ムーラン・ルージュ
MOULIN ROUGE!
(2001年 アメリカ 128分)
2007年12月8日から12月14日まで上映 ■監督 バズ・ラーマン
■脚本 バズ・ラーマン/クレイグ・ピアース
■音楽 クレイグ・アームストロング/マリウス・デ・ヴリーズ/スティーブ・ヒッチコック

■出演 ニコール・キッドマン/ユアン・マクレガー/ジョン・レグイザモ/ジム・ブロードベント/リチャード・ロクスバーグ/ギャリー・マクドナルド

■オフィシャルサイト http://www.foxjapan.com/movies/moulinrouge/

カンカン!圧巻!カンカンダンス!
It's カンカンカーン!
それっ!カンカンカーン!
みんなカンカンカーン!

picユアン・マクレガー演じるクリスチャンが初めてニコール・キッドマン演じるサティーンと出会うキャバレー『ムーラン・ルージュ』でのカンカンダンスシーンは必見である!色鮮やかに着飾ったダンサーたち。心までリズムに乗ってしまう音楽。息もつかせないほどの映像。ほんと素晴らしい!まさに圧巻!ミュージカル映画のベスト名シーンだ!

今作の場合、正しくはフレンチ・カンカンという踊りなのだが、普通のカンカンダンスとの違いはハイキックや大股開きなどの女性特有のチラリズムと刺激的な体の動きがある点である。

picムーラン・ルージュとは元々1889年創立のパリに実在する「赤い風車」という意味のキャバレーである。踊り子達はそこで歌やダンスや大道芸を披露し、観客を魅了してきた。現在でも観光スポットとして夜に3回のショーが開かれている。

そんなキャバレーが舞台となる映画『ムーラン・ルージュ』の中で作家志望のクリスチャンは高級娼婦のサティーンに恋をする。ショー後の夜サティーンは自分を女優にしてくれる公爵と待ち合わせをしていたのだが、ふとした事からクリスチャンを公爵と勘違いしてしまいベットに誘い込む。しかし、無垢でロマンティックなクリスチャンはそこでサティーンに自作の詩を聞かせる。

「人がこの世で知る最高の幸せ それは誰かを愛し、その人から愛されること…」

picそして、サティーンもまたクリスチャンに恋をする。生まれて初めての本物の恋を。貧乏作家と正体がばれてもサティーンの愛は消えることはなかった。二人の愛はどんどん加速していき、サティーン主演、クリスチャン作となる舞台ショーがムーラン・ルージュで公開することも決まる。幸せの絶頂!かに思えた二人だが、サティーンを自分のものにしたい公爵はパトロンとしての立場を利用し二人の愛を壊そうとするのだった…。

心を締めつけるラブ・ストーリー。夢のような2時間。映画『ムーラン・ルージュ』であなたもブロードウェイスター!

(ローラ)



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魔笛
THE MAGIC FLUTE
(2006年 イギリス 139分)
pic 2007年12月8日から12月14日まで上映 ■監督 ケネス・ブラナー
■脚本 ケネス・ブラナー/スティーヴン・フライ
■音楽 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
■指揮・音楽監督 ジェームズ・コンロン
■演奏 ヨーロッパ室内管弦楽団

■出演 ジョセフ・カイザー/エイミー・カーソン/ルネ・パーペ/リューボフ・ペトロヴァ

■オフィシャルサイト http://mateki.jp/

モーツァルトが、生涯の集大成として作り上げたオペラ『魔笛』。魔法の笛に導かれて出会った恋人たちの奇跡の愛の物語は、華やかな娯楽性と音楽性に彩られ、オペラ史上の金字塔として、2世紀を越え世界中で愛され続けている。

picそのマスターピースを、シェイクスピア作品を次々と映画化して甦らせてきた英国の天才、ケネス・ブラナーが完全映画化。 序曲からフィナーレまで全22曲をあますところなく贅沢に盛り込み、人々を壮大な音の世界へと導いてゆく。当代随一のモーツァルトの歌い手と謳われるザラストロ役のルネ・パーペ以下、世界最高峰の歌手が集結。モーツァルトの至高のナンバーを、いきいきと歌い上げている。

第一次世界大戦前夜のヨーロッパ。兵士タミーノは戦場で命を失いかけたところを、夜の女王に仕える3人の侍女に救われる。女王から魔法の笛を渡され、暗黒卿ザラストロに誘拐された娘パミーナを救い出してくれと頼まれた彼は、ザラストロの神殿に忍び込む。そして、そこで出会ったパミーナと瞬く間に恋に落ちる。そんなふたりがやがて知ることになる驚愕の事実。愛をかなえ、自由を手にするために課せられる過酷な試練。魔笛が引き起こす奇跡の愛の物語は、すべての人に愛の歓びを呼び起こす。

元のオペラ『魔笛』は、実はかなり筋がわかりにくい作品である。お姫様の救出劇のようにして始まったのに、誘拐犯の悪人と思われたザラストロが実は賢者であったことが解り、途中から善と悪の設定が入れ替るのだ。また、オペラでは演出家が独自のアイディアによってストーリーを読みかえるのは一般的なこと。ケネス・ブラナーは舞台を第一次世界大戦前夜のヨーロッパに、歌詞も原語のドイツ語から英語に置き換えた。そのため戦争と平和、生と死、愛と憎しみ、光と闇の対比がくっきりと描き出され、普通のオペラよりもわかりやすく出来上がっている。それでもオペラ「魔笛」を素材として映画にしたわけではなく、オペラ「魔笛」そのものを映画化していると断言できる出来栄えだ。

気取った高尚な作品ではないので、「オペラはちょっと…」という方でも大丈夫。ケネス・ブラナー自身にとっても、以前は「オペラは距離があるものだった」らしい。「ストーリーは理解しにくく、チケットは高いし、演技は大げさだし。でもこの作品は、オペラを見るのはちょっと怖いな、という人に観て親しんでもらいたい」と語っている。

斬新なストーリー・テリングと、驚異のビジュアルマジック。モーツァルト生誕250年に合わせて作られた映画『魔笛』。至高のシネマオペラの誕生だ。




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