ウォーターボーイズ
(2001年 日本 91分)
2005年4月2日から4月8日まで上映
■監督・脚本 矢口史靖
■出演 妻夫木聡/玉木宏/金子貴俊/平山綾/眞鍋かをり/竹中直人/杉本哲太/谷啓/柄本明
ひと夏の、青春シンクロ・ストーリー。
そう、シンクロナイズドスイミングである。シンクロと言えば、一般的に女性たちが美しく華やかに舞う水中競技を想像するが、しかし、この映画でいう“シンクロ”は少し違う。『ウォーターボーイズ』というタイトル通り、“男のシンクロ”という、ユニークな題材をもとに、高校3年男子の切なくもオカシイ夏休みを描いた、青春映画。
はじめて聞くと、「気持ち悪い」「スネ毛の処理は大丈夫?」という心配が頭をよぎります…。が、しかし。アクロバティックで、華麗なフォーメーションや楽しいダンスが盛りだくさんの男子ならではのシンクロに、心配も吹っ飛び、目がくぎづけになるハズ。モデルは、実際に埼玉県立川越高校が毎年9月の文化祭で水泳部が行っている、人気演目。ニュースでも取り上げられ、その活動に矢口監督が興味を持ったことから、映画『ウォーターボーイズ』はスタートした。
廃部寸前の唯野男子高校水泳部。部員は、やる気もなくズルズルと続けてしまった3年の鈴木(妻夫木聡)ただ1人。そんな水泳部の顧問に、新人のピチピチ女教師・佐久間先生(眞鍋かをり)が就任し、部員は一挙に30人近くに膨れ上がった。が、佐久間先生が本当に教えたかったのは、競泳ではなく、シンクロナイズドスイミングだったのだ!!
そんな佐久間先生の「シンクロやろう!」という熱い思いを知ったとたん、生徒たちは恐れをなして逃げ帰り、鈴木を含む間の悪い5人だけが(言いくるめられて)渋々シンクロをする羽目に…。
怪しいイルカ教師(竹中直人)、水泳部の責任者・杉田先生(杉本哲太)、ど迫力のオカマバーのママ(柄本明)なども現れ、事態はますますややこしくなり…。彼らの高校生活最後の夏休みは、想像もしなかったシンクロ特訓のアツ〜い日々で幕を開けた。果たして“男のシンクロ”に晴れの舞台はやってくるのか!!
真夏の光り輝くプールで、ズッコケながらも頑張るボーイズたちの姿に、思いっきり笑って、ジーンと胸が熱くなり、元気になること間違いなしです。
(ロバ)
スウィングガールズ
SWING GIRLS
(2004年 日本 105分)
2005年4月2日から4月8日まで上映
■監督・脚本 矢口史靖
■音楽 ミッキー吉野/岸本ひろし
■出演 上野樹里/平岡祐太/貴地谷しほり/竹中直人/白石美帆/小日向文世/谷啓
動機は不純な方が案外うまくいったりするのが世の常(?)ですが、『ウォーターボーイズ』に続く矢口監督の『スウィングガールズ』も、その法則(?)に見事にのっとった青春映画となった。
東北の片田舎の高校。夏休みだというのに補修を受けている女子高生達がサボる口実で悪知恵を働かせる。が、そのせいで、ビッグバンドに参加することになってしまう。それまではジャズとは無縁だった彼女達のこと。当然、楽器を手にしても音が出るはずもない。けれど、猛特訓の末にメロディーを奏ではじめると、いつしかジャズの魅力に引き込まれていく。
やがて「ジャズやるべ!」を合言葉に自分達だけのバンド結成を決意するものの、楽器はないしお金もない。資金稼ぎのバイトをしてみても、今度もやっぱりドジ踏みまくり。ビッグバンドジャズへの道のりは遠く険しい…。さて、17名のガールズ&ア ボーイの行く末やいかに。
スウィングガールズ(アンド ア ボーイ)を演じる17名は、二度の合宿を含む五ヶ月の猛特訓を経て、ド迫力演奏をマスター。『Take the A train』や『Moonlight Serenade』等劇中で使用される楽曲はすべて出演者本人による演奏で、十二分に見せ・聞かせてくれる。
「映画館を出たら必ず音楽をやりたくなっちゃう。そんな映画を目指しました」とは監督の弁だが、劇場を出たあとに心と体が思わずスウィングしてしまう映画に仕上がっている。
監督は『アドレナリンドライブ』『パルコフィクション』といった作品で独特の力の抜けた笑いをみせてくれる矢口史靖。出演は『チルソクの夏』『ジョゼと虎と魚たち』の上野樹里と、これが映画初出演となった平岡祐太。スウィングガールズ(アンド ア ボーイ)の「指導」をする隠れジャズファンの数学教師役に竹中直人。音楽教師役には白石美帆。トロンボーン奏者としても有名な谷啓や、小日向文世、渡辺えり子といったベテランが若い力をサポートする。
『スウィングガールズ』を見てジャズを始めるなんて、なんて「不純」で素敵な動機!お財布に楽器購入資金もいれて、是非劇場へお越しください。(なお、あなた様の「思わぬ出費」に対し当館は責任をもてませんのであしからず(^^;)
刀hスウィング”=swingとはジャズ特有のリズム感・躍動感をさす用語。もとは「揺れる」という意味で、簡単に言うと<心から楽しむ。のってる>と言う感じ。
(sicky)