我が人生最悪の時
(1994年 日本 92分)
2006年1月14日から1月20日まで上映
■監督・脚本・プロデューサー 林海象
■脚本 天願大介
■助監督 行定勲
■出演 永瀬正敏 / 南原清隆 / 佐野史郎 / 楊海平 / 南果歩 / 宍戸錠
(C)フォーライフミュージックエンタテインメント/映像探偵社横浜・黄金町。派手なアメ車を乗り回す粋でイナセな男が一人。その名も私立探偵・濱マイク。ある日、マイク(永瀬正敏)は雀荘でのもめごとの仲裁に入ったことで知り合った台湾人青年・楊海平に、行方の知れない兄の捜索を依頼される。自分も妹と二人きりで生きてきたマイクにとっては、楊の兄への想いが他人事とは思えない。マイクは勇んで相棒の情報屋・星野(南原清隆)と共に捜索を始める。
やがて、二人は楊の兄が香港の黒社会と通じていること、横浜を舞台に組織間の抗争が行われつつあることを掴む。依頼人のためにはどんな無茶もいとわないマイクはマフィアに目をつけられ…。
シャープなモノクロ映像や、繰り返されるドリーショット。陰影に富んだライティングと、異国情緒漂う景色。スタイリッシュなのにどこか人情味があり、ドタバタ感を残しつつもクールにまとめるところは鈴木清順・大和屋笠らの日活無国籍アクションを彷彿とさせる。
しっかりとつくりこまれた画面の中に現れる顔もまた見事。主演の永瀬正敏を始め、麿赤児、佐野史郎といったどこかレトロな趣をたたえた役者達は実に美しい。極めつけは、マイクの師匠役の“エースの錠”として登場する宍戸錠。その存在感たるや圧倒的である。
2002年にテレビドラマにもなった濱マイクシリーズの劇場公開一作目。
(Sicky)
探偵事務所5" 〜5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語〜
(2005年 日本 132分)
2006年1月14日から1月20日まで上映
■監督・企画・原作・脚本・プロデュース 林海象
■脚本 天願大介 / 利重剛
■ナレーション 宍戸錠
■出演 成宮寛貴 / 宮迫博之 / 貫地谷しほり / 佐野史郎 / 永瀬正敏
■オフィシャルサイト http://www.tantei5.com/index2.html
(C)2005 avex entertainment『私立探偵 濱マイク』から8年。新たな“探偵伝説”が始まる―─。
舞台を濱マイクの活躍した横浜・黄金町から探偵事務所5(ファイブではなくゴと読む)の総本部のある川崎の臨海地区に移し、あの有名な小林少年の孫で新米探偵の591(成宮寛貴)と浮気調査専門探偵522(宮迫博之)のコンビが悪徳美容整形外科の裏に潜む悪を追いかける。
新米探偵591は、探偵試験には合格したものの仕事をもらえず時間をもて余していた。そこに現れた探偵事務所5の会長(宍戸錠)の孫娘・宍戸瞳(貫地谷しほり)に、「楽園へ行く…」と言い残して失踪した友達を探して欲しいと頼まれる。早速、調査を開始した591は、行くと帰って来れないというウワサのある美容外科カインに行き着くが…
浮気調査専門の探偵522は、ワケあって仕事以外の時間はカイン美容外科の調査に当たっている。しかし最近、新人591がカインの調査をして周っていることにイライラしていた。そんな中、カイン美容外科で大物犯罪者が逃亡のために整形手術を受けるという情報を手に入れる。
『探偵事務所5"』の世界観は独特のもので、時代は過去なのか未来なのか、川崎が舞台なのに雰囲気はまるでアジア諸国。またその世界観により一層厚みを出してるのが、探偵全員が黒淵眼鏡(3CCDカメラ付き)に、黒い帽子、黒いネクタイ、スタイリッシュな黒スーツ(防弾)や、目潰しライトのついた時計、タバコ型の携帯電話などなど、男の子なら誰もが憧れる探偵七つ道具たち。そして名前の代わりの5から始まる三桁の5ナンバーのコードネーム。自身も探偵の免許を持つ林海象監督が「探偵映画の集大成」と語るのも頷ける出来に仕上がっている。
映画の展開も独特で、591を主人公にした「楽園」と、522を中心にした「失楽園」の2話で構成されている。そして、世界初の試みとしてスクリーン上だけでなく、インターネットでも映画と並行して26本のサイドストーリーが製作されている。
リアリティとファンタジーの曖昧な境界で織り成す不思議な探偵世界、覗いてみてはいかがですか?
(パンプキン)