サウンド・オブ・ミュージック
制作40周年記念─ニュープリント デジタルリマスターバージョン─
THE SOUND OF MUSIC
(1964年 アメリカ 174分)
2006年11月25日から12月1日まで上映
■監督 ロバート・ワイズ
■脚本 アーネスト・レーマン
■音楽 リチャード・ロジャーズ/オスカー・ハマースタイン二世/アーウィン・コスタル
■出演 ジュリー・アンドリュース/クリストファー・プラマー/エレノア・パーカー/リチャード・ヘイドン
■1965年アカデミー賞5部門受賞(作品・監督・ミュージカル映画音楽・編集・録音)ほか
歌が大好きなマリアは、オーストリアの修道院の見習い修道女。しかし、修道院長にとっては、奔放なマリアは悩みの種。今日も修道院を抜け出し、歌を歌いにどこへやら…。マリアの将来を考えた末、院長は彼女を家庭教師としてトラップ大佐と厳しくしつけられた7人の子供たちが暮す邸宅へと派遣する。
マリアは子供たちに遊ぶことを教え、そしてなにより、歌を歌うことを教えていく。子供たちの歌は、厳しく頑なだったトラップ大佐の心も、しだいに解いてゆく。
時代背景は物語が進むにつれて暗いものになっていくが、このマリアの奔放さと歌声が、そんな印象も吹き飛ばしてしまう。マリア役のジュリー・アンドリュースは、『メリー・ポピンズ』でもおなとじみの人物。この映画の清々しさは、彼女あってこそ。
観ていくうちに「エーデルワイス」「ド・レ・ミの歌」「もうすぐ17才」など、学校でお世話になった曲や、物心ついたときから口ずさんでいた曲や、とあるCMで流れていた耳なじみのいい曲が、『サウンド・オブ・ミュージック』から生まれた曲だったと気付く。名曲は、常に私たちの隣にあるのだ。大人から子供まで楽しめる映画は数少ないが、『サウンド・オブ・ミュージック』はその数少ない映画のうちのひとつだろう。
歌ったり、踊ったりするなんて、それだけでもただ単純に興味深い。たとえ、言葉がわからなくても、充分に伝わってしまう。だから、ミュージカルはずるい。それにもまして、映像という表現を手に入れたミュージカル映画は、もっとずるい。
雨に唄えば
SINGIN' IN THE RAIN
(1952年 アメリカ 102分)
2006年11月25日から12月1日まで上映
■監督 ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン
■脚本 アドルフ・グリーン/ベティ・コムデン
■作詞 アーサー・フリード
■作曲 ナシオ・ハーブ・ブラウン
■音楽 レニー・ヘイトン
■出演 ジーン・ケリー/デビー・レイノルズ/ドナルド・オコナー/シド・チャリシー/ジーン・ヘイゲン
『サウンド・オブ・ミュージック』が“清々しい”名作といえるなら、『雨に唄えば』は“華々しい”名作といえよう。
それは、無声映画から発声映画(トーキー)へと転換する頃のハリウッドが舞台。映画業界は大きい変化の時期を迎えて大混乱。無声映画で黄金期を築いていたスターたちも同様に、自分達の行く末を案じずにはいられなかった。
オープニングからして、引き込まれてしまう。真っ黄色のレインコートを着て、ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズの3人が歌いだせば、理性とは裏腹に身体がリズムを刻みはじめてしまうはず。映画のタイトル通り「シンギング・イン・ザ・レイン(雨に唄えば)」でジーン・ケリーが雨の中を歌いながら踊るシーンは、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。
ユーモラスでコミカルだったり、真剣に愛を歌ってみたり。なによりダンスがすごい。50年以上も前の映画だからと、うっかり気を抜いて観ているとイスからずりおちるはめに…。
テイストは違うものの、両作のスケールの大きさは、さすがといえる。もちろん、見応えは申し分ない。誰もが知ってる“名作”だから、もうすでにストーリーは知っているから、わざわざ観る必要ない、なんて思うべからず。映画館で観てこその名作です。
(ロバ)
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