心が意地悪になるような恐ろしい呪いでした。それからカイは意地悪になり、ついには雪の女王に氷の宮殿へ連れ去られてしまいます。
大切なカイを探すために旅立つゲルダ。ゲルダの一途な想いは氷の世界を溶かしてゆくのでしょうか?
手作りされたアニメーション。旅先で出会う自然や動物、そして人間たちの美しい描写にきっと目を奪われることでしょう。少女は世界を変える。そんな宮崎映画の原石というべきものを『雪の女王』で感じることができます。
『鉛の兵隊』という20分の短い作品が『雪の女王』と同時上映されます。この20分の極限までシンプルにそぎ落とされた構成の中に、究極の愛の形が描かれています。涙がこぼれてしまうかもしれません。今回上映の三作品は人を「好き」になることのすごさを感じさせてくれる良作が揃っています。この感動をぜひ早稲田松竹で味わってみてはいかがでしょうか。
チェブラーシカ
Чебурашка
CHEBURASHKA
(1969・1971・1974・1983年/ロシア/73分)
2008年12月20日から12月26日まで上映
■監督 ロマン・カチャーノフ
■原作 エドゥアルド・ウスペンスキー
■出演 V.リワーノフ/K.ルミャーノワ
■オフィシャルサイト http://www.ghibli-museum.jp/cheb/
こんなにキュートな生き物がロシア生まれでいいのかいなんて思っていたら、やっぱり南国生まれ。オレンジを食べていたらオレンジと一緒に箱につまれてしまって、そしてロシアへ。起こしても、歩いてもすぐにたおれる、小さな生き物チェブラーシカ(ばったりたおれ屋さん)。
そんなチェブラーシカは小さくてもけなげに働こうと一生懸命がんばるのです。動物園に就職活動にいきました。けれど、正体不明だから拒否されました。世知辛い世の中はいつでもどこでもかわりません。結局、リサイクル屋さんで客引きの仕事をすることになります。住みこみの仕事で与えられた住居もなんと電話ボックス!余暇はコマを回して過ごします。チェブラーシカのうつろな目。
孤独、孤独、孤独…。
こんな小さなチェブラーシカも、現在を生きる人たちもみんな同じ思いをして生きています。チェブラーシカはそんな孤独の中だからこそ、「友達をつくろう!」と力強く決意するのです。 そのチェブラーシカの健気な姿には、明るさと優しさと勇気が宿ってます。だからチェブラーシカはかわいいのです。
そしてワニのゲーナと友達になります。ゲーナの歌は本当にすばらしい。だから字幕が読めなくたって子供たちも楽しめます。なんせ人形が動くのだから。 そして歌うのだから。映画はリズムで感じるものです。そして楽しむもの。
大人にも子供にも絵本を見るように優しい気持ちで観ていただきたいなと思います。彼らの呼びかけでたくさんの孤独な街の住人たちが集まって物語は躍動していきます。
つづきは観てのお楽しみ。
(mako)