69 sixty nine
(2004年 日本 113分 )
2005年9月10日から9月16日まで上映
■監督 李相日
■原作 村上龍 『69 sixty nine』
■脚本 宮藤官九郎
■出演 妻夫木聡(『ジョゼと虎と魚たち』)/安藤政信/金井勇太/太田莉菜/柴田恭兵/村上淳/井川遥
(C)2004 『69 sixtynine』製作委員会見つけたぞ、
何を?
永遠を、
それは太陽に溶ける海だ。
1969年。世界中でフラワーチルドレンと呼ばれるロックとマリファナの紫煙に包まれた若者達があふれていた年。ベトナム戦争にラブ&ピースの精神で訴えかけ、自由を求めていた年。お色気番組『11PM』が高視聴率を記録し、『平凡パンチ』が創刊と共に若者達のバイブルと化した年。
舞台はそんな、なんでもありな年の長崎県佐世保市。佐世保北高校3年のケンはいつものように掃除をサボり、同級生のハンサムだけど、なまりのきついアダマ(歌手のアダモに似ているから)や、コーヒー牛乳とマイナーコードの悲しい歌が好きなイワセと、屋上から女子生徒のマスゲームの訓練を眺めていた。
そこでケンは「彼女達を解放しよう!」と、映画と演劇とロックが一体となったフェスティバルの開催を目論む。しかし、実際はフェスティバルという言葉の響きへの憧れと、全校男子のマドンナで英語劇部のクールビューティーのレディ・ジェーン、松井和子の心をつかむための(個人的な)企画だった…。そして、ケンのしょうもない思いつきと妄想と、人生は楽しまなくてはならないというモットーの元、なぜか学校をバリケード封鎖するまでに計画は膨れ上がってゆくのだった!!
ランボーの詩と同様に、青春の罠にはまってしまう。だからいいのだ。守りに入ったらもうだめです。原作は87年に刊行され、ベストセラーになり今も読み継がれている、村上龍の自伝的小説。
今回の映画化で脚本を担当したのは『GO』『ピンポン』なども手掛けた、脚本家の宮藤官九郎だ。彼の手により『69 sixty nine』は、原作の面白さと、“今”を取り込み、若者達をみごとに描き出している。この映画を観て、一緒に(やんちゃな)青春の罠にはまってみませんか?
(ロバ)
パッチギ!
(2004年 日本 119分 )
2005年9月10日から9月16日まで上映
■監督・脚本 井筒和幸
■原案 松山猛
■脚本 羽原大介
■出演 塩谷瞬/高岡蒼佑/沢尻エリカ/楊原京子/尾上寛之/真木よう子/小出恵介/オダギリジョー
”パッチギ”には、ハングル語で「突き破る、乗り越える」という意味と「頭突き」という意味がある。
1968年の京都。平凡な高校生松山康介(塩谷瞬)は、京都を見学中に日本と在日朝鮮の高校の争いに巻き込まれてしまう。その争いの中、朝鮮高校の番長アンソン(高岡蒼佑)と出会う。その出会いは強烈なパッチギから始まった。
争いのあった翌日、ひょんなことから朝鮮高校との親善のためにサッカーの試合を申し込みに行くことになった康介と友人の紀男(小出恵介)。そこで出会ったアンソンの妹キョンジャ(沢尻エリカ)に康介は一目惚れしてしまう。康介は国籍の違いやアンソンの妹ということに戸惑いながらも、キョンジャの気を引くために、彼女が吹いていたフルートの「イムジン河」をフォークギターで練習しはじめる。
この映画はTVの辛口な映画批評で有名な井筒和幸監督の作品です。『パッチギ』を観る前には、TVであれだけのことを言っているけど、どんな作品を撮る監督なんだろう、と思ってました。だけどこの『パッチギ』を観ての私の井筒監督へのイメージは大きく変わりました。恋愛映画、青春映画、アクション映画、社会派映画などの色々な映画の要素を絶妙なバランスで盛り込んである良質なエンターテイメント作品で、井筒監督って実はもの凄い監督と思いました。
いやー、自腹で映画みてケチョンケチョンに言っているけど、それだけのことはありますね。こんなにハラハラ、ドキドキしながらそして泣ける映画をつくれるなんて。恋愛に、喧嘩に、フォークに、学生運動に、ヒッピーに68年という変革の時代、社会に奔走されながらもそれぞれがみんな一生懸命に生きている。生きるパワーが溢れた映画です。皆さんも是非とも自腹を切ってご鑑賞してみては如何ですか?
(rudy)