では、まず一週目
そして二週目は
もちろんこのほかにも、もっとたくさん魅力的なジョニー作品があるのですが
今回は初めての方にも親しみやすいこの4作品になりました。
そして特に注目して頂きたいのが2週目の“妹の恋人”。
この素晴らしい映画をスクリーンで、というチャンスは滅多にありません。貴重です。
つまり…ジョニー・デップファンなら観ておかなくては!!
いや、ファンでなくともこれを観たらきっと分かります!
DVDで何百回観たとしても、やっぱりスクリーンで観ると感動もひとしお。
2月といえばバレンタイン・デー。バレンタインといえばチョコレート。
甘い・時に苦い・今流行りのGABA効果・そして顔が緩む。やる気が出る(色々と)。
まるでジョニーみたい!なんて…。
2月は是非、早稲田松竹で思う存分ジョニーを堪能してください♥
チャーリーとチョコレート工場
CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY
(2005年 アメリカ/イギリス 115分)
●2007年2月10日から2月16日まで●
『ショコラ』と二本立て上映
■監督 ティム・バートン
■原作 ロアルド・ダール
■脚本 ジョン・オーガスト
■出演 ジョニー・デップ/フレディ・ハイモア/デヴィッド・ケリー/ヘレナ・ボナム=カーター
■オフィシャル・サイト
http://charlie-chocolate.jp/
2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
「デップ×バートン」の黄金コンビ再び!
原色バリバリのポップな色彩と異様な空間は、まるでディズニーランドに生えた毒キノコ(褒め言葉です)。やっぱりこの二人のコンビにはブラック・ユーモアが良く似合います。ジョニー演じるウォンカを見ていると、とても「ショコラ」で渋くギターを弾いていた人と同一人物とは思えません。役を演じるのではなく、登場人物そのものになってしまっているからこそ、のリアルな不気味さなのでしょう(褒め言葉です)。
さらに注目すべきは工場見学を許可される、チャーリーを含めた5人の子供たち。これがまた性格がそのまま出ちゃったみたいな顔をしていて、マンガから飛び出してきたキャラのようです。憎たらしいはずが何故か可愛く見えてしまうから不思議。
そして細かいところまでこだわりまくった映画づくり。それは例えばウンパ・ルンパ族が一人二十役だったり、登場するリスを半年間かけて調教したり…。リスを半年、調教って!と思わず笑ってしまうくらいですが、そんなしっかりした土台づくりがあるから出来た完璧なチョコレート工場なんですね。
ショコラ
CHOCOLAT
(2000年 アメリカ 121分)
●2007年2月10日から2月16日まで●
『チャーリーとチョコレート工場』と二本立て上映
■監督 ラッセ・ハルストレム
■原作 ジョアン・ハリス
■脚本 ロバート・ネルソン・ジェイコブス
■出演 ジュリエット・ビノシュ/ヴィクトワール・ティヴィソル/ジョニー・デップ/アルフレッド・モリナ/ジュディ・デンチ
そのタイトルどおり、チョコレートによる、チョコレート好きにはたまらない映画。チョコレート好きなら誰でも分かる、チョコレート屋さんに入った時のふんわりした香りと、ショーケースに一つずつ丁寧にきっちり並べられた様々な形や飾りのチョコレートたち。そして何にしようか選ぶ時のワクワクする気持ち。
むかし、チョコレートには魔法があると言われていましたがこの映画の中のチョコレートたちも然り。頑なな顔をしていた人たちがチョコレートを口に入れた瞬間の表情といったら!それこそ魔法の薬のよう。そのせいか、チョコレートの伝道師、ヴィアンヌがチョコレートを作る様は、薬を調合する可愛らしい魔女のようにも見えるのです。
それにしてもここまでの文章の中で10回も「チョコレート」という単語を使うほどに、この映画にはチョコレートがいっぱい。でも、甘すぎず上質なのです。それがラッセ・ハルストレム監督の力。
そして、人々を癒すヴィアンヌを逆に癒すのが、ジョニー・デップ演じるジプシーのルー。これはちょっとずるい!ずるいほどかっこいい。実は出番はそれほど多くないのですが、その存在感ったら。野性的なのにスマートな出で立ちで(個人的に、ジョニーの魅力が一番引き立つスタイルではないかと)、そのうえギター演奏ですってよ。ミュージシャンとしての顔も垣間見れるなんとも贅沢なシーンです。
妹の恋人
BENNY & JOON
(1993年 アメリカ 99分)
●2007年2月17日から2月23日まで●
*『ネバーランド』と二本立て上映
■監督 ジェレマイア・チェチック
■原作 バリー・バーマン/レスリー・マックネイル
■脚本 バリー・バーマン
■出演 ジョニー・デップ/メアリー・スチュワート・マスターソン/エイダン・クイン/ジュリアン・ムーア
言葉は人間に与えられた一番簡単に気持ちを伝える道具には違いない。だけど、簡単だからこそ、難しい。気持ちという食材を、食べやすく調理したのが言葉だとしたら、もちろん中には不味い料理もある。でもそれを、見た目は美味しそうに作るもんだから、うっかり手を伸ばしてしまったりする。
ジューンは頭のいい女の子だ。どんなにニコニコ顔でどうぞ、と差し出された言葉でも、その裏がちゃんと見えている。頭がいいから警戒心が強い。分かっているから傷つきやすい。自分の身を守るには、出来るだけ知っているものにしか手を出さないことだ。それが、たった一人の家族である兄だった。サムが現れるまでは。
サムはほとんど会話らしき会話をしない。ただ、言葉の代わりに、もっといいものを持っていた。それが自分の体を道具にして相手をリラックスさせたり笑わせたりする力だ。言葉の飾りをつけない純粋な表現者。ジューンに分からないはずがない。だって、それは考えなくても目で見た瞬間に伝わってくる、そのままの気持ちだから!それは勿論スクリーンを通して観ている私たちにも伝わる。伝わっちゃうんです、純粋すぎて痛いっす!
そんな二人が初めてお互いの目を見て笑いあう時、純度100%の言葉の無い会話をする。これは今まで見たどんな恋愛映画よりドキドキしました。この映画を観ると、ジョニー・デップは本当に表現者なんだと実感します。その才能を、一人でも多くの方に観ていただきたいです!
ネバーランド
FINDING NEVERLAND
(2004年 イギリス/アメリカ 100分)
●2007年2月17日から2月23日まで●
*『妹の恋人』と二本立て上映
■監督 マーク・フォースター
■原作戯曲 アラン・ニー
■脚本 デヴッド・マギー
■出演 ジョニー・デップ/ケイト・ウィンスレット/ジュリー・クリスティ/ラダ・ミッチェル/ダスティン・ホフマン
大人も子供も誰もが知っているピーターパン。その物語、いや、その世界がどうやって生まれたのか、それを語ったのがこの「ネバーランド」。
大切な人をなくしたとき人は、どうやってそれを受け入れるのだろう。自らも希望や夢を捨て、諦めながら生きていくのか。それとも記憶を総動員させ、忘れないように忘れないように過去だけを大事にして生きる人になるのか。ピーターパンの生みの親であるバリは、こう言った。「愛する人はみんな、ネバーランドに行くんだ」と。
ネバーランドは心の中の国。だから実在しないはず。だけど、世界中の人がそれぞれのネバーランドを信じて、「ここにある」といえば、それはもう「ここにある」。ピーターパンの世界の中で、みんなの「妖精は本当にいる!」と信じる力が妖精の目を覚まさせたように。「信じれば、ネバーランドに必ず行ける」とは、そういうことだ。
いつまでも少年の心を持ち続けるバリ役を演じたジョニー・デップ。バリという人物は、もはや彼にしか出来ないのではないかというくらいぴったりハマリ役。きっとこんなにも自然にバリになれるのは、ジョニー・デップ自身にも少年のままの自分が存在しているからに違いない。
(text by リンナ)