ラン・ローラ・ラン
LOLA RENNT
(1998年 ドイツ 81分)
2007年6月30日から7月6日まで上映 ■監督・脚本・音楽 トム・ティクヴァ
■出演 フランカ・ポテンテ/モーリッツ・ブライブトロイ/ハイノ・フェルヒ/ヨアヒム・クロール

☆本編はカラーです。

走れ、ローラ、走れ!
ローラは走る。ひたすら走る。
過去へ逆走し、現在に奔走し、未来へ爆走する。

映像が走り、音楽が走り、アニメーションが走る。
走らないものなんて、何ひとつない。

picベルリン、夏。11:40a.m.ローラの家の電話が鳴る。裏金の運び屋をしている恋人のマニからだ。「ローラ、助けてくれ!ボスの10万マルクをなくした。12時までに金を作らないと、殺される…。」残された時間は20分。受話器を投げ出したローラは、マニの命を救うため、街へと飛び出す!

ベルリンの壁の崩壊、東西統一を経て、急スピードで変わりゆくベルリンを背景に走るローラの姿は、まるでその時代を現しているかのようだ。

愛のために走るローラ。ストーリー自体はごくシンプルだ。しかし、ローラの愛の力はとても大きく、それに突き動かされ、ありとあらゆる手法を駆使した映像と、ジャーマン・テクノが一体となってボルテージを上げてゆく。

picローラ…。西城秀樹の歌とは全くの逆パターンだが、赤い髪のインパクトと、一途に彼を助けようとするかわいらしさと、陸上選手のようなナイスな走りっぷりがかっこいい。行け、行け、ローラ!

さあ、みんなもローラと一緒に走るんだ!

(ロバ)



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パフューム ある人殺しの物語
PERFUME:THE STORY OFA MURDERER
(2006年 ドイツ 147分
pic 2007年6月30日から7月6日まで上映 ■監督・脚本 トム・ティクヴァ
■原作 パトリック・ジュースキント 『香水 ある人殺しの物語』(文藝春秋刊)
■脚本 アンドリュー・バーキン/ベルント・アイヒンガ―
■出演 ベン・ウィショー/ダスティン・ホフマン/アラン・リックマン/レイチェル・ハード=ウッド/アンドレス・エレーラ/サイモン・チャンドラー

18世紀、パリは活気と悪臭に満ちていた―。

1738年7月17日、セーヌ河沿岸の魚市場で大きな腹を抱えた魚屋の女が、突然店の奥に倒れこみ、無造作に捨てられた魚のはらわたの上に赤ん坊を産み落とした。死産と決め付け、捨て置かれた赤ん坊。この時、人類に2人といない才能が誕生したことなど、人々は知る由もなかった。

原作は、パトリック・ジュースキントの小説「香水 ある人殺しの物語」。1985年に刊行されたこの作品はベストセラーとなり、世界42ヶ国語に訳され、今もなお売れ続けている。

pic類稀なる才能を持つ1人の孤児の名は、ジャン=バティスト・グルヌイユ。彼は、何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚を持っていた。青年に成長したグルヌイユは、ある時街で偶然出会った少女の芳しい香りに取り憑かれた。その美しく、しかし一瞬にして消えてしまった理想の香りを追い求めて、調香師となった彼は香水づくりに没頭してゆく…。

においはあらゆるところに存在している。生物の持つ体臭。花やフルーツといった植物の香り。空気中に漂う埃、土や水の匂い。形が無いからこそ記憶の奥深くに残り、一瞬だからこそ、その瞬間に体中を支配する。

もし、理想がひとつの香りであって、その存在で自分の欲望がすべて満たされるとすれば、それを手に入れ永遠に自分の手の中に留めておきたいと思うだろう。香りを具現化した究極の香水として。

本能は理想を求め理性を支配し、すべてのものは嗅覚へと到達し身体の隅々へいきわたる。香りが映画という視覚から、嗅覚を刺激する。それが、人々を虜にするグルヌイユのパフュームだ。

(ロバ)




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