toppicインファナル・アフェア三部作一挙上映!

その類い希なオリジナル脚本の素晴らしさに、ハリウッドメジャー各社(ドリームワークス、
パラマウント、ソニー・ピクチャーズ、20世紀フォックス、リージェンシー、ワーナー・ブラザース)が
争奪戦を繰り広げた。結果はハリウッド史上最高の金額で、マーティン・スコセッシを監督に据えた
ワーナー・ブラザースが獲得。

世界中でCGを駆使した映画全盛の今、 『インファナル・アフェア』
脚本の素晴らしさで勝負する第一級のドラマである。
二重・三重とスリリングに展開するさまは、最後まで全く予想がつかず、
瞬きすらできないほどの緊張感だ。早稲田松竹では続編の『インファナル・アフェア3 終極無間』
またキャストを一新して二人の過去に遡った『インファル・アフェア 無間序曲』と、シリーズ3作まとめて上映!

インファナル・アフェア
INFERNAL AFFAIRS
無間道

(2002年 香港 102分)
pic 2005年10月22日から11月4日まで上映 ■監督・製作 アンドリュー・ラウ
■監督・脚本 アラン・マック
■脚本 フェリックス・チョン
■編集 ダニー・パン
■視覚効果顧問 クリストファー・ドイル

■出演 アンディ・ラウ/トニー・レオン/アンソニー・ウォン/エリック・ツァン/ケリー・チャン

(C)2003 Media Asia Film(BVI)Ltd.All Rights Reserved.

幼い頃から狭い公団住宅で育ち、マフィアの構成員となった18歳のラウ。幹部の指示に従い、警察に潜入して内部情報を組織に流すために、香港警察に入隊する。時を同じくして、警察学校に通っていたヤンは、学校を強制退学となる。表面上の理由は、警察学校の規律を破ったからだったが実際は、その優秀な才能を見込まれ、マフィアに潜入して捜査にあたるためだった。それぞれの任務に就いてから約10年後―。二人の運命は交叉してゆく。

pic警察に潜入したラウは、警察官として順調に出世し、地位と財産、そしてベストセラー作家の婚約者メリーとの安定した暮らしを手に入れていた。一方、ヤンは長年にわたる内通捜査で、自分が何者なのかを見失い、精神カウンセリングに通っていた。

そんな中、大きな取引の失敗により、警察とマフィアの双方は、内通者の存在を認識しはじめていた。そして、それぞれ裏切り者探しに乗り出すのだった。その役目を、警察は組織犯罪課に昇進させたラウに命じ、対するマフィアは自分達の片腕だと信じるヤンに、その任務を負わせる。

脚本の素晴らしさだけが本質ではない。脚本の素晴らしさに負けないくらいに、主演二人の演技は素晴らしい。それぞれに違う役を演じてはいるが、二人が発する孤独感には似た匂いを感じることができる。十年という長い月日を息苦しい仮面をつけたまま過ごし、二人は極限まで疲れ果てている。その表情は、なんとも言えない哀愁を放っている。アジアのトップスターのトニー・レオン、アンディー・ラウ、彼らの演技には脱帽してしまう。

pic警察とマフィアの“潜入者”として身分を隠して働いてきた、二人の男たち。光の中へ向かって行く者と闇の中へ向かって行く者。いつしか、その世界の色に侵食されていき、それぞれの運命の方向性を変えていく二人。対峙する両者。アクションだけに留まらない、香港が生み出した新たなフィルム・ノワールの姿がここにはあります。

(nimoロバ)


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インファナル・アフェア 無間序曲
INFERNAL AFFAIRS II
(2003年 香港 119分)
2005年10月22日から10月28日まで上映 ■監督・製作・撮影 アンドリュー・ラウ
■監督・脚本 アラン・マック
■脚本 フェリックス・チョン
■編集 ダニー・パン

■出演 エディソン・チャン/ショーン・ユー/アンソニー・ウォン/エリック・ツァン/カリーナ・ラウ

(C)2003 Media Asia Film(BVI)Ltd.All Rights Reserved.

──時間・空間・業  終らない鎖のはじまり──

1991年、香港マフィアの大ボス・クワンが暗殺された。配下の5人のボスたちは下克上をたくらみ、抗争勃発をたくらむが、唯一新参のボス・サム(エリック・ツァン)だけは静観を決め込んでいた。実は、クワンの暗殺は、サムの妻・マリー(カリーナ・ラウ)が、サムには内緒で子分のラウ(エディソン・チャン)に命じたものであった。

pic権力抗争に備え、警察も警戒を強めるが、クワンの次男・ハウ(フランシス・ン)があっという間に4人のボスの弱みを利用し、大ボスとなってしまう。マリーに恋心を抱くラウは、サムの指示によって、警察学校に入学し、スパイとしての生活を始める。一方で、ハウに警戒を強める組織犯罪課のウォン警部(アンソニー・ウォン)もマフィアのもとへ潜入捜査官を送り込もうとしていた。警察学校の主席であるにも関わらず、サムの異母兄弟であることがバレ、退学処分となったヤン(ショーン・ユー)に白羽の矢が立てられる。

4年後。ラウは警察官となり、ヤンはサムの手下として足場を固めていく。そんな中、サムが5人のボスたちを集め、権力の委譲を申し出る。香港返還という時代の大きな流れと供に、再びマフィアの権力抗争と警察の対立が拡大し、ラウとサムの運命が大きく動き始める。

pic『インファナル・アフェア』3部作の第2章である『無限序曲』は1作目『インファナル・アフェア』の前段という形をとっているが、その成り立ちはいささか特異である。監督・脚本のアラン・マックと、アンドリュー・ラウは当初『インファナル・アフェア』と、その続編である『インファナル・アフェア 終極無間』のみを考えていたという。そこに、今作『無間序曲』が『インファナル・アフェア』撮影中に企画され、最終的に3部作として世に出ることとなった。

3部作は1つの無間の連なりをもった物語を構成するが、その真ん中に位置する今作は、決して「つなぎ」に留まってはいない。男達の争いの中で紅一点、サムの妻・マリーが重要な役どころとして登場し、前作『インファナル・アフェア』には弱かった男と女の情がより強く描かれている。

サッカーも戦争も女と酒のためにするという説があるが、やはり女の存在あってこその争いは間違いなくあるわけで、そういった点で今作は良い意味で「湿っぽい」といもえる。また、3部作に連なる設定や小道具は、謎解きの鍵としてだけでなく、登場人物たちを知る助けとなり、一つの大きな魅力である。

(Sicky)


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インファナル・アフェアIII 終極無間
INFERNAL AFFAIRS III
(2003年 香港 118分)
pic 2005年10月29日から11月4日まで上映 ■監督・製作・撮影 アンドリュー・ラウ
■監督・脚本 アラン・マック
■脚本 フェリックス・チョン
■編集 ダニー・パン

■出演 アンディ・ラウ/トニー・レオン/レオン・ライ/ケリー・チャン/アンソニー・ウォン

(C)2003 Media Asia Film(BVI)Ltd.All Rights Reserved.

潜入捜査官と潜入マフィア。2人の男の人生を中心に、息もつかせぬストーリー展開、そして衝撃のラストシーンで観る者を熱狂させた『インファナル・アフェアT』。男たちの過去を描き、『T』をも凌ぐ完成度を誇った『インファナル・アフェアU 無間序曲』。そしてこの悲壮感に溢れた物語に終止符を打つのが完結編『インファナル・アフェアV 終極無間』だ。

pic各作品ごとに作風が異なる3部作だが、本作はアンディ・ラウ扮するラウの心の葛藤に重点が置かれている。

話が進むにつれて、まるでジグソーパズルが徐々に一枚の絵を成していくように、現在と過去を行き来しながらこれまで残されてきた全ての謎が解き明かされていく。その展開はもう「見事!」の一言に尽きる。そしてこの男たちのサーガの締めくくりに用意された悲しすぎるラスト。ここではじめて観客は『終極無間』の意味を悟ることとなる。男性は激しく胸を突かれ、女性は男っていいなぁと思うはず。

pic3部作にするという前提のもとに撮影・編集されたシリーズのため、1作ごとに観ると説明不足なところも多少あるので、『V』観賞前には必ず『T』『U』を観ておく(観なおしておく)ことをお勧めする。

カンフー・コメディといったそれまでの香港映画のパブリックイメージを払拭した『男たちの挽歌』から続く香港フィルムノワールの一つの到達点。

韓流?CG?なんぼのもんじゃい!観よ、これがアジア映画の持つ底力だ。

(オサム)



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